Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2012/07/07
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【おことわり】


◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(10)

 29. ブルックリン(Brooklyn)


【レシピ】
【スタイル】 ステア   【グラス】 カクテルグラス

 ブルックリンは、ニューヨークの独立区。イースト・リバーを挟んで、マンハッタンと向かい合うエリアだ。禁酒法(1920~33年)施行前の20世紀初め、このブルックリン区のBarで生まれたカクテルと伝わる(出典:複数のWeb専門サイトほか)。

 詳しい誕生の経緯はまったく不明だが、レシピは「マンハッタン」に対抗して、そのバリエーションとして考案されたのだろう。ハリー・マッケルホーンのカクテルブック(1919年刊)や、サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)でも紹介されており、欧米では少なくとも1910年代から登場していたと思われる。日本にも比較的早く20年代には伝わっている。

 ちなみに、ブルックリンは2012年現在、ニューヨークの5つの独立区の中では一番人口が多い(約250万人)区である。その名は、この地に数多く入植したオランダ系移民が付けた母国の地名「ブルーケレン(Breuckelen)」に由来するという(出典:Wikipedia日本語版)。

【確認できる日本初出資料】 カックテール(安土禮夫著、1929年刊)。

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30. ブル・ショット(Bull Shot)

【レシピ】 ウオッカ(45)、ビーフブイヨンまたはチキンブイヨン(冷または温)(70~90)、胡椒、セロリソルト、タバスコ
【スタイル】 ビルド  【グラス】 トール・グラス(ホットの場合はホット・グラス)

 ブル(Bull)は雄牛のこと。従って、ブル・ショットとは、さしづめ「雄牛の一撃」か。材料にビーフブイヨンを使うことから、この名がついたらしいが、現在ではチキンブイヨンを使うBarもある。

 1952年、米国デトロイトの「コーカス・クラブ(The Caucus Club)」のオーナー、グルーバー兄弟(Lester & Sam Gruber)が考案したと伝わる(出典:欧米の複数のWeb専門サイト)が、第二次大戦後、米国の日本進駐軍将校の間で流行っていたというエピソードもあり、誕生の時期についてはもう少し早く、1945年以前だったのではないかという可能性もある。

 ハリー・マッケルホーンの本(1919年初版刊)で登場しているが、上記のような時期的経緯からして初版時ではなく、後年の改訂版から収録されたものと思われる。欧米のカクテルブックでの紹介例は意外に少なく、マッケルホーンの本以外で確認できる欧米の文献は、ヴォーグ・カクテルブック(1982年刊)、ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド(1995年刊)など。

 「ブル・ショット」は、かつて米進駐軍将校ご用達だった東京會舘(丸の内)のメインバーでは、現在でも店の定番のカクテルになっている。冷たくして味わう場合は、ブイヨンが煮こごり状態になっていたら、いったん温めてから氷で冷まして利用する。なお、ブラディー・メアリーにビーフブイヨンを加えたものは「ブラディー・ブル」と呼ばれる。

【確認できる日本初出資料】 たのしむカクテル(今井清著、1976年刊)。


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31.カイピリーニャ(Caipirinha) 【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。 そちらを ご覧ください。


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Last updated  2021/07/03 10:56:22 AM
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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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