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私は将棋のルールを知らないので、どこがどう「光速の寄せ」なのか分からないのだが、本書を読む限り、1世代以上先輩の言葉を聞くようである。少なくとも私より「高速に」年齢を重ねているようである。
いわく、「情報をどんなにたくさん集めても、ロジカルに分析するだけでは情報におぼれるだけ」(91ページ)――ネット社会に生きている我々は身につまされる言葉である。たしかに、われわれは情報に踊らされている。(そういう輩が経営層にいると更に厄介である)
だから、プロ棋士は先を読んでも「10手から20手先ぐらいまで」だそうである。どんな手が来ようが臨機応変に対応できるのがプロ棋士だそうな。CPUパワーに任せて、すべての手を読もうとするプログラムの限界が、ここにあるのではないだろうか。
われわれの仕事にしても、マーケティング分析は必要だろうが、どこかで新規性を打ち出す必要はあるだろう。二番手、三番手に甘んじていては、いつかは滅ぼされてしまうような気がする。
最後に、「料理がおいしいと思えば『これはうまいな。よくできている』とほめる」(171ページ)が家族円満の秘訣のようだ。見習わねばなるまい。
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