メンバー紹介【5】熱き漢、その一


その名はひっそりとギルドメンバーに知られるようになった。

まず、なかなかに囁くことが難しい。
連絡をつけようと努力するのだが、何故か不在が告知される。

噂では、前身は裏の世界に名の知れた存在だったという。
実力であまりに優れた男は、表に出ざるを得なかったのか?

「俺の後ろに立つな……」

彼のこの言葉を聞くとしかし、我々は争うように集まっては、
その逞しい背中を追いかけてしまうのであった。
彼は苦笑していたが、仲間を手にかけるような男ではない。
ちょっとした照れ隠しなのだろう。

ある時、私は花園でいつもどおり花をまとめていた。
しかし、害鳥がやってきては絶えず私の邪魔をする。
一度は、突つき抜かれてあわや絶命の危機であった。
私では、こいつを退治できない。

仕方なし、私はギルド内部で声をかけてみた。

「紫の烏を退治して欲しい」
駄目マジの失敗とあってか、皆が笑う中言葉を続ける。
「報酬は、防御値の高い、戦士向けのブルーグリーブだ」

「わかった。連絡はこちらからする……」

これも彼のお得意の言葉だ。
その後、
「じゃ、いってきまーす」
と陽気な言葉が続いたのは、きっと耳の錯覚だろう。

ニヒルな口調とは裏腹に明るい性格の彼は女性にも持てる。
合成を生業とするカイラが夢中という噂は日々確証が高まる
ばかり、最近は訪れていないそうだが、果たして結果は。

尚、彼はきっちり女性のプロポーションなどをチェックして
いるようである。

それが前の生業によるものか、単なる助○心によるものか、
ある日ばっさりやられたくないので聞いてはいない。
第四世界で不意打ちで二度ほど倒された記憶は、恨み日記
でも用意しようかと思うほど痛かったのである。


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