おんさま日記 onsama

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質量生み出す仕組み証明(転載)



 質量生み出す仕組み証明
 「クォーク凝縮」 東大ら共同チーム

 宇宙誕生の大爆発ビッグバンから10万分の1秒後に起き、物の重さである「質量」を生み出したメカニズムの存在を裏付ける決定的証拠を、東京大の早野龍五教授や理化学研究所などの共同チームが加速器実験で6日までにつかんだ。

 質量を生む仕組みはよく分かっていなかったが、約40年前、質量を生むメカニズムとして理論的に予言された「クォーク凝縮」という現象の存在を世界で初めて証明した。

 今回の結果は、物になぜ質量があるのかという物理の基本問題の謎解きを大きく前進させる成果として注目される。

 物質の主要な構成要素である陽子や中性子は、物質の基本粒子クォーク3個でできている。しかしクォーク3個分の質量は陽子や中性子の総質量のわずか約2%で、残る98%の由来が謎だった。

 原因として考えられたのがクォーク凝縮。陽子などの周囲の空間に、目に見えない無数のクォークが対になって潜み、現実のクォークはそれらにまとわりつかれることで動きにくくなった結果、質量が増えるとした。

 ビッグバン直後、この現象によって陽子や中性子の質量が生まれたとされ、凝縮は真空中で最も強く、高温高密度になるほど弱まるとされる。

 この説を証明するため、早野教授らはドイツの重イオン研究所(GSI)の加速器を使って実験。クォーク2個ででき、スズの原子核を回る現象が知られていたパイ中間子を、スズの原子核内に入れ、その動きを詳しく分析して凝縮の強さを間接的に測定した。密度の高い原子核中心部は真空中に比べ凝縮が約35%弱まっていることを突き止めた。

 この値は理論の予想値と非常によく一致しており、クォーク凝縮の存在が明確に裏付けられた。

 早野教授は実験を15年前に着想。「必要なタイプの加速器は世界中でGSIにしかなかった。しかしアイデアも測定装置もわれわれのオリジナル。別種の中間子を使った実験でクォーク凝縮の性質をさらに調べたい」と話している。

 【クォーク】 物質の基本粒子。「アップ」「チャーム」「トップ」など6種類ある。クォークの間に働く「強い相互作用」という力のため単独では存在できず、3個集まった陽子や中性子、2個集まった中間子の形を取る。クォークと、電気的性質が反対の「反クォーク」が対となって周囲から見えなくなるクォーク凝縮が起きると、その空間を動く「見えるクォーク」は抵抗を受けて質量が重くなると考えられている。(共同通信)




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