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今日は高級フランス料理店でバイオリンを弾いてきました(共演はチェロ弾きのデイビッド)。 というのも、結婚25周年を迎える富豪S氏(ニューヨークの某企業の最高責任者)が、愛する妻のために企てた音楽の贈り物。店の晩餐室の一画をまるごと借りきり二人きりの空間を確保、自分たちのためだけに奏者を雇い、二人の食事の間ぢゅう横で弾かせるという粋な演出です。もちろん楽曲は二人の思い出のあの曲この曲。 彼らが食前酒を飲み始め、いよいよ食事が始まった頃に、おもむろに僕らが登場して演奏を始めるという段取り。全ては夫人に極秘で準備されたザ・サプライズ企画。 いやぁー、緊張しました。この瞬間を台無しにしてしまったら、夫妻の四半世紀の愛の軌跡を否定してしまうことにもなりかねません。店の支配人や給仕人や別室で食事をしてる客までも総出で息を呑んで見守ってくださいました。 いきなり僕らが演奏を始めるもんだから、動揺、困惑なさるご夫人。事態が呑みこめてないご様子。そんな妻を優しく抱擁、接吻するS氏。 よーし、ここはご夫人を泣かせてさしあげなきゃいけません。「エンドレス・ラブ」(ライオネル・リッチー)を弾いてた僕は急遽思い立って、旋律をオクターブ上げて絶唱モード開始。ハイポジで奮闘したものの、あまりに苦しかったのですぐに後悔しました。でも今さら下に降りるに降りられず……(笑)。 キンキンとE線超音波攻撃のままなんとか完奏しましたが、やっぱり無謀でした。激しく反省。 彼らのテーブルに次々と運ばれてくる本格的フルコース。明らかに高価そうなワイン、アミューズブッシュ/オードブルにスープ、インテルメッツォ(お口直し)のソルべ/ジェラート、そしてフィレみにょぉ~んだの巨大海老だの。 僕は敢えてそれらには目もくれず、黙々と演奏し続けました。腹がグゥグゥ鳴ろうがヨダレが大放出しようが、平静を装い弾き通しました。 S氏から事前に提案されてた曲も含め、とにかくロマンチックでラブラブでアモーレな甘美的歌謡曲大全。歯の浮くようなめろめろメロディー、ばらばらバラード。なにしろ、ブロードウェイだったり映画音楽だったりカントリーだったりシャンソンだったりカンツォーネだったりクラシックだったり、統一感まるでなし(笑)。 ご夫妻の食事が一段落しました。僕らは改めてお祝いの言葉を申し上げ、そそくさと退散しようとしたら、S氏が「ありがとう。これで美味しいものでもお食べ」と多額のチップをくださいました。別途しっかりギャラもいただいてるので恐縮してしまいましたが、ちゃっかり受け取りました。 終演後、僕らは近所の酒場に移動、カウンターで安い酒をあおりながらプチ打ち上げ。 「金持ちはなぜあんなに金持ちなのか」という命題をめぐって、バーテンのおやじも交えて激しくも空しい議論を交わしたのでありました。 やっぱり彼らには今後もせっせとご散財いただいて、経済を活性化していただきたく。(↓自分自身の記録用に、今回演奏した曲を貼り付けておきます)Endless Love (Lionel Richie/Diana Ross)Romeo and Juliet (Tchaikovsky)Canon (Pachelbel)O Mio Babbino Caro/Gianni SchicchiCon Te PartiroThe PrayerSomeone To Watch Over MeLa Vie En RoseAll I Ask of You/Phantom of the OperaSanta LuciaAnnie's Song (John Denver)Largo from Winter/The Four SeasonsA Day Without Rain (Enya)When You Wish Upon A StarMona LisaFields of Gold (Sting)In My Life (The Beatles)Here, There, And Everywhere (The Beatles)The Way You Look Tonight
Sep 25, 2010
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近くに住むEさんから、ピアノ五重奏の練習のお誘いを受けました。世界を股にご活躍の(一部で)チョー有名なピアニストさんです。東欧のご出身。 Eさんと僕はもともと面識はあって、同じ「ガイジン」どうし意気投合、一緒に呑み喰いしたりしたことはありました。でも、音楽について熱く語ったり、一緒に室内楽で遊ぶなんてとんでもない。雲の上のような存在の方で、畏れ多い。 このたび客演として某弦楽四重奏団と一緒に本番が控えてるんだそうで、しかし共演の四重奏団さんは別の地で巡業中。本番前の練習時間が非常に限られてるのだとか。 彼らの生き抜くプロの世界というのはそうゆうものらしいです。巡業団体は現地の客演奏者と前日(や当日の午前に)パッと合わせるだけで、そのまますぐ本番。おそろしい世界です。 「練習つきあってくれない? 夕飯おごるから。」 Eさんは、わざわざ下合わせ用奏者を正式に雇うつもりはないものの、近くに住む弦楽奏者を数名つかまえてサクッと練習したいとおっしゃる。 つまり、なぜ僕なんかが選ばれたかと言うと、ずばり単に近所に住んでるから(笑)。声をかけていただくだけでチョー感動です。 お相手が務まるかどうか甚だ疑問ですが(ブラームス!)、「ただメシ」の誘惑もあり、顔出してみようかと。 勝手な推測。ピアニストというのは孤独な職業で、自分との闘い。独りで譜読みするのはやっぱり淋しいのでしょうか。そうでもない限り、僕なんかのような「なんちゃってバイオリン弾き」に声をかけてこないはず。 うちの近所って全然パッとしない地域なのですけど、意外な大物が住んでる場合があり、気が抜けません。 ついこないだも大発見。僕は(ほぼ)毎朝ジョギングしてるのですが、いつも犬の散歩している見た目は垢抜けないフツーのおじさんが、実はとんでもない富豪であることが判明。人は見かけによらないのであります。 遠くの親戚より近くの他人。中秋の名月を仰ぎながら、そんな言葉を思い出しています。 もう少しきちんと近所づきあいをしといたほうがいいかもしれません。使えるコネなら特権としてうまく活用できればしめたもの(笑)。←チョー打算的
Sep 22, 2010
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いつのまにかとっくにゲーヂュツの秋に突入。自分自身、今季はどこでどーゆー本番に乗って何を弾くことになってるのか、今さらながら確認ちゅう。早くも「クリスマス音楽会の企画を練りませう」みたいなメールも来てたし、いよいよ暗くて寒くて長い冬が近づいてきてることを否応なしに気づかされるわけで(被害妄想)。 ってゆーか、団体行動は苦手と自負してるはずの僕なのに、気がつけばオーケストラとか室内楽団とか、ほかにも公私にわたりいろいろな「組織」に所属しております。自分が代表的な地位にある団体もあれば、「お客さん」の域を出ないものもあり。 団体で何かするのって、どうしてもごちゃごちゃした人間関係に振り回されてしまって疲れるのだけれど、それを上回るほどの達成感が味わえることもあり、だからこそ団体行動が苦手な僕でも組織に所属し続けられるのでしょう。 個人ではできないことができるし、それに、群れることで生まれる安心感があるのかも。 近年やたらと聞く英単語で flash mob というのをふと思い出しました。日本語で言うところの「ゲリラライブ」? ←たぶん違う(笑) 個人だったら恥ずかしくてできないこと、他愛もない悪戯とかも、集団でだったら何でもあり? ニューヨークの大中央駅 Grand Central Station アントワープの中央駅 フィラデルフィアの高級食材店(オペラの販促)追記: フラッシュモブって、広告手法としても確立してきてる一方、集団自殺とかの問題と絡めて熱く論じられることもあるみたいです……。うーむ。
Sep 19, 2010
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ときどき中古の譜面を使うことがあります。格安で購入したり譲られたりした譜面。 使用済みというだけで拒否反応を示す人もいるでしょうが、過去にその譜面を使った人の書き込みが参考にできるという利点があるし、僕自身は抵抗はありません。←指づかいや弓づかいが納得できない場合も多々あるものの 特に室内楽曲の中古パート譜というのはなかなか面白い。「ここでセカンドバイオリンの譜めくりをしてあげる」とかいうのも書き込まれてて、おぉっナルホドと思ったり。 それに、パート名ではなく個人名が登場することも多いのです。「ブライアンより控えめに弾く」とか「スーザンの1拍めを待て」とか。 ブライアンとかスーザンが一体どのパートを弾いてたのかを解明するのもまた楽し。 さて、去る五月にメンデルスゾーンの弦楽八重奏を人前で弾く機会がありました。 僕は譜面を自前で所有してたので、各パート譜をほかの七人に貸与し、練習から本番までその譜面が使われました。 で、本番が無事に終了し、その後アタフタしているうちに時は過ぎ……。 譜面って、こうやってどんどん紛失してしまうのです。よっぽど気合い入れて管理、回収しないと、いとも簡単に行方不明になる。 ま、結局全てのパート譜を意地でも返してもらったわけですが、返ってきた譜面を見てギャフン。ボロボロに汚れてるし。 ってゆーか、皆さん、音楽的じゃないことを人サマの譜面に書き込むのはやめていただきたい。「火曜7時、エレン宅。譜面台持参のこと」とか。 「5ドルをジャスティンに返す」ってのもありました(笑)。ほかには似顔絵などの落書きも。 ま、悪気のない微笑ましい書き込みばかりだったし、本番も含めて楽しい思い出となったので、今回は許してあげることにいたしましょう。
Sep 15, 2010
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この夏は、森に引きこもってみたり河原で戯れてみたり、屋外で遊んでばかりで激しく日焼けしてしまい、決してもう若くはない我がお肌はタイヘンなことになっており。 ま、別にクラシック音楽と全く離れてたわけではないわけで。 この夏の音楽ネタについて個人的な覚え書き。 北米の夏って、学生さんたちも演奏家さんたちも極めて長い休みを抱えるわけで、これを機に避暑地では音楽関係の催しが盛りだくさん。有名どころではタングルウッドやマールボロ音楽祭。ほかにも無数の合宿式の勉強会があります。 運営もお見事で傍から見てて勝手に感心してます。閑散期の高校や大学などの施設を活用して一石二鳥。 実際、周りの音楽関係の知人たちも、この夏はどこどこで勉強してきただの教鞭をとっただの演奏しただの、いろんな土産話を聞かせてくれました。 僕自身はタングルウッドをちょっとだけ覗いてきたのと、あとは、知人のバイオリニストが教えてる合宿所を冷やかしに行きました。わざわざ日本から短期留学でピアノを勉強しに来たという学生さんとも知り合い、彼女の熱意には心打たれました。 先月下旬はちょっとだけカナダ東部に滞在しておりましたが、そこではたまたま催されてた国際弦楽四重奏アカデミーとやらのマスタークラスを聴講することができました。アルテミス四重奏団の元団員が講師。バンフ弦楽四重奏コンクール(この週末開催されてた)の前哨戦?みたいな感じで、北米や欧州の若手カルテットがガンガン弾いてました。 夏は身も心も開放的になり、どの催しも確かにお祭り気分で盛り上がります。みんなしてTシャツ、短パン、サンダルだし。 でも演奏する側にとっては真剣そのもの。 そうこうしてるうちに秋がやってきてしまうのであります。
Sep 6, 2010
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