真夜中のお茶会

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2007.08.09
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この頃まともに感想書いてなかったな~と思ったので、ちょっと真面目に書いてみる。
とは言え、この本は結構前に読んだもので、
感想自体も読んだ時に書いて眠らせていた物だったり。。。






……………………
お薦め度的には★4.3(★1~満点★5)
好き度的には★4.0

牛泥棒/木原音瀬/依田沙江美
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【あらすじ】

俺のつがいはお前だけだ…。
生涯、お前だけだ。

口のきけない男の秘められた過去といじらしい思い。
お互いを慈しみあうふたりの可愛くてロマンチックなラブストーリー。

大学で助手をしている亮一郎は年上の口のきけない使用人・徳馬に密かに心を寄せていたが、想いを告げられずにいた。
幼い頃から傍にいてくれた徳馬は、短気で我が儘な亮一郎にとってかけがえのない存在だったのだ。
関係を壊すより、侍従関係のままでも徳馬を傍に置きたいと亮一郎が思い始めていた矢先、徳馬が突然暇を願い出た。
許せない亮一郎は怒りで徳馬に冷たく当たるが…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


主人公になる徳馬は芯にとても強いものを持っており、
逆境に在って挫けない強かさとしなやかさを持っている。
亮一郎大事で、自分の事よりも先に亮一郎の事を思って事を成す。

声と引き換えに母親の形見を手に入れようとしたり、
その為に20年も延々と牛を沼神様に届けに行くという。
無骨なほどの律儀さを持ち、でも、気の弱いところ……
負い目、引け目とでも言ったら方がいいのかな、一歩引いたところも有って。
だけど、亮一郎に見せる顔は最初の方では一線を画して崩れない強さ、崩せ無い弱さもあって、
それは主人である亮一郎が崩して行かなければいけないのだけど。

徳馬は無骨で融通が利かない、気弱なところが有って、
だけどここぞという時には一歩も引かない強さを感じる、その芯の強さが好ましかった。

それに反して亮一郎の、如何にもお坊ちゃまの世間知らず。
目先の事で手一杯になって、調子の良いヤツ、我儘なヤツ、
でも、真面目で誠実で、心の中では一途に徳馬を思っている健気さが可愛かったりするのね。

二人とも、切羽詰っての場面でのやっとの心情・本音の暴露合戦は
とっても等身大の人物像に思えて、その感じが、とても気持ち良かったです。

まぁね、亮一郎はちょっと我儘な世間知らず過ぎ、徳馬は絶対苦労するよな~と思いながらも、
徳馬はそんな手の掛かる亮一郎が仕方ないな、って思いながらもいそいそと世話を焼く。
本当、なんとも微笑ましい。

基本、レトロでシリアス調なお話なのに、所々クスってなってしまう。
いや、ホント。
二人の性格から来るコミカルさというか、そうボケるところが有るから、緩急あって、
話の筋が引き締まって見えるのだと思う。
これで二人の性格が真面目一辺倒……ボケた所の無かったら、
話自体が重くなるだけだったと思うのよね。

牢屋に入れられた徳馬が、褌をしていなかった、理由(苦笑)
最初、何か理由が有って辱められたのか!?
それとも他に色事めいた事が有ったのかとも思ったのだけど、
まさか徳馬自身が亮一郎からの褥でのアプローチを待ち続けていたからだなんって。。。
全く考えても見なかった!(笑)
穿ち過ぎと言うよりは、そう深読みさせて~、落とす。
その落とし所が洒落ているな~と感じてしまった。
なんか、そう来るか!これはやられた!(笑)でしたからね~。

沼から牛が続々と出てくるシーンも、可笑しかった。
……これは目が点!
想像しちゃって~、、、呆気に取られちゃいましたよ~。

その後の、牛達が、自力で各家に戻ったので、徳馬が牛を盗んだという証拠が無くなり、
無罪放免になった経緯とか、
所有者がいなくなった牛を亮一郎の叔父が売って、借金の足しにしたとか、
インパクトのある牛泥棒を毒気を抜かれた感覚でサラリと流して纏めちゃった辺り、
妙に納得させられて、すとんと落ちてしまいました。

まぁね、突っ込みたいのはテンコ盛り!(笑)
沼神様はどうして牛を生きたままとって置いたのかな、とか、
最初と最後の牛は年齢で20も違う訳でしょ?
牛はどうして年を取らなかったんだろうとか、
牛が帰ったからって……そんなにアッサリ流しても~、、、まぁ良いか。
一時はどうなるか!と思った展開だけに、
この二人の性格劇だけにこういう気の抜き方も面白いから。

後半の話で、引越しのドサクサで明かされた徳馬の亮一郎大事!!幽霊退治のはなしとか。
亮一郎に振り回されつつ世話を焼いている徳馬が、
何か本当に……お疲れさま。って言ってあげたくなってしまいました(笑)
報われるとか報われないとか、色々有っても亮一郎は亮一郎で必死でいるのが良く解るから。
徳馬の懐の深さ……いや、人間が出来ているのか、邪気の無い亮一郎に慣らされて。

椿の話はもっとリアルに妖のお話になっていたのが色っぽかった。
亮一郎があの椿の妖に全く靡かなかったと言うのが、
うわ~~~!心底徳馬一筋なのか!って。
そこまで言うとやり過ぎ、という感じがあるものなのに、
……亮一郎なら在りうるな、と思わせられてしまう、性格設定が愉快。

対照的な女性が二人出て来たことも、偏らないで上手くコントラストが出せていたし、
椿という赤い花のイメージが、とてもインパクトが在りました。
最初の話が色のあまり感じられないイメージの話だったので、
反して後半はその分赤が印象的になる。

亮一郎と徳馬の男夫婦(笑)!正に夫婦漫才。。。
原さんを……救済してあげて欲しいな~と。
姉さん女房か、年下のシッカリした男の子に振り回されるとか(笑)

このお話は主役二人の性格が上手く絡み合って、
それに抜けたところが有るから可愛く思えると言うのがとても際立っていました。
それで尚更面白かったのかな。











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Last updated  2007.08.10 01:36:28
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