~春~

満開の桜並木。
学生達が学校に向かう通学路。
たくさんの生徒達は急いでいるのに、その中で1人だけ立ち止まっている青年が居た。
高校の制服を着ているが、顔は童顔で背はそれなりにあるので
まぁ、高校生と言えるだろぅ。


そんな少年が見つめる先には
    「桜」
の後ろに居る「女の子」であった。


桜に良く合う漆黒の長い髪を持ち、大きな瞳で青年を見つめいる。

話しかけたのは漆黒の長い髪を持つ女の子の方であった。
「ねぇ、名前は?」
「え!?」
「アナタしか居ないでしょ。名前は?」

周りを見渡すと本当に誰も居なかった。
その青年は学校に向かわなくてはいけないのだが、そんなことは忘れてしまっていた。

とりあえず聞かれた事に対して
「要(かなめ)だけど、そっちは?」と答えた。

「璃華(りか)。私ね、要のこと ずっと見てたんだよ。」
「ずっと?」
「うん。3歳の時に引っ越してきたでしょ。」

当たっていた。
要は3歳の時、この町に引っ越してきて
この桜並木に来た事も覚えている。


スッと璃華は要の顔の前まで来て微笑んだ。
そして―

「キスしてくれたでしょ。覚えてる?」

「!?」
驚いて返せなかった。

また璃華が
「やっぱり覚えてない?」
「ち、ちょっと待って。」
要には まったく覚えが無かった。
何度思い返しても少女にも会った事も無かったのだ。

「俺、ココで女の子にも会った事ないけど・・・」
「その時はまだ人間の姿になれなかったから、この姿で会った事は無いよ。」
 笑顔で話す璃華。

「人間の姿って?!人間じゃないのか?」
「うん!《桜の精》なの。」

璃華は人間じゃない。どぅして俺には見えるのだろぅ。
そして俺は璃華にキスをした?!
人間じゃないのにどぅして。
謎だらけで頭を抱えていた。

璃華はそんな要を見て
「要は私の桜の木にキスしたんだよ。」と教えてくれた。
「え!?でも何で俺、璃華の桜の木にキスしたんだ?」
「寂しくて誰かと話したかった時、要とは話せたの。その帰り際。」
「【好きだ】とか言ったんだよね。何か恥ずかしいな。」

赤面だった。幼い頃とはいえ、積極的すぎだ。

「ははっ。赤くなってるv可愛い。」と璃華に笑われた。
ますます赤くなった。


そして俺が子供の時の事をたくさん話した。
幼稚園の時、小学生の時、中学生の時。

俺はあの時のよぅに また璃華を好きになってしまっていた。


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