全8件 (8件中 1-8件目)
1
「にんげんだもの」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 音楽の才能がありながらも、幼少時の体験や「曲の呪い」に縛られて精神的に追い詰められていった作曲家と、彼の作品を再演しようと奔走する男の物語。舞台はチリ(のサンチャゴほか)。 クラシック音楽を舞台にした南米映画って珍しいし、期待して鑑賞に臨む。日本(語)では未公開っぽい。 https://www.imdb.com/title/tt0442236/ 感想としては、評価を一つ星にしようか、いや五つ星にしようか悩みに悩んで、結局三つ星。 残念ながら主人公の二人のどちらにも感情移入できずじまい。人間の弱さとかいう普遍的なものを描いてるとも思えず、かと言って「天才」さんは普通の人とはやっぱり違うもんだと言ってるようにも思えない。 映像的にはかっこよかったり猟奇的だったりして、さすがは南米。構成に凝りすぎててわかりづらかったけれども、監督の狙ってることはよくわかる。 監督の名前はパブロ・ラライン。たぶんチリとかスペイン語圏の映画界では既に知られてるはずで、そのうち世界的に有名になるような予感がする。 音楽映画として観るなら、クラシック音楽やオーケストラ演奏とかに少しでも知識のあるあなたやわたしにとっては苦笑せざるを得ない場面もあるものの、ま、そこは許容範囲内。 ちなみに、一瞬だけシューベルトのピアノ三重奏曲1番が演奏される場面が出てくる。 この呪われた楽曲は、劇中で何度も繰り返し演奏され、印象に残る。曲名は「Rapsodia macabra」(死の狂詩曲)。バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」の終曲に似てる。
Apr 25, 2021
コメント(2)

今日はひさしぶりに挙式で演奏いたしました。相方はチェロのEさん。 ちなみにこちらアメリカでは着々とコービッド予防接種が進行ちゅうでして(ぼくも既にワクチン接種ずみ)、それもあってか、今日の挙式場は普通に多くの人でごったがえしてました。マスクしてない人も多数。 一方、参列したくないとおっしゃる招待客のために、式の模様はネットで生中継されてました。 音まわりに関しては、なかなか多岐にわたる選曲で楽しく演奏できました。セリーヌ・ディオン「マイ・ハート・ウィル・ゴウ・オン」(映画「タイタニック」より)とか賛美歌とか。 花嫁(と嫁パパ)のご入場曲はモリコーネ「ガブリエルのオーボエ」(映画「ミッション」より)。これまた渋い選曲です。この曲、ぼくの周りでは「ニューシネマパラダイス」よりも人気があるような気がします。 テレビ「ダウントン・アビー」からも二曲弾きました。この番組、ぼく自身はあんまし興味なくてよく存じないのですが、一部で熱狂的な愛好家がいるようです。
Apr 24, 2021
コメント(2)
「待つ子 de luxe」 今週はマーラー3番のビオラに初挑戦。動画に合わせてお独りさま本番ごっこしてみたのでその感想を。 譜読みするのは確かに難しかったけれども、マラ様の他の交響曲に比べれば難易度は高くないように思う。てか、ブルックナー並みに刻み(トレモロ)が多いという印象。おいしい旋律はホルンとかトロンボーンなど管楽器がやってる。 それより、ぶっちゃけた話、この曲は無駄に長い。1時間40分ぐらい。全部で六つの楽章からなる。小市民といたしましては、ここまで長くしなくてもいいのにと思う。一説によるとこの曲は現存する交響曲のなかで最長なのだとか。 第1楽章だけで30分。行進曲のとことかはかっこよいし別に嫌いな曲ではないけれど、やっぱし長すぎ。 4楽章でアルト独唱のお姐さまが絶唱。 そして5楽章でさらに男児合唱と女声合唱が加わる。なおこの楽章はバイオリンsはまるまるお休み(tacet)なのだけど、かといって代わりにビオラが大活躍ということでもない。てか、最後のフラジオが難所。 一方、6楽章(終楽章)は弦楽器が大活躍。特に後半がかっこよい。どっかで聞いたことがあるような親しみぶかい旋律が次々と出てくる。しかしやはり長すぎる。30分。 さて、実際問題としてこの曲を演奏会でとりあげるのは苦しいものがある。というのも合唱隊が第5楽章だけに必要で、彼らの出番はわずかに4分ぐらい。 1時間以上待って、4分だけ歌って、その後さらに30分も舞台上でずっとおすまししてなきゃいけないのって、(おばさまたちはよくても)やんちゃなお子ちゃまたちには辛いと思われる。子どもの頃にこうゆう本番を体験できた少年は幸運と言えなくもないけど、彼らは良い子のまま育ち、耐性のある強い人間に成長するか、あるいはこのときの精神的苦痛が尾を引いてクラシック音楽ぎらいになるのか、たぶん二つに一つ。 ふと思ったのだけど、この5楽章って、どうせバイオリンの人たちは暇にしてるわけで、歌える女性バイオリニスト、変声期前の少年バイオリニストのいるオケだと、全部自前で演奏できちゃうはず。←なにげに名案
Apr 16, 2021
コメント(2)
「Hey, Say, Don't jump」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 今のところ三期ぶんが放映されてて(各八話)、将来的に第四期も放映されるもよう。現時点でのぼくの感想を。 日本語版のウィキは https://ja.wikipedia.org/wiki/The_Sinner_-隠された理由- 主人公の警部を演じるのはビル・プルマンさん。敏腕な名探偵というよりかは、影のある複雑なキャラ。容疑者を追い詰めて真相を探らなければいけないのに、その過程で彼/彼女との駆け引きに振り回される。 構成としては、第一話で殺人が起こり、容疑者が既に明確で、回が進むにつれ背景や動機が明らかになっていく。 こうゆう暗い心理的恐怖ものは確かに作るのが難しいけれど、哲学的な概念を強調しようとしすぎて現実にはありえない展開になったり、そもそも脚本にムラにあってもったいない。辻褄が合わないとこも多くて気になった。 役者の皆さんたちがもれなく演技派なのは素晴らしい。どんなに小さな脇役の俳優さんすら完璧な演技をなさる。ほんと、アメリカのテレビ業界って凄すぎ。第一期の犯人役はジェシカ・ビール氏、第三期の犯人役はマット・ボーマー氏。 舞台がニューヨーク市郊外というのも気に入った。ハドソン川沿いの閑静な地域。<おまけ:こうゆうドラマを英語で観るなら知っておいたほうがいい単語五選> forensics 鑑識、法医学班 manslaughter 過失致死 warrant 令状(search warrant 捜査令状 とか、arrest warrant 逮捕令状) jurisdiction (署の)管轄区域 inmate 囚人、服役囚
Apr 11, 2021
コメント(2)
「推しメン」(評価 ★★★★☆ 四つ星) ぼくが今もっとも生演奏で鑑賞してみたいと思っているアメリカの若手実力派団体「ドーバー四重奏団」に関する映画。https://www.stringsattachedmovie.com/trailer 日本(語)での公開はないっぽい。 弦楽四重奏団に密着取材って今までありそうでなかったし、それだけで高得点四つ星。そもそもクラシック音楽関係のドキュメンタリーというと、オーケストラか指揮者、あるいは著名独奏/独唱者というのが普通だし。 実際、やっぱり地味になってしまってた。ドキュメンタリー好きで弦楽四重奏好きな人間といたしましては本作品は是非とも推したいれど、一般的には興味ある人はかなり少ないと思われ。 でも、あんまり弦楽四重奏の音楽的なことには深く突っ込んではいないし、特に知識のないお方でも普通に観られるはず。 四人それぞれに取材されてるけれど、とりわけ紅一点のビオラ女子があれこれしゃべり倒す。 メンバーどうしでの人間関係など音楽以外のネタも丁寧に紹介される。てか、うち二人が恋仲になったり。 あと、もちろん彼らがいろんな弦楽四重奏の名曲/非名曲を弾く場面がちらちら出てきて、あ、この曲なんだっけ?とかぶつくさ言いながら楽しく鑑賞できた。
Apr 9, 2021
コメント(1)

「ドルチェ&頑張んな」 今週はモーツァルトのソナタK481に初挑戦。カラオケのピアノに合わせ、三楽章全て弾いてみたのでその感想を。 嬉し恥ずかし変ホ長調。楽しく弾けるのは想定の範囲内として、この曲は第2楽章アダージョが色艶ある名曲なので驚く。この楽章は即お気に入りに登録決定。転調のしかたがかっこよい。記譜のしかたも凝ってる(バイオリン譜とピアノ譜で転調する箇所がずれてたり、二重フラット/二重シャープが使われてたり)。転調の美学が感じられる佳曲。 モーツァルトご本人によるものというよりかは、編者の書き込みなのかもしれないけれども、楽想指示語がピアノ譜ばかりに書かれていて、バイオリンはあくまでお飾りというのが明確に見てとれる。 あと、dolce という単語について。 一般には、甘く、愛らしく、柔らかに、みたいな意味とされているけれど、特に室内楽の場合、自分の譜面にドルチェと出てきたら、「ちょっと目立ちぎみに」という解釈で弾くとうまくいく。つまり今までやってたことは伴奏であり、ここで自分に旋律が回ってきたと考えてよい。espressivo とか cantabile ほどにガン弾きすべきではないけれども、主旋律としてしっかり弾いたほうがいいときに使える便利な単語。むしろ、可愛らしくふわふわ弾いてる場合じゃないことも多いのでややこしい。 逆に言えば、他の奏者にドルチェの番が移行したのであれば、自分は遠慮ぎみに弾くべし。 これは、特に弦楽四重奏、五重奏、六重奏とか弾くときには意外に重要なコツ。
Apr 7, 2021
コメント(2)

久しぶりに人前で弾きました。復活祭の礼拝にて。 そもそも日曜朝の礼拝で弾く機会すら一年以上なかったし、演奏のために早起きするのってかなり新鮮かつ不思議な感覚。今朝の音合わせ開始は七時。おうちに引きこもってる暮らしに慣れすぎてしまってたので、昨晩から緊張してよく眠れませんでした。 実際の演奏は無事に終了しました。ジーザスさまご復活を謳う前向きな曲ばかりだったので、楽しくガン弾き。 さて、こちらアメリカではワクチン接種が着々と進んでいることもあり、今日の礼拝では、(一応オンラインでのお茶の間参列も可能ではありましたが、)かなりの信者さんが実際に教会に来てナマ参列なさってました。 聖歌隊は十名、楽隊は八名編成(ぼくは第一バイオリン)、隊長はマイケルさんでした。
Apr 4, 2021
コメント(2)
「This is イット」(評価 ★★★★☆ 四つ星) 二人の男性が、それぞれ子どもの頃にマイケル・ジャクソン氏に虐待されたと証言するドキュメンタリー。家族ぐるみでジャクソン氏と親しくしていたが、やがて彼と寝室で二人きりになることが増え、あんなことやこんなことをした(された)と詳細に語りまくる。 感想としては、このドキュメンタリー、長い。確かに真実味はあるのだけど、もっとメリハリのある編集はできなかったものか。 あるいは、ほかの第三者の関係者(豪邸内で働いていた人など)からの証言も取材できてたらもっとよかった。 ただ、せっかく被害者とその家族に直接取材しているのに、皆さんいつ何が起きたか詳細に説明するのに忙しく、彼らの率直な心情、苦悩そのものが思ったよりは明確に語られてはいない印象。つまり、マイケル氏に対する感情が、純愛なのか憎悪なのか、嫉妬なのか。彼らも気持ちの整理がついていないもよう。 そして肝心の加害者(とされる)マイケル氏は亡くなってしまっており、いまさら本人を糾弾することもできない。てか、まだ生きていたとしたら彼らは告発しただろうか。 金持ち有名人の私生活の一部となって自分が得られた精神的快楽、優位性、充足感というのがやっぱり厄介なんだと思う。見えるものも見えなくなってしまう。 どっちもどっちなんじゃねと思うけれども、こうゆう番組って、当該者の立場になって観るとだいぶ印象が変わってくる。つまり、マイケル、被害児童、そして児童の親、の三者それぞれの立場。一、もし自分が大衆歌謡界の頂点を極める歌手で、富と名声を手にしたとしたら。しかも、実は可愛い児童に惹かれる性癖を持ち、その衝動を抑えられなくて悶々としていたら。一、もし自分が、まだ幼いのに、世界的な有名人と仲良くなり、自宅に招待されたら。しかも寝室を共にしようと言われたら。一、もし自分の幼い子どもが、世界的な有名人の自宅で二人きりで過ごすことになったら。 どの立場であったとしても苦しい。<おまけ:この番組に出てくる英単語三選> star-struck 有名人に夢中になる、ミーハー状態の hide-out 隠れ家、アジト lewd act わいせつ行為
Apr 3, 2021
コメント(2)
全8件 (8件中 1-8件目)
1


![]()