プラトニック

ある日、「○TTの番号案内1○4」の仕事をしてる最中に携帯が鳴った。

Hさんからだった。

主婦は、夜の自分とプライベートはキッチリ分けていたし、仕事中でもあったので、もちろん無視した。

でも、ちょっぴり気になったので休憩時間に電話をかけてみることにする。

内容は、夜のお客さんお決まりの「お食事へのお誘い」だった。

相手がHさんだったから、少しうれしい気もしたが、ちょうど仕事中だったこともあって

キッパリ断った。

普段は、夜のお客さんからかかってきても、わざわざこっちから連絡することなどなかったが、

やはりHさんのことは気になっている。

彼のほうも・・・結構しつこかった。

あとから聞いた話、この頃彼には付き合ってる人がいたようなのに・・・やはり遊び人だー。

結局、夜の自分とお店のお客さんという間柄でお食事をする程度の仲になる。

本当はHさんより1歳年上の主婦が、ここでは3歳も年下を演じていた。

かなり無理もあった・・・

もちろん、そこは「遊び人」の彼のこと、目ざとく気付かれる。

「おめえよ~、ホントに俺の3つ下かあ~、老けてんな~」

「うん、そうなの。よく言われる。失礼よね~」

主婦だって負けてはいない。

あのお店でバイトしてる間は、何が何でもウソをつき通す決意は固い。

彼はまず、形から入る男だった。

だから女に対しても「見栄え」を気にする。

自分のことに関しても見栄を張りたがる。

自分の車は国産車のクセにデートのときは必ず父親の外車を乗ってくるし、お食事も主婦が入ったことのないような高級なお店ばかり・・・。

お勘定も、とてもスマートに現金払い。

とても慣れている。

女性に少しでも優越感を味わってもらいたいらしい・・・。

遊び人の考えつきそうなことだ。

主婦だってどうせ「ウソだらけ」だもん、その遊びに少しだけ付き合って、おいしいものをゴチになっちゃおう・・・くらいの考えだった。

最初のお食事デートの帰り、お店から出て車に乗り込んだとたん、Hさんはガバッ!と私に襲い掛かってきた。

何するんだコイツ!

もちろん主婦は「キエエエ!ギャ~~~!キョエエエエ!」と、わざとムードをぶち壊すような声を上げて抵抗する。

主婦は頭ごとおなかにくっつけるような形で丸まり、固いガードを作った!

しばらく続いたが・・・何とかHさんもあきらめてくれた。

とんでもないヤツだ!

やっぱりこれが目当てだったのかーーー!と主婦は思い、キッパリ言ってやった。

「もおおお行かない!Hさんと一緒にお食事なんか絶対ーーーーに行かないんだから!!」

ベロンベロンに酔っ払ったHさんは、ハッキリ言われたのがショックだったのか

「うそだっぺよ~、冗談だっぺよ~、ほれ帰っと~、はよ車出せコノオ~」

襲われたときは、マジ怖かったが、こうなっちゃうと、少し可愛くも思えた。

それ以来、何度となく一緒にお食事をしたが、まず襲われることはなかった。ホッ!

しばらく、こんな感じのプラトニックな交際?が続くことになる・・・。

(今思えば、一番楽しかった頃。できることなら戻りたい~)



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