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その時、日本を出てやっとのことでドイツへ行くことになっていた。しかし、それは年が明けてからであり、年末は昔住んだスイスへ寄ってみようと決めた。
スイスへ着いて、クリスマス前なので知人と会いたくなって電話をかけた。しかしながら、その夫人はクリスマスには家族だけで過ごすからということで断られた。次にかけた相手は、まるで他人のように冷たくあしらわれた。外も寒かったが、それよりもヒンヤリしていた。別に泊めてくれと言うのではない。会いたいというだけだったのだが。。そして、また最後にかけた相手にもなんとも冷たく断られた。会いたいだけなのに。。
一人で駅の近くのホテルに入った。小奇麗な部屋で以前に長期で滞在したことのあるホテルである。安くて親切な本当に簡単なモノだけの部屋だが、そこに入ると落ち着いた。教会のすぐ横なので鐘が鳴り響くのである。時計が無くても充分何時だかわかってしまう。そこで、目の前のデパートに入り、スイスのシナモンのクリスマスクッキーやヨーグルトを買い込んだ。飛行機からずっと風邪気味のように頭が痛かったので、教会の鐘を聞きながらクッキーを食べてラジオを消して布団を被って寝たのである。
クリスマスなんて一日だけだ。一日過ぎれば何てことない。あとはドイツへ向かおう。とは思ったものの、もう一人の知人のところへ直接出かけることにした。会いたくなくても行ってしまえばもう何も言えないだろう。電話番号も無かったので行くしかなかった。店をやっているので、特に年末は31日の夕方まで仕事をすることはわかっていた。
きれいな店内に彼はいた。私を見るとすぐにあの柔らかいほほ笑みを投げかけてくれた。しばらくと言っても一年ほどだから、さほどではないが、懐かしく、話ははずんだ。話しているうちに何となく、その夜のことになった。そして、自然に彼の方から前の時のように大晦日のパーティーに誘われたのである。その時は、家族と友達が集まって楽しい時を過ごしたものであった。その時も同じように友達を呼んで盛大にやるという。
誘ってもらいたくて出かけたのではないが、ドイツからスイスへ戻って来るとは限らないし、その前に一目だけ会っておきたかったからである。
彼は、フランス人であったが、スイスについてとても苦労したようである。口数少ないが、気持ちはよく通じて、外国人である私をよく親切に扱ってくれた。奥さんはスイス人だが、オープンでおもしろい気さくな人だ。そこで大晦日を過ごし、年を越してからドイツへ行ったのである。
ヨーロッパでは、クリスマスの前夜と大晦日の夜に会食パーティーをして盛大に過ごす場合が多い。盛大でなくても家族が寄って会食、ダンス、プレゼントの交換などするのである。一人で過ごすのはみじめなようである。しかし、この世にはひとりで過ごす人も多いのである。いくら家族がいても、迎え入れらない場合や拒否する場合もある。クリスマスだからというのではないが、クリスマスだからそんなこと考えてみるのである。
キリスト教だからとかいうのでなく、家族の事を考えるチャンスである。
オニオンは、今例年のように巻きずしをたくさん作り、おなか一杯になり、デザートのブッシュが食べられないくらいになって、ウーロン茶を飲んでいる。雨も降らないし、ちょっと気温は高すぎる(10℃近くもある)がヒーター燃料代の節約になっている。ロシアでは寒すぎ、南ヨーロッパでは暖かすぎるようだが、ベルギーはちょうど真ん中である。
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