出産2

病院についたけど、もう陣痛は絶え間なく来てるので歩くのも精一杯!

今日3度目の病院(笑)

受付は3階なのでエレベーターで上がります。

開くとすぐにナースステーションなんですが、看護婦さんは妙に落ち着いています。

今度こそは、大変!早く分娩台にって大騒ぎされるかと思いきや

「おいにゃんさんですね、晩ご飯しっかり食べてきた?」

はぁ?確かに2回目に帰るときにしっかり晩ご飯食べてきなさいって言われたけど

この切羽詰った状況で食べれるわけないやん!

少し怒りを覚えたあたし。

看護婦さん(のちに助産婦さんであることが判明、しかも彼女がちなを取り上げてくださいました)が

ちゅんさんに「まだ時間が掛かると思いますので、後でコンビニにでも行って買ってきてあげてください」と言われてました。

痛いのにご飯より早く診てくれーーと思いつつ、まだ続く事務トークに付き合うはめに・・・。

入院部屋の説明や決まりなどを説明されてました。

やっと話が終わり分娩室へ通されました。

ちゅんさんとママは外で待機。

分娩台に上がるのも結構辛い。

診てもらったら、子宮口8センチ、3時から4時間もかからずに5センチも開いてる。

ここでやっと「よくがんばったね!」と誉めてもらえる。

最初から誉めてほしかったなぁと思いつつも、やっと産めるーーと安堵しました。

てっきりこのまま分娩台で産む事になると思いきや、また場所を移動。

前にNSTの装置をつけてもらった和室に・・・。

確かあの時ここでも出産できるのよと説明されたけど、まさかなぁ?

ママとちゅんさんもどうぞ!とすすめられ入ってきてます。

「ここで産みますので好きな体勢になってください。一番楽な格好で良いですよー。」

と助産婦さんに言われる。

楽な体勢って、自然と前かがみの正座になってたので、そのままお腹の下に支えの大きな空気の入った

ゴムのボールを入れてもらいました。

ちゅんさんはあたしの頭の上のほうに座り、ママはちょうど腰をさすれる位置に座ってくれました。

和室での出産はまだ珍しいので他の病院の先生方に資料としてビデオを取らせて欲しいと

お願いされますが、痛くてなにも考えずに頷いてたあたし(笑)

そして着替えもせずにお産スタートです

ちゅんさんはもともと立会い出産を希望してたんですが、ママは成り行きで付き合ってくれる事に・・・。

ぎゅーっとちゅんさんの手を握りながら、ママには腰をさすってもらいながら、助産婦さんの言われるままに動きます。

和室に入るころには子宮口も全開だったみたいで、陣痛にあわせていきみ始めます。

けどいきむっていわれてもなんとも難しい・・・。

コツのつかめぬまま言われるとおりに繰り返すあたし。

ちゅんさんやママと普通に会話しながらお産が進む、なんとも不思議な感覚。

外でなにやら気配がすると思ったら「おじいちゃんが来られました。」とのこと。

てっきりうちのパパだと思ったら、ちゅんさんのパパでした。

さすがにパパはお外で待っていてくれました。

しばらくのちにちゅんさんのママも到着。

ママは普通に和室に(笑)

あたしのママといつものように挨拶を交わす声を聞きながら、お産ってこんな感じなん?と首をひねるあたし。

うちにパパの知り合いの看護婦さんまで来てくださり、広くない和室に5人もの人があたしの出産を見てくれてる。

妙にお祭りみたいでわくわくしてしまいました。

けど、ちなはなかなか産まれてくれません。

なんだか2時間ぐらいがんばっても全然先に進みません。

陣痛の大きな波が来たらあわせていきむのよと言われてももう麻痺してきて陣痛の波がどれだかわからなくなってきてました。

あんまり産まれて来ないので思わず「もうやめたい」と口から漏れるほど・・・。

すかさずうちのママに「やめれるわけないでしょ、しっかりしなさい」と怒られる。

どうもいきむのこつが掴めないみたいで、空振りしてるような感覚があったんですが、

パパの知り合いの看護婦さんに「大きなうんちをするときと一緒!」とアドバイスを頂き

なーんだそうだったのかぁともうひとふんばり頑張り始めました。

びり!急に痛みがひどくなり、感覚で裂けたのがわかりました。

それと同時にちなの頭が出てきたのでした。

いたいーーー!慌てて産もうとするあたしに、もう力をいれちゃだめと注意が入ると

するりって感じでちながこの世に生まれてきました。

見えないですが、足元に生暖かい感触がありました。

助産婦さんに口の中のものを取り除いていただき、くしゃみを3回してから

「おぎゃあーー」

産声が聞こえました。

「かわいい?かわいい?」

まだ見えない我が子がとっても気になるあたし

「だきたーーーい!」

焦るあたしに助産婦さんは「とってもかわいいからちょっとまってね」と急いで処理をしてくれて渡してくれました。

ちいさいちいさいあたしの子供。

精一杯の声で泣いてる。

産まれたてはサルみたいとよく言うけど全然サルじゃない。かわいいよ、このコ。

へその緒はちゅんさんがハサミを入れてくれました。

たくさんの人に見守られてちなはこの世に誕生したのでした。



幸福な時間へ続く



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