映像四郎の百人斬り

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「火星」





 地下鉄A子ちゃんは、「火星」に帰るかもしれない。

 地下鉄A子ちゃんの目的は、頓挫してしまった。

 すごく前向きになってたのに、また、海底に、逆戻りだ。

 だが、毎度のことのなので、すぐに、立ち直る。

 それも、ちょっと、前のこと。

 だいぶ、落ち着いてる。

 だけど、荒れに荒れたので、だんなさんも、疲れてしまったのかも。

 いや、それも、毎度のことだ。

 地下鉄A子ちゃんは、玄関で、お酒を飲んでた。

 ぶつかりあって、ぶつかりあって、ぶつかりまくったそうだ。

 だから、そこしか、居場所がなくなった。

 子供みたい。

 そろそろ、だんなさんを解放してあげたい、とのたまう。

 そして、ちちも、ははもいない、

 雪の降る「火星」へと、帰るそうだ。

 ぶっちゃけ、それは、さびしいかも、と思う。

 だけど、仕方ないのかも。

 だけど、そういいながら、

 居座りつづけるのが、地下鉄A子ちゃんだ。

 地下鉄A子ちゃんは、弱点だらけな分、不死身なのだ。

 地下鉄A子ちゃんは、風邪をひいて、大人しく家で寝ているのだった。



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