子ども110番の家            薬剤師パパのもの申す!

子ども110番の家            薬剤師パパのもの申す!

薬の種類・剤形と使い方


薬の種類・剤形と使い方

薬の形には、錠剤、カプセル剤、散剤(粉ぐすり)、顆粒剤、水薬などの
飲み薬のほか、坐薬、目薬、軟膏、貼り薬、うがい薬などの外用薬や、
注射薬などがあります。一般には病院(医院)からは飲み薬や外用薬をもら
ってくるのがほとんどです。これらは、病気の症状や、薬の効果や副作用を
考えて医師が選びます。主な形と使い方は次の通りです。

【錠剤】
錠剤の中には、薬の効果を高めたり副作用を防ぐために、胃でとけずに腸で
とけるよう工夫されているものがあります。むやみにかみ砕いたり、口の中
に長時間入れておかないように注意しましょう。
具体的には解けやすく吸収されやすいように圧縮形成したもの(裸錠)、
苦い薬のまわりを砂糖でコーテイングしたもの(糖衣錠)、胃で溶けずに腸
で溶けるよう加工したもの(腸溶錠)、効果を持続させるため特殊なコーテ
ィングしたもの(徐放錠)などがあります。子どもがどうしても錠剤が飲め
ないなら、裸錠ならスプーンの裏で潰して、飲ましても良いでしょう。
また錠剤が食道に引っかかっていると潰瘍の原因にもなりかねません。必ず
コップ1杯程度の水で飲みましょう。

【カプセル剤】
錠剤同様かみ砕いたり、カプセルをはずさないで下さい。カプセル剤をのむ
ときは、口に含んでから頭を下に向けおじぎをするようにすると、簡単に飲
み込めます。(錠剤もカプセル剤も水に浮きます。よくテレビなので上を向
いて飲んでいる人がいますが、苦しいのでやめた方が良いです。)カプセル
剤がどうしても飲み込めない時は、医師や薬剤師に相談して他の剤形にかえ
てもらいましょう。

【散剤】
散剤には、粉末のような粉ぐすりや、漢方エキスのように粒の大きい顆粒剤
も含まれます。粉ぐすりは、上手に飲まないと粉が気管に入り、むせたりし
ます。また、顆粒剤は入れ歯のすきまに入るととても痛くなるので気をつけ
て下さい。散剤は腸からの吸収が錠剤やカプセル剤に比べて早く、効果がす
ぐにあらわれます。細かく言うと粒子の大きさ順に顆粒、微粒、細粒、散剤
に分かれます。

【坐薬】
肛門などに差し込んで使う薬で、今までは「痔(じ)」の薬が多かったので
すが、最近では痛み止めや熱をさげる目的で、座薬が多く使われるようにな
ってきました。必ずアルミやプラスチックの容器から取り出して使用して下
さい。座薬の入れ方はそう難しくありません。洋式トイレで腰掛けるか、中
腰の姿勢あるいは上向きに寝て足を立て、薬を肛門に入れ、しばらく(30
秒位)肛門をティッシュなどで押さえたあと足をのばすとうまく入ります。
座薬を入れる前には排便をすませておいて下さい。だいたい10分程度で完
全に溶けますが便をしてしまった場合、便の中にそのままの形で残っていな
ければ大丈夫です。
どうしても痛がる場合はベビーオイル等の油分の多い物で座薬を湿らせると
スムーズに入る場合があります。


【目薬】
目薬は、容器の先がまぶたの縁や、まつげに触れないように、1回1滴さし
て下さい。また、数種類の目薬を同時にさす時は、5分ぐらいの間隔をあけ
て下さい。小児は1歳以上から使用して下さい。就寝前の点眼は、医学界で
も賛否両論ありますが、就寝前1時間程度を最終回にした方が無難です。
眼軟膏をもらった時は、できるだけ他の人につけてもらいましょう。

【貼り薬】
貼り薬には、打ち身・ねんざ等の時に痛みや腫れをとる湿布薬のほか、心臓
のための貼り薬もあります。湿布薬のなかには、トウガラシエキスを用いた
温感(あたためる)タイプのものもあり、これを使用している場合は入浴の
30分以上前に必ずはがして下さい。また、狭心症などに用いられる心臓の
貼り薬では、貼る場所や貼っている時間によって効果が変わってくる場合が
ありますので、医師の指示を守って下さい。

薬には、この他にも塗り薬(軟膏・クリーム)や吸入薬、点鼻薬、点耳薬、
注射薬などいろいろの種類のものがあり、患者さんの症状にあわせて医師が
処方します。服用法・使用法がわからないときは、遠慮なく医師や薬剤師に
聞くよう心掛けて下さい



© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: