おとなカレッジ

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大人のオムツ

大人のオムツ

先日、近くの総合病院に行ってきた主人が、娘のファジー姿を眺めながらつぶやいた。

主人「病院でさ、かなりショックなものを目にしたんだよ」

私 「何?血だらけの人が歩いていたとか?」

主人「多分90才くらいのおばあさんが、家族に両腕を抱えられながら病室に戻るところ
   だったんだけど、ユルユルズボンの股部分がかなり垂れ下がってるんだよ。最初は
   そういうズボンだと思ったんだけど、看護婦さんの一言ですべてが分かったんだ」

私 「何て言ったの?」

主人「看護婦さんは、『あらやだ、おばあちゃんオシッコしたのね』って言ったわけ。
   あの垂れ下がっていたのは、大人用の紙オムツがオシッコを吸収して膨らんでいた
   んだよ。あの光景を見てかなりショックだったよ。赤ちゃんならまだしも、大人が
   紙オムツをはいて、あんなふうになってしまうなんてさ。自分がそうなった場面を
   想像したらブルーになったよ。」

私 「そうだね、赤ちゃんだって紙オムツでオシッコしたらプックリ垂れ下がるんだもの
   大人だとオシッコの量も多いしね、物凄いことになっていたんだろうね」

主人「自分が年をとったら、やっぱりあんな風にオムツを付けられちゃうのかな?」

私 「病院だからっていうのもあるんじゃない?処理が楽だから」

主人「あんな風にはなりたくないな・・・」

私 「大丈夫、紙じゃなくて布オムツにしてあげるから(笑)」

人間は、赤ちゃんから大人になってまた赤ちゃんに戻っていくのだと聞いたことがある。
自分が年をとった時に、どうなっているかはまだ想像できないけれど、長生きすれば楽しいだけではない現実がある。介護する側される側、色んな事情があるけれど、下の世話というのは厄介な問題でもある。

今年98歳になる祖父も足腰が弱くなり、床に伏すことが多くなってきた。祖母は88才、孫のオムツ替えを見ながら「赤ちゃんのウンチは臭くないけど、大人のは臭いわよ。パンツを洗うのも骨が折れるわ」と笑いながら言っていたけど、「祖父は幸せだな~」と思ってしまった。そうなったら、私も主人のパンツを笑いながら洗っていられるかな?


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