続・くだらない詩

続・くだらない詩

彼女と指輪 -She and a ring- 彼女


バラバラと書類のような紙が大いに散らばった
散らばる…そんなものではない飛んでく飛んでく
「す…すいません!!」
声に勢いをつけようとしたがかすれた声のカンタは
勢いなんてつけるには1ヶ月というリアルな時間を
シー○ンやってのけないと無理だ
そしてとりあえず書類ぶちまけた(カンタがぶつかって飛んだ)
声的に女性だった人の顔を確認せずに
頭を下げに下げすぐ紙を集め女性に渡した
「すいません…前見ないで歩いていたものですから」
カンタは正直に謝った
かすれた声で
これまた深々と頭を下げて
地面に頭がつく勢いで
その誠意が伝わったか女性は
「いいですよ、私も実は前よく見てなくて」
お互い様ということを言いたいのだろうか
お気遣いはありがたいのだが
人とのかかわりを持たないカンタは頭を下げることしかできなかった
すると女性は
「いいんですよ…顔を上げてください」
そう言うとニッコリ笑った
カンタは顔を上げて初めて女性の顔を見た
きれい…いや…これは
可愛い…??
でもとりあえずすごく美人だった
そしてすごく可愛い人だった
結局割り切れなかったようだ
まぁ仕方ないが…
なんせ普段はとても外になど出たがらないのだから
そうして少し考えていると女性は
「では私は仕事ありますのでこれで失礼します…すいませんでした」
「ぁ…」
かすれた声は駆け出した彼女の耳には届かなかったようだ
振り向きもせずに走っていった
いや
突っ走ってった

こんな出来事がありながら家に着き
ダンボールを切り捨て
カップ麺のビニールを剥がし
カップ麺のふたの封印解除
お湯をいれようとしたとき
先ほどのことが頭をよぎった
関係ないことしてるのに
頭をよぎった
そして案の定
手にお湯がかかり
「ぅわぁあっちぃ!!!」
傍目から母が見ていたとしたら
まさに
「なぁにやってんだべカンタ」

まぁ実際はここまで訛っては無いが…

そしてやけどした手でカップ麺を食べ終わった

続く


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: