ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Sep 6, 2016
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 今回のお題は、おぉ人事。ミュージカルに関わる人びとの肩書きとか役割を表す英単語について語ってみようかと。

***

ensemble
chorus
company

 音楽用語でなく劇団用語としてのアンサンブルとかコーラスとは、役名のない「その他大勢」な役者たちのこと。複数のチョイ役を掛け持ちで演じたり、主要人物の後ろで合唱したり群舞したり。
 主要人物を含めた「出演者全員」を総称することもあるかもしれないけど、それはむしろカンパニーかと。

dance captain
fight captain

 アンサンブルの役者のなかにも上下関係があって、舞踏場面や乱闘場面などで多数の役者が舞台を動き回る場合、その中心人物/主将のことをキャプテンと呼ぶ。

understudy
swing

 控えの役者。主要な役を演じる人に何かあったときに備えてあらかじめ任命されていて、ちゃんと台詞とか独唱歌曲とかを覚える。ホンモノ氏が問題なく出演可能であれば出番はないものの、実際は上記「アンサンブル」に紛れて出演してることも多い。

sub
 代役、substitute。役者というよりはむしろ楽団の演奏者について使われる。代弾き、代吹き、代打。代奏者を立てることをsub outすると言う。

cat
 なぜ「猫」なのかは不明だけれど、楽器を演奏する人のことをキャットと呼ぶ。主にジャズ畑の人が使う言葉。

reeds
 狭義には文字通りリード(葦)を使ったオーボエ、クラリネット、サックス(奏者)のことだけれども、広義には木管を全部ひっくるめて(つまりフルートやピッコロも)リーヅと呼んじゃう。楽譜にもリード1とかリード2と書かれている。
 たまに木管(woodwinds)の意でWW2とかも見るけど、World War II みたいなのでよろしくない。

doubler
 複数の木管楽器を持ち替えて吹く人のこと。クラシックの楽団でもフルート/ピッコロとか、オーボエ/コールアングレとかを持ち替えることはあるけれども、ミュージカル楽団の木管持ち替えwoodwind doublingは激しい。フルートとクラリネットとサックスとか。サックスもテナーとかバリトンとか複数あるし。
 契約によっては、持ち替え奏者には出演料が上乗せされるので、彼らは複数の楽器を所持/演奏することを厭わない。が、鍵盤楽器や打楽器の人は、複数の楽器を演奏しても持ち替え手当てがつかないので不公平。

contractor
 人事部採用係。演奏家が最も仲良くしておかなきゃいけないお方。劇団に楽団が常設されてることはなく、演目に応じてそのつど奏者を集める。日程や出演料を提示/調整して、劇団と楽団との橋渡し役も務める。
 類義語を強いて挙げれば、booking agentとかbooking managerとか。
 微妙に異なる業界用語ではあるけれど、A&R担当と呼ばれる人もいて(artists and repertoireの略)、文字通り、才能ある演奏家を発掘し、その人に合う楽曲を制作したり監修したりする。

stagehands
 裏方として活躍する人々。ステージクルーstage crewとか、単にクルーとか。

***

 今日はこんなところで。次回につづきます、たぶん。


<追記>
 木管のダブリングについて触れたので、ちょっと追記。楽団のなかに持ち替えさんがいるときに留意しておきたいのは、ずばり音合わせ(tuning)。というのも、彼らは複数の楽器を調整しなきゃいけないので、やたらと時間がかかる。楽団員も指揮者も裏方も、開演にあたりこの点は考慮すべき。彼らの音合わせが全て終了してから、序曲の演奏を始める。

<追記その2>
 音合わせと言えば、クラシックの楽団は必ずオーボエのA(ラ)の音で合わせるのに対し、ミュージカル楽団では シのフラット で合わせるとこがたまぁにある。管楽器の事情によるわけで、我々弦の連中は困っちゃうわけだけれども、裏ワザとしては、彼らの♭シを聞きながらD線とG線を調弦(=ト短調の響きで合わせる)、そして残りの弦を順次調えていく。





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最終更新日  Nov 6, 2021 11:38:25 PM
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