ダックスの気まぐれ日記・コラム。  【楽天ブログ編】 東京の経理サポートのブログ

会社法から見る合同会社2



合同会社の社員とはどういう存在でしょうか。
一般的に社員とは社長に対する社員、すなわち従業員をイメージされると思いますが会社法の持分会社において「社員」とは会社の出資者を意味します。
出資と経営が原則として一致する合同会社のような持分会社において社員は、出資者と経営者の両方の側面を持つといえます。
会社法では社員が定款を作成し、この中で社員の全部が有限責任社員であることを規定し、この定款を登記することにより合同会社が成立することは前回お話しました。会社法における合同会社の社員についてどのような規定があるかを見ていくことにしましょう。


(社員の責任)
第五百八十条 社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合
二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。)
2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。


合同会社の社員はすべて出資を履行した有限責任社員ですので、株式会社の株主同様に間接有限責任ということですね。

持分会社では無限責任社員から有限責任社員への変更や、有限責任社員から無限責任社員への変更ができます。その場合の責任関係はどうなっているでしょう。


(社員の責任を変更した場合の特則)
第五百八十三条 有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。
2 有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
3 無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。
4 前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。


会社法においても無限責任社員の債務弁済責任はきっちり規定されています。
上記第1項では「有限責任社員」→「無限責任社員」となった場合に有限責任社員時代の債務についても無限責任社員として弁済することになっていますし、「無限責任社員」→「有限責任社員」となった場合も有限責任社員時代の債務について無限責任社員としての弁済義務があるとしています。(2年間のリミットを設けてはいますが。)
合資会社を種類変更して合同会社にする無限責任社員の方もいらっしゃるかと思いますので、この点は理解しておく必要があります。


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