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「いい日旅立ち母の背中で聴いた唄を道連れに」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 余命宣告をされ死期の迫っている中年男子の終活物語。 老母、医師、看護師、そしてこれまでずっと連絡をとってなかった息子らが彼の最期に立ち向かう。 出演はブノワ・マジメル、カトリーヌ・ドゥヌーブほか。監督はエマニュエル・ベルコ。つまり「太陽のめざめ」(2015年)で既に組んだお三方。 日本で公開ちゅう。https://hark3.com/aisuruhito 感想といたしましては、皆さん演技もお上手だし確かに泣けるし、佳作と言ってよろしいかと。ただ、どちらかと言えばぼくは「太陽のめざめ」のほうをより好む。 主要人物五人のそれぞれの立場での葛藤をあれこれ詰め込みすぎてて長い。二時間越えの大作となっちゃっている。 お題は「死」なわけだから重厚長大となるのは当然ではあるけれど、美人看護師と病室であんなことやこんなことをする場面とか、あまりに唐突すぎて笑えた。 音楽療法に関する場面がちらほら出てくるので気になって調べてみたら、この医師を演じた役者さんは実際のお医者さんみたいで、どうやら彼の実体験や知識がそのまま脚本に反映されているらしい。 音楽を聴いたり歌ったり、さらに踊ったりすることが患者の体調改善に効果があるのは容易に予想できるけど、この病院では演奏家が常駐しており、患者さんのために思い出の一曲を生演奏してあげたりもする。
Jan 29, 2023
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「帰りたくないそばにいたいのその一言が言えない」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) 日本公開はまだ決まってないもよう。 今回のアカデミー賞ではポール・メスカルが主演男優賞の候補に選ばれている。 おませな11歳少女とワケありアラサーパパのひと夏の物語。少女は普段は母親のもとでイギリスで暮らしているが、短い夏の休暇を父親とトルコで過ごす。 この映画、撮影や編集がかなり凝っていて前衛的でもあり、芸術作品っぽい雰囲気がむんむんと漂っており。 物語の展開とか脚本とかも工夫されてる。二人の年齢や性格やこれまでの人生、現在の暮らしぶりなどが、会話や行動から少しずつ明らかになっていく。 ただ、時代設定についてはぼくはすぐにはわからなかった。携帯電話が登場せず、彼らは固定電話や公衆電話を使っており、動画撮影をスマホではなくビデオカメラで行なってることから判断は可能だけれど、人々の服装や髪形や車とかはそんなに現代と比べてそんなに特徴的ではなかったし、そもそも舞台となっているトルコの田舎がどの程度イマドキな場所なのかも不明。 で、どうやら今から20年ぐらい前(2000年代初頭)のお話らしい。 意識高い系の視聴者なら楽しめる映画だろうけど、万人にわかりやすいというわけではないと思ったのでぼくとしては好意的には評価できず。三つ星どまり。 途中でやっと気づいたのだけど、この映画の主人公は父親ではなく娘のほうであることを意識し、娘目線で観ると少しは理解しやすくなるはず。 普段なかなか一緒の時間や場所を共有できないぶん、娘は父親の言動を実は静かに観察している。そして思春期だし、自分もあんなことやこんなことに興味のあるお年頃。 父親役のポール・メスカルさんはアカデミー賞の候補になったぐらいだし確かにお上手だった。←アイルランドの連ドラ「ふつうの人々 Normal People」の役者さん ただ、やはりぼくはむしろ娘役の女優(フランキー・コリオさん)のほうももっと評価すべきと思う。少女なんだかオトナなんだか、あたかも二人の別の人物を行ったり来たりしてるような不安定さで魅せる。
Jan 27, 2023
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編成:ギター、ベース、フルート、バイオリン(ぼく)、ドラムス、聖歌隊 今日は教会で演奏しました。クリスマスの喧騒もとっくに終わり、いつのまにか参列する信者さんが激減してました。 聖歌隊も少人数。てか、コービッドに感染した人がまたじわじわ増えてきて療養ちゅうの人も多いとのことで、ちょっと心配。
Jan 22, 2023
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「人ごみに流されて変わってゆく私をあなたは時々遠くで叱って」(評価 ★★★★☆ 四つ星) アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の最新作をネットフリックスで鑑賞。 日本語の公式サイトは www.bardo-jp.com なんかあまりにすんごい映画で呆然としてしまった。 題名になっているバルドという単語の意味がわからなくて辞書引いてみたりもするのだけど、それでも謎。 主人公はメキシコ人、アメリカで働いて成功しており、美人妻ら家族にも恵まれている「勝ち組」系おじさん。 映画は彼の目線で進行するものの、彼自身どっからどこまでが現実なのかわからず困惑してばかり。死んだはずの人までが目の前に現れる。思春期の子どもたちとの対話すら四苦八苦。 この映画、あまりに難解すぎて一回だけ観ても理解不能なので、その点で評価は低くしたいところなのだけれど、映像がいちいちかっこよいし、甘めに高評価四つ星を差し上げたい。 てか、ぼく自身メキシコという国が大好きなので贔屓してしまう。大好きなチャプルテペク城(メキシコシティ)で撮影された場面が出てきて嬉しかったし。 あと、主人公が、何年も暮らしててもアメリカ国内では今もよそ者扱いされ、一方メキシコでも母国を捨てた裏切り者扱いされて葛藤するのを見て、ぼくも他人ごととは思えず。自分の心境が変化しているのか、周りの環境が変わっていってるだけなのか、そのあたりの相関関係も興味深いわけで。 このイニャリトゥ監督の「バードマンあるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡 」やレオス・カラックス監督の「アネット」などのような作品が好きな人には勧められる映画だけど、そうでない人にとっては苦痛となりえる作品。
Jan 17, 2023
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「加茂の流れに」(評価 ★★★★☆ 四つ星) 京都を舞台にした日本の連ドラをネットフリックスで鑑賞。全九話。どうやら日本先行配信ではなく世界同時公開らしい。初めから国際市場を狙って作られたもよう。既に音声も字幕もかなりの言語から選べるようになってた。 ドラマ設定としては、ぼくの苦手なNHK朝の連ドラ風。つまり、夢に向かって健気に前向きに生きる不器用女子が主人公で、そんな彼女の成長を日本国民老若男女が上から目線で温かく見守れるようにできた優しい作品。ぼくはてきぱきさくさく進行する作品を好むので、本作は多少いらいらしながら観た。少女たちのぎこちない台詞まわしも気になった。 実際、最初の二話を観終えた時点で、もう観るのやめてもいいかなと思いかけた。登場人物がみんな性格のいい人ばかりで物足りなく感じたし、それに「ニッポン古来の丁寧な暮らし」をこってり見せつけられておなか一杯。作り物の世界とは認識しつつも、非現実的すぎるし、自分自身の丁寧じゃない暮らしが恥ずかしく思えてきて猛省を強いられる感じ。 京都や舞妓の文化を知りたければ、ユーチューブとかに実際の現場を取材した動画とかがあるだろうし、そうゆうお勉強の教材として観るドラマでもない。 でも第三話でサバサバした出戻り女子が登場し、やっと活気が出てくる。この松岡茉優さんという俳優さん、お見事。 橋本愛さんもなかなかいい感じだった。ほかの脇役も、松坂慶子さん、常盤貴子さん、リリーフランキーさんなどの大女優、大男優さんら。どんな小さな役にもきちんとキャラ設定が組まれてて、おそらく原作ではいろいろと展開されてるんだろうと思う。続編が制作されるなら観てみたい気もするけど、悪役とかの強めのキャラを投入してもっとメリハリのある展開にしてほしいとも思う。例えば、その伝統文化とか閉鎖性とかに異議を唱えて反乱を起こす人物とか。 あーだこーだ突っ込みながらも結局は最終回まで普通に楽しめた。どこからどこまでが実際に京都で現地撮影されたのか知らんけど、やっぱり絵になる。そうだ京都行こうと誰もが思うはず。 総合演出は是枝裕和さん。なんとなく氏の名画「歩いても歩いても」(2008年)に似た演出/撮影という気がした。調理の場面とか。 あと背景に流れる音楽はかなり凝ってて、てか音楽が目立ちすぎでちょっと違和感あった。
Jan 16, 2023
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「人は見た目が九割」(評価 ★★★★★ 満点五つ星) 「くじら」という題の作品を映画館で鑑賞。ダレン・アロノフスキー監督。 日本公開はどうやら2023年4月。日本語ウィキはここ、https://ja.wikipedia.org/wiki/ザ・ホエール 主人公はバツイチ中年男性で教師、引きこもり、極度の肥満体で高血圧、心臓の病気を抱えている。演じたのはブレンダン・フレイザーさん(←お若い頃はハリウッドではイケメン枠で活躍なさってたお方)。 映画は主人公のアパートの中のみで展開される。思春期の娘、元妻、宗教の勧誘人、宅配ピザの配達人、看護してくれる友人らが彼のアパートを訪ねることで物語が進行していく。 彼は教師として働いているものの、ネット上で授業を行なうので、やはり一歩も外に出ることはない。 自身の過去や家族との確執に悩み、しかも健康状態は悪化、彼は生命の危機にさらされているのにも関わらず、屋外に出て病院で診察を受けることを拒否する。 いやぁー、主演のフレイザーさん、演技がお上手。おそらく数多くの映画賞を獲りまくると思う。二時間近い映画なのにあっというまに観終えた。 彼だけでなく登場する役者さんたち皆さまがた(全部で五、六人)がもれなく素晴らしい演技をなさっており、それだけで満点五つ星を差し上げたい。 映画の内容としては暗くて重い。実際アパートの内部は薄暗いし、窓の外もいつも雨。(最終場面でついに快晴になるのもいい。) 「人は見た目が九割」だかいう身も蓋もないことわざ?があるけれども、この主人公は自分が肥満であることを恥じており、外で人と会うことを極力避ける。遠隔授業の際も彼だけはカメラは切って自分の姿が画面に映らないようにする。 ぼくがこの映画で一番記憶に残ったのは宅配ピザのくだり。彼はピザの受け取りすら面と向かった手渡しは避け、常に「玄関先に置いといて」と頼む。それでも配達人とは扉越しに徐々に会話もするようになって心温まる交流とかに発展しそうな雰囲気になる。配達人は性格のいいお兄ちゃんっぽい。そんなある日、配達人が彼の巨体を目撃する。 世の中の「勝ち組」の多くの人にとっては、引きこもりや過食症に関する偏見があるだろうけど、果たしてこの映画はそうゆう偏見を払拭することになるのか、いやむしろ助長するのか、その辺はあなたやわたしら視聴者次第。
Jan 14, 2023
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「濃いも薄いも数あるなかに」 今日は久しぶりにブラームスのクラ五重奏に挑戦。第三、第四楽章を中心に。 クラリネットはシャーマン、バイオリンはジェインとジェフ、ビオラはぼく、チェロはポール。 第三楽章は五人がバラバラなことをやってることが多く、自分がどうゆう位置にいるのかを把握するのに四苦八苦。一応総譜を見ながらあーだこーだ話し合ってみるのだけれど、わかったよーなわからないよーな。単純にクラリネットが主役とも言えず、どこで出しゃばりどこで引っ込むべきかわかりにくい。これは難曲。あちこち出てくる16分音符についても、ただでさえみんなして全体に低めの音域でごちゃごちゃやってるので聞こえづらい。 さらに、Presto non assai, ma con sentimento とか出てきて、この con sentimento の解釈についてもぼくらは揉めたのであった。 第四楽章についても、速度表示がアンダンテだのアレグロだのわかりやすい表現ではなく、ずばり Con moto とだけ書かれてる。じゃぁどのぐらいの速さで演奏すべきなの? でぼくらは再び揉める。変奏曲だし、別に最初から最後までかっちり同じテンポでやる必要もないということで少なくとも意見が一致。 あと、この主題、どっかで聞いたことのある懐かしい旋律。ユダヤ音楽のかおりもして、ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」に似たような旋律があったよーな気もする。あるいは日本の誇る唱歌「紅葉(もみじ)」のあの独特のまったり感あふれる温かい調べを短調にしてみました、みたいな。
Jan 14, 2023
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「らるらりら」 今年一発めの室内楽ごっこはラズモフスキー2番。ぼくは第一バイオリン。(第二はブルースさん、ビオラはナンシーさん、チェロはエレンさん) 四者の音量の均衡とかについて激しく悩みながら練習。誰が旋律なのか(てか、誰が音量を大きめに弾くべきか)わかりにくいとこが多い。二重フーガ的に二つの異なる動きが同時進行で現れたりして複雑に書かれているので、すっきり洗練された響きを作るのが難しい。 ほかには、第二楽章に出てくる以下のようなリズム。どこまで差別化すべきか/しないべきか。 あと、この曲を弾くにあたって最もお楽しみ(お苦しみ)の箇所は第四楽章の掛け合いの部分。ぼくの経験からして、おそらくコツとしては、「深く考えすぎない」。弓の上げ下げだの位置だの、誰から受け継いで誰に引き渡す、だのお上品なことを考えてる暇はないので、楽譜をしっかり追って、ひたすら「たりらっ」。
Jan 11, 2023
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「誰もいない海ふたりの愛を確かめたくって」(評価 ★★★☆☆ 三つ星) サム・メンデス監督/脚本作品を劇場で鑑賞した(ら、けっこう混んでて驚く)。客は中高年ばかり。おそらく会場ではぼく(アラフィフ)が最年少だったかと。 日本でもまもなく公開予定(2023年2月)。www.searchlightpictures.jp/movies/empireoflight 時代設定は1980年ごろ、イギリスの海辺の町の映画館に勤務する人たちの人間関係とかが描かれてる。 てか、登場人物らが勤務している映画館てのがそのまま海辺の通りに面していてなかなかいー感じ。それだけで高評価を差し上げたくなる。 この町はイギリス南東部ケント州のマーゲイトらしい。ここで撮影された映画、ほかにもなんかあった気がする(ちょっと思い出せない)。 主人公の白人おばさんを演じたオリビア・コウルマンさんの演技はとぉっても素晴らしかった、けど彼女が大俳優であることは周知の事実だし、ご名演は想定の範囲内。 相手役の黒人青年(マイケル・ウォードさん演)に関しても、キャラ設定は悪くはない。 この二人の互いへの感情が友情なのか恋心なのか、そのあたりの描写のしかたは意外に淡泊。非現実で強引な展開という印象を受けた。 時代がサッチャー政権下であることにおそらく留意すべきかもしれないし、あとイギリス国内の過激派団体 National Front の白人至上主義の男たちが暴徒化する場面も興味深く観られた。 あと、終わりのほうで主人公がある映画を鑑賞するという場面があるのだけど、彼女が観ることになる作品に関する知識があるとなおさらジーンとくる。味わい深い。 もちろん何の予備知識がなくても楽しめるし、いい映画だとは思う。今年観た映画のなかでは文句なしに一番良かった。←これしか観てないけど ただ、あちこち惜しくてビミョーだったのでぼくの評価としては三つ星どまり。
Jan 8, 2023
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今年最初の本番は教会の礼拝にて。 カトリック教会でバイオリンを弾きました。教会音楽家フランクさん率いる楽団および聖歌隊とともに。 会場は今もクリスマスの興奮冷めやらない雰囲気でして、信者さんもいっぱい参列なさってました。
Jan 8, 2023
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「ジーグザグジグザグジグザグ、ひとりきり」(評価 ★★★★★ 満点五つ星) 映画業界では「コケル村三部作」だか呼ばれてるアッバス・キアロスタミ監督の以下のイラン映画三本の感想をば。友だちのうちはどこ? خانه دوست کجاست ؟ Where Is the Friend's Home(1987年イラン)そして人生はつづく زندگی و دیگر هیچ And Life Goes On(1991年イラン)オリーブの林をぬけて زیر درختان زیتون Through the Olive Trees(1994年イラン) どれも素晴らしいので、総合評価としては五つ星を差し上げちゃいたい。ほかのどの監督とも比べようがないぐらい独特の映画づくりをなさっているので、そのあたりは評価されるべき。 この三作品は制作順に観るのが望ましい。でも一つだけ見るなら第一作「友だちのうちはどこ?」がおすすめ。 第二作と第三作は、ドキュメンタリーなんだか劇映画なんだかわからなくなってくるけど、そこがまたいい。台本があるんだかないんだか、出演者が職業役者なのか素人なのか曖昧なのもいい。 最優秀役者賞を一人だけ選ぶなら第一作に出てた小学二年生を演じたお若い俳優さん。 あと、個人的に気に入ったのは、場違いとも思えるお上品なバロック音楽が背景に唐突に流れるとこ。しかも知名度低めの曲。「そして人生はつづく」ではビバルディの二つのホルンのための協奏曲、「オリーブの林をぬけて」ではチマローザのオーボエ協奏曲が使われている。 それにしても、イランの田舎の(当時の)文化って、あなたやわたしの普通の暮らしからは到底かけ離れているはずなのに、サッカーの世界杯ネタとか、愛とか恋とか友情とか家族とか、そして地震とか、実は普遍的で身近な題材が思いっきり含まれている。 広大な自然も見どころ。殺伐としてるのに、なぜか思いっきり画になる。丘のジグザグ道を主人公が歩いたり走ったりしていく場面は特に印象的。映画史に残る名場面。イタリア映画「ニューシネマパラダイス Nuovo cinema paradiso」にもなんか似たような場面が出てきてたような気がする。
Jan 4, 2023
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