不登校・ひきこもり・ニートを考える

不登校・ひきこもり・ニートを考える

回避性人格障害




『不登校・ひきこもり・ニート』がもっとも、多いといわれている人格障害にに、 回避性人格障害 があります。

と言っても、回避性人格障害かがわからない人のために、その診断基準を述べておきましょう。


1, 人からの批判、拒否、拒絶をあまりにも恐れるために、仕事上大切な人と会わなければならないような状況を避ける。

2, 好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。

3, 恥をかかされること、バカにされることを恐れるために、親密な間柄でも遠慮がちである。

4, 社会的状況の中では、批判されはしないだろうか、拒絶されはしないだろうかと心を奪われる。

5, 自分が人とうまくつきあえないと感じるため、新しい人間関係を築けない。

6, 自分は社会的に不適切な人間で、長所がなく、人より劣っていると思っている。

7, 恥ずかしいことになるかも知れないと言う理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことをはじめたりすることに異常なほど消極的である


この7つのうち4つ以上が、病院の診断で該当すれば、あなたはもう立派な、“回避性人格障害”ということになっちゃうかもしんない。


回避性人格障害の特徴は、失敗や恥をかくことにより、自分が傷付くことを恐れるあまり、対人関係や行動をためらうということにあります。

つまり、何かを行おうとする。

その何かはなんでもいいんです。

その何かを行おうとすると、 恥かいたらどうしょう? 失敗したらどうしょう? っていう恐怖感や嫌悪感が、先に立って引いてしまうという行動に出るということですね。

失敗や恥をかくのが怖い、不安だから、なにもしない。

これが回避性人格障害の行動パターンです。

いわゆる『ひきこもり・ニート』が、職場にいっても、失敗するに決まっているし、こわいから、いっそ就職なんてしなければ、むしろそのほうが安心である。

部屋にひきこもっているほうが安心である。

という考え方と一緒なんです。

恋をしても、告白してフラれるのがいやだから、何もしない。

セックスをしようとしても、笑われるかも知れないから、何もしない。



それは自分への どうせダメだろう という自己否定なんです。



この回避性人格障害にも、親御さんとの関係が深くありそうです。

つまり、これまで親御さんに、上手に誉められたことがない。

親御さんが何気なく


「お前はなにやらせてもダメだな」


と、言う。

もうそれだけで、子どもさんは深く傷付く。

暗示にかかる。

本当は否定的なことは、なるべく言わないほうがいいんですけど、万が一言ってしまった場合でも、その後にうまくフォローを入れればいいんです。


「はじめは出来なくて当たり前。こうすれば出来るんだよ、お母さんがやってみせるから、あなたもやってみて……、ほら、できたじゃない。あまりうまくはないけど、練習をしていけばできるようになるよ」


こう言う風に、何回も何回も繰り返していけば、少しずつ自ら行動していくようになります。

子どもさんが行動を始めたときに、よほどのことがない限り、行動を否定・批難はしないこと。

日常生活でも、あまり必要以上に干渉しないこと、

子どもさんの世界に侵入しないことですね。


また、回避性人格障害は、自らの自信を、いろいろな面で育てていないんです。

自信というのは、自ら思う自信だけではダメで、他者からの賞賛なり受容がないと、本当の自信にはなり得ないんですよ。

だから、あまりうまくいっていない子どもに、一方的に、「自信をもて!」って言っても、もてませんって。

自分の評価と他人の評価が、ある程度近づいて、それ“よし”とされるものであれば、少しずつ自信につながっていきます。

それも、一度や二度ではなく、何回も失敗して、何回も成功をしてやっと自信になるんです。

自信を得るなんて、何年もかかるものなんですよ。



日本人の大半は、回避性人格障害ではないかという人もいるくらいです。

いいたいことがあっても我慢する。

何かあっても謙遜する。

そんな文化風土がありますし、日本人は、全体的に対人恐怖症、外国人恐怖症みたいなものがあるみたいですね。


恥。

かいてもいいじゃないですか。

これは、当事者だけでなく、親御さんにもいいたいことでもありますね。




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