ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 7, 2008
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カテゴリ: 映画、テレビ
「そして誰もが主人公」

 いい映画だとは思うものの、なぜか不満。
 ニューヨークを舞台にしてて、音楽ネタも絡んでて、滞米ガイジンさんたちが描写されてて……、なんか自分と身近な題材なような気がして勝手に期待しすぎてしまった。

 妻に先立たれた初老の大学教授。クラシックピアノに挑戦したりして第二の人生を踏み出そうと努めてる彼が、誠実な不法移民と出会い、さらに民族音楽(太鼓)に触れることで、知らず知らずのうちに新たな自分を見出していく。

 登場人物は四人全員とも好演。主演のリチャード・ジェンキンス以外の三人は不法移民役(中東/アフリカ)。

visitor.JPG www.thevisitorfilm.com

 誰が誰に対する「ビジター」なのかを考えながら観るとなかなか楽しめる映画。人のつながりって、もともとは自分が誰かにとって、あるいは誰かが自分にとって「お客」なわけだし。
 アメリカという国に押し寄せる移民の総称としてビジターと言ってるのかも。入国管理局的に言えばエイリアン?

 アメリカ映画に特有の「勝ち組の余裕」を感じた。移民のことを描いていながらも、その視線は当然アメリカ寄り。「祖国を捨ててまでもアメリカに住みつこうとする健気なガイジンさんたち、ご苦労さま」みたいな視点。

 僕の周りにも合法/違法問わず移民はいっぱいいる。
 各人にいろんな事情があるみたい。同じガイジン同士、仲良くさせてもらってるけど、僕の場合、祖国はもともと豊かで平和な経済大国。別にアメリカ様に「豊かな暮らし」だの「アメリカンドリーム」だのを求めてやってきたわけぢゃない。っつーか、「イヤになったらいつだって離米してやる」的な横柄な態度なワタクシ(笑)。

 そんな、アメリカ寄りでもなければ不法滞在者寄りでもない自分としては、どちらにも感情移入できず、特に映画後半は観てて辛かった。

 こてこてのアメリカ人と一緒に観たのだけれど、彼らの鑑賞後の評論だのウンチクを聞くのも辛かった。あんまり利害関係のない人からすれば、なかなかの佳作と評価するに違いなく。

 日本でこの映画が公開されるかは不明。地味すぎ。たぶん配給されないかも。

 いい歳こいた大人が、若者に鼓舞されて自分探しに目覚める映画って、最近多い。
 このトム・マッカーシーという監督は、ほかに「ステーション・エージェント The Station Agent」とかいう映画を作ってる人。





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最終更新日  Jun 28, 2008 08:27:54 PM
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