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なんだかんだ半年以上が過ぎた。「リコちゃんには向いてないんじゃない・・?いきなりクラブのホステスってさ。」当然のこんな周りの声もありながら、「お金」と「社会勉強」?のために興味本位で始めたホステス稼業も半年以上が過ぎた。週2回のクラブ活動のリコは、同伴出勤も指名も取れない、お荷物ホステス・・だろうな。おっかなびっくりだったこの「クラブ」は、市内では40年以上の老舗高級店らしく、チーフ、マネージャーと呼ばれる男性もリコには良くしてくれた。壮絶なイジメがあるかと思いきや、ホステスさんも皆やさしかった。この環境だからこそ、こんなリコでも働けた。そして、今日火曜日はクラブ活動日。20時~24時までの時給2000円。4時間勤務。今までは4時間は補償されていた。しかし、だ。このご時世、こういう娯楽にしわ寄せは来るもの。今月に入ってから、お客についていないホステスはある程度の時間で、早上がりさせられることになったのだ。リコの出勤日である火曜日も閑古鳥が鳴く事が多くなった。22:50さっき一人で来る常連客に付いたが、もう客は一人もいない。「今日は23時上がりにさせられるな・・」と思いきや。「悪いけど、リコちゃん、上がって・・ゴメンね」え゙?23時まであと10分。これって・・22:30上がりってこと!?まじかよ~リコともう一人コレを本職にしているミホさんも上がらされる。「・・信じられない。お店変えよっかな!」と、美しいミホさんの目尻が上がる。どこもかしこも冷え冷えしている。着替えて極寒の外に出ると、街もまるで年末年始を思わせるかのような静けさだった。
2009年02月24日
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リコにとって魔の、無の連休がやっと終わった。長かった。鉄拳風に言えば、「こんなGWイヤだ」と一日中病人の如く、動物園のトド以下にグウタラな自分の無様な姿の紙芝居が始まるであろう。そんなことは、さておき・・。先ほど会社帰りにバイト先のスナックに4月分の給与を取りに行ってきた。そして、足を洗った。それにはワケがあった。4月に入ってから、ママはリコの「仕事着」に一言、二言言わずにはいられなくなっていた。ママの言動は次ぎのように変化していく。「会社に行くような格好で構わないから」 ↓「私が持ってきたジャケット羽織ってみようか?」 ↓「シャツとスカートにしようか?」 ↓「そういうシャツでなくて、ブラウスみたいな柔かい感じのない?きっと、こういうお店に行ったことないから、わからないのかしら・・」 ↓「結婚式に着て行くようなドレスみたいなのでもいいんんだけど」 ↓「家にあるスーツ持ってきてみたから、ちょっと見てみる?」こんなママからのメールもあった。気に障っていたら、ごめんなさい。お店の子も、みんなお店で着替えてるし、みんな普段着れない服を着て楽しでいるみたいよ。そうそうブラウスも、今じゃ1000円くらいで買えたりするらしいわよ。今度スーツ持って行くから、見てみてね。そして、リコは足を洗うことを選んだ。ここ1ヶ月はバイトもハッキリ言って、苦痛に感じていた。苛立つママ。頑ななリコ。たかが3時間、ママ色に染めるべく提案の「スーツ」を素直に着れば事は落ち着く話ではないか!しかし、たかが3時間、エメラルドグリーンのミニスカスーツ、肩幅が合わないであろう他人のスーツを着て、コレが「リコちゃんの仕事着」とお客に思われることの屈辱さを考えるともう限界だった。本業の仕事も忙しくなってきた事実もあり、ママにはコレを理由として、和解?した。20年近く店を経営するママの洞察力の鋭さを、リコは知っている。今回のリコの一件も、多分ママにはどういう経緯かがお見通しだろう。「また仕事落ち着いたら、お手伝い宜しくね」と、ママは4月の給料袋をリコに手渡してくれた。「色々ご迷惑かけてスミマセンでした。是非またお願いします。また連絡させてもらいますね。ありがとうございました」と、リコ。「お見合い」ということにも、リコは「頑なさ」を周りから非難され、今回のコトでも改めて自分の「頑なさ」に呆れる。「頑固ババア」と呼ばれる日は、いつの日か?
2006年05月08日
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リコちゃん、今日は、工場長が部下のサエグサさんと一緒に来るって。また、よろしくね。先週はリコ目当ての本部長を連れて来てくれた、工場長。今日は以前も一緒に来た、のど自慢大会荒らしというサエグサさんと来るらしい。リコが出勤して間も無く、工場長たちが来店した。「今日は落語のCD持ってきたから!!」と満面の笑みの工場長。そう、先週確かに「約束」してしまった、立川志の輔の落語のCD。しかも、サエグサさんに頼んでリコ用にCDに落としてきたと言う。CDの表面には、オレンジの蛍光ペンで「志の輔 宿屋の仇討ち、千両みかん」と書いてある。「リコちゃん、今度の時に感想聞かせてよ!!」うわっ。思いがけない、宿題が。いや、宿題なんて言ったらいかんな。こんなキッカケがなきゃ、「落語」を聞く事なんてないだろう。工場長が今度いつ来るかはわからないが、早いとこ、聞く事にしてみよう。
2006年04月12日
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「どうかお客が来ませんように」との祈りも虚しく、今日は平日ど真ん中というのに、混んだのだった。出勤すると、真正面のボックス席に座るスーツ姿の品のイイ初老の男性が、「待ってたよ~~!」と満面の笑みで、リコを出迎える。このお方、地元大手企業の「工場長」。もう数回接客したことがあった。いつもイイお酒で、リズムの良い歌を唄い、何気ない話も面白く、リコの中で一番好きなお客様だ。「いやぁ、昨日も実は『本部長』と来たんだけど、リコちゃんの曜日がイイって言うもんだから、ママに聞いたら水曜日だけって言うし、今日も来ちゃったよ。本部長がこれから来るから、ヨロシク頼むよ!」リコ、目当てってか?奥に入って仕度をしていると、ママからも「本部長、リコちゃんお目当てで今日いらっしゃるから、よろしくお願いね」うぅ・・決して好きでない接客業なワケだが、こう言われると、素直に嬉しいものだ。「はぁ~い」本部長が来るまで、工場長の会社での嘆きを聞いて大いに笑った。事務員に交渉して、自分の執務室にやっと電気ポットを置いてもらいコーヒーを自由に飲めるかと思ったら、その事務員が帰宅すると時間と同時に電気ポットは、片づけられ、夕方に執務室で落ち着く頃にはもうコーヒーが飲めない・・などと言う話を最近ハマっているという「落語」のような語り口調で語り、リコを飽きさせなかった。しばらくすると、本部長と他お連れが2名が来店。お酒を全く飲まない本部長は、この店ではひたすらウーロン茶だけで、過ごすのが定番だった。「あなたは、水曜日だけらしいね。僕がなかなか水曜日は空いていなくてね。他の店でも働いているよなら、そちらにも行くのでお店教えてもらえないかな?」あらぁ・・・相当気に入られたのかしら。うふ。気に入られるコトは単純に嬉しいことだ。「あは。あいにく、水曜日にこのお店だけなんですよ。ご都合つく水曜日に是非いらしてくださいね」接客業、お水のおシゴトなんて絶対向いてないって思っていたハズなのにそれらしいセリフが、サラりと出るあたりリコも随分このシゴトが板に付いてきたのだろうか?本部長とはデュエット曲を数曲唄った。それにしても、工場長、本部長たちはいつもイイお酒で、お金をもらえて彼らと時間を共に過ごせることは何とも心地良かった。「明日は出張」ということで、22時にチェック。本部長は店を出る前にリコに握手を求め、「また、来ますから」と言って、店を出る。本部長他2名を乗せたタクシーを見送ってから、工場長は「今度はリコちゃんに『立川志の輔』のCD持ってくるから」と言って次のタクシーに乗って帰って行った。今日は何だかイイ気分で一日が終えた。
2006年04月05日
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週の真ん中水曜日。水仕事の日だす。田舎のスナック。今までに「混んだ」という実感もないままに、このバイトも2ヶ月を過ぎようとしていた。しかし、どうしたことか、今日は珍しく混んだのだった。20時にリコが出勤すると、カウンターにリコはお初の地元中学校のタカギ先生。ボックス席には、地元中小企業のサラリーマン3名。リコにとっては、「混む」に充分値していた。しばらくすると、もう3度ほど店で顔を合わせた銀行の支店長が部下一人を連れてやってきた。「あ、もう何度か会ってるよね。・・名前何だっけ?」リコでぇす。名前なんか覚えてもらってなくても全然いいんです。リコもあなたのお名前覚えてないんで。同席した部下は電車の待ち合せ時間の感覚で、固一時間ほどで先に店を後にした。「リコちゃん、何か唄ってよ」「ユーミンを唄う女性を見るのが好き」と言っていたことを思い出し、やはり、この季節・・♪「blizzard」だろっ。♪ブーリィザァ~ド、ブーリィザァード~・・閉ざせ世界を~・・今日の支店長は、ユーミンを唄うリコが気に入ったのか、気がつくと、目つきが変わっていた。そして、またもやリコの最もデリケートな部分を何で独身?何かあるんだろう?何か引きずってんだろう?などとイジりに入った。どうにもならないんだから、仕方ねぇーだろーがよー。心の中でつぶやきながら、「誰かいいひと紹介してくださいよ」ともう何回使い回したか忘れる程のこのセリフを今日もまた使ってしまった。支店長は酒の量も進み、リコへの視線も怪しさを増していく。ジャケットから名刺を差出しながら、「・・俺が口説きたいね。どうやったら口説かれてくれる?」と慣れたように、何の躊躇もなく言葉が続く。都市銀行の名刺にはハッキリと「支店長」の肩書き。こんな口説き文句が、お世辞にも似合うようにも思えない支店長。「もうすぐ、俺は転勤だから、この店にも来れなくなる・・・・・だから、何でもアリさ・・君とは一度寝てみたいよ・・寝たい」他の客が唄うカラオケの音で会話が阻まれることが、有り難い環境だった。ここはスナック。この会話を交わすのも、一度寝てみたいと思わせるのも、このシゴトの時給1300円には含まれている。
2006年02月22日
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リコがバイトする先のスナックのママが「帽子」と呼んでいるオトコがいる。リコも2回程会っただろうか。彼はキャップを被り、いつも一人でフラリとやってくるのだった。そして、店内ではキャップを外すことがないという。そう・・たぶん・・・だからなのだろう。そんな「帽子」をママは嫌っていた。先週の「帽子」はリコにこんなことを話してきた。冬のロシアではさぁ・・風邪引く人って居ないんだよ。なぜか知ってる?それはさぁ・・あまりの寒さに菌も死んじゃうからなんだよ。その代わりに肺炎になる人が多いのさ。・・・・・・パイレックスってさぁ・・レンジで温められるし、「強い」って思われるんだけど割れることがあるんだよ。どういう時に割れるか知ってる?温めてから冷たい水に浸けると割れるのさ。急激な温度差に弱いんだよ。何だか、わかるよーな、わからないよーな。ホントのよーな、ウソのよーな。あ、こういう話、「合コン」ではしないほうがいいよ。横で聞いてるママの足元は、片足はサンダルが脱げ、戸棚の縁で足裏のツボを刺激していた。歌を唄えば、すこぶる下手だった。久しぶりに聞いた、ド音痴が堂々と唄う姿。しかも選曲は、ちょっとした名曲ばかりなのにどれも、台無しにしていった。23時近くになると、「ケイタイ番号は?」とフツーにリコに尋ねてきた。おせーーるワケ、ねーだろっ!知恵も働かないリコは「アナログな人間なんで、ケイタイは持ってないんですよ。普段会社で事務仕事してるし、今の生活では特にケイタイなんて必要なくって・・」・・なわけねぇーだろ。バレバレだ。すると、帽子は「賢い!」と、一言だけ残して、店を出ていった。あのぉ・・全く「賢い」とは思わないんですけどぉ。ママは嘆いた。「・・ったく、いっつも暇な時に限って来るのよ。話もツマんないし、こんな日にリコちゃんとか居なかったら、耐えられやしない」リコは、ママが退屈しない四方山話を仕入れて来なければなるまい。
2006年01月25日
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本日、お水のバイトの日でございます。客が来ませんよーに・・とまたもや悪い事を考えて出勤。ドアを開けると既にカウンターに客が二人座っていた。ゲッ。もう居るのかよ!いらっしゃいませ~♪一人はキャップを被り、一人はスーツ姿の男性。どうも話しの流れからスーツ姿の男性は銀行マンのようだった。カウンターに入り、手持ちぶさたにしていると、スーツ姿の男性が「俺さ、ユーミンを唄う女性の歌が好きなんだよね・・で、唄ってくれる?」と、切り出してきた。最近のワケのわからない歌手をリクエストされたら、完全無理だが、ユーミンならば何とか行ける。ふぅ~。えぇ・・何にしましょう?今の季節柄・・「ブリザード」なんかどうです?・・の提案も虚しく、「中央フリーウェイにして」かなりリコの自信のない唄い方の「中央フリーウェイ」にも彼の何かの想い出が蘇ったりしたのだろうか?そうこうしてる内に21時前に5人ほどの年配のサラリーマンがやってきた。やっぱり12月って感じ。この5人衆は、・・常務、・・部長と呼び合う人たちで、なるほど、それなりの品のあるイイお客だった。そして、この5人のお目当てももちろんカラオケ。何でも「点数付のカラオケで競い合いたい」と、メモ用紙と鉛筆を欲しがった。昭和30年代~40年代の聞いた事もないような歌を、それはそれはタンマリと唄い、リコも「麦畑」と「浪花恋しぐれ」をデュエットしたのだった。♪芸のためならぁ~女房も泣かすぅぅ~オヤジ様たちのほぼ貸し切り状態で時間は過ぎ、23時前には店を後にしたのだった。どのオヤジ様たちも仕事から解放されたほろ酔いの顔は、とても幸せそうだった。きっとイイ仕事をしているに違いないって勝手にそう思えた。そして、オヤジ様たちにアドバイスをいただいた・・・八代亜紀とケイ・ウンスクの歌は覚えた方がいいよ、と
2005年12月21日
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結局、ママに懇願され、リコは「水曜日の店の女の子」となった。厳格な、教師上がりのリコの母はもちろん、激怒した。が、1回/週で23時までの勤務ということを約束し、何とか重い空気は脱した。今日は、お客が来ませんよーに!と、祈りながら店でママと二人の1時間が過ぎた。暇な1時間でやったことといえば・・・箸の袋詰め。トイレ掃除。造花の掃除。電球の取り替え。そして、ママが「最近の会社じゃ、上司が部下を飲みに誘っても平気で断わるんだってねぇ。昔じゃ、有り得ないわよ~。女の子なんて、金曜日はデートだから飲み会は平日にしてくださいとか言っちゃうんだってよ~」と、話し始めた。あ、ママ・・その話・・月曜日も全く同じ事をママから聞きましたからぁ~。と、思いながらも「そんな風潮ですね」と、全く同じ返事をしてみた。そして、21時過ぎに紳士的な男性二人が来店。いらっしゃいませ~。月曜日のオヤジ様たちに比べると、「オヤジ」なんて呼べないような品のイイ人たちだった。今日は当りだ!団塊の世代というこの二人は、地元の大手企業のおエラいさんのようだった。石原裕次郎、小林旭、テレサテンの歌を次から次へと唄い捲くり、時折、ケイタイの待ち受けにしている孫の写真をリコに見せては「子供を持つってのはぁ、やっぱりいいよ」と目を細めていた。ふーん、子供か・・穏やかに迎えた23時。男性二人を見送った後、すぐにリコも店を出る。いつも、こんなお客ばかりだといいのだが・・。そうはいかない水商売。
2005年12月14日
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先週の火曜日からは、市の講座のボクササイズが始まった。そして、今日は第2回というのに、30分前に着いたのに、駐車場は満車。「隣りの公園の駐車場も借りてます」って言っていたクセに、この寒い中、歩いてかなりの距離の「第2駐車場に止めて下さい」の係の指示。・・ったく、テンション下がりますね!!!!と、おとなげない怒りを係に吐き捨て、「申し訳ございません」も最後まで聞かずに「イヤな女」丸出しでヒールをカツカツと鳴らし、ボクササイズをサボってきた。あぁ~それにしても、どうしてこういう自治体って融通が利かないんでしょう!!ムカっ腹がまだ治まらない!先週は混んでて、第2駐車場しか知らなかったから、そっちに止めることもできたが、「公園の駐車場」を聞いてしまった今週、寒さの増す今週がリコをコントロール不能にさせた。冬のバカ。
2005年12月13日
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