ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 20, 2008
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カテゴリ: 映画、テレビ
「クライム of クライミング」

 そういえば、今年六月に、ニューヨークタイムズ社の52階建て新社屋の外壁を屋上まで素手で登って話題になった人がいた。「フランスのスパイダーマン」ことアラン・ロベール Alain Robert とかいう人で、結局、建造物侵入罪だか「お騒がせ罪」だかなんかで屋上で逮捕されることになるわけだけれど、高所恐怖症の僕としては、想像するだけで恐ろしい。

 今日観たドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤー」も、 やはり「アメリカのパリ人」高所ヲタクの話。

 今はなきニューヨークの世界貿易センター。あのツインタワーズが建ったばかりの1974年、二つのビル間を綱渡りしようと、こっそりとビルに忍び込んだフランス人らがいた。曲芸師フィリップ・プティ Philippe Petit。

良い子のみんなは真似しないで! manonwire.jpg 日本では来年公開( 公式サイト

 高層ビル間を綱渡りするだけでもタイヘンな話なのに、事前にビル側や警察からの許可を得ずに、秘密裏に実現まで漕ぎつけるのがスゴい。当時の裏話をプティ自身と周囲の仲間らがそれぞれにカメラの前で回想する。

 フランス国内で何年もかけて構想を練り、視察で何度も渡米する彼ら。
 そして、本番前日の夕方、関係者に変装して門番をまんまと騙すことに見事に成功。入館した後は、巡回する警備員の目を盗みながら、エレベーターで行けるとこまで行き、そこから屋上までせっせと階段で登る。鉄のワイヤーとかを背負って。

 夜を徹して準備を進める。夜明けも近づき、60メートル離れているもう片方のビルへとワイヤーを渡そうと弓矢を放つが……。

 見応えのある、よくできたドキュメンタリーだと思う。同時多発テロに敢えて触れていないとこも気に入った。

 映画のなかでは、命知らずの無謀な企画と知りながら彼に共感し、その手助けをしようとする仲間たちの心境も丁寧に描かれている。プティ本人が飄々としているのとは対照的。
 そして仲間うちでの微妙な確執もさりげなく匂わしている。

 なんとなくルパン三世の仕事っぷりを思い出した。五右衛門や次元のような有能な共犯者がいて、そして謎のオンナ峰不二子に惑わされる。

 プティ氏は今でも世界のあちこちで当局の目を盗みながらの綱渡り人生を過ごしているのだろうか。
 ちなみに、この事件でニューヨーク当局がプティ氏に下した刑罰の内容が微笑ましかった(とある奉仕活動)。

 この映画、敢えて難を言えば、背後に流れる音楽がちょっと邪魔だった。エリック・サティはまだしも、マイケル・ナイマンのは強烈すぎ。ピーター・グリーナウェイそのもの。


追記 : 衝撃のドキュメンタリーという意味では、「ブリッジ」という2006年の映画を思い出した。サンフランシスコの金門橋 Golden Gate Bridge から飛び降り自殺する人たちを描いた作品……!





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最終更新日  Dec 21, 2008 09:06:15 AM
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