ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 9, 2020
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カテゴリ: 映画、テレビ
「映るんです」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 観よう観ようと思ってたサッカーのドキュメンタリー番組(全九話)をついに鑑賞終了。トッテナム・ホットスパーの2019/20年期を取材したもの。
 てか、トッテナムって、昔ぼくがイギリスに住んでた頃、当時の悪友に執拗に誘われておそるおそる競技場に観戦に行っては、生まれて初めて「フーリガン」さんたちをナマで間近で拝見した思い出のある球団。

 で、今までサッカー関係の密着取材系番組はいくつか観てきたけど、そのなかでは一番良かった。広い範囲を網羅して取材している。監督室での秘密会議、選手たちとの戦略会議、選手の契約更新、控え室での仲間うちの罵り合い場面など、よくもまぁあそこまで撮影許可を得たもんだと感心してしまう。常に撮影されまくってる選手たちは気が散らないんだろか。

 ただ、やっぱりロンドンの団体だけあってか洗練されている印象。皆さん撮影慣れしてる。
 ハリー・ケイン選手のご活躍も凄かったけど、韓国ご出身のソン・フンミン選手も名手。しかも彼は取材にもきちんとてきぱき胸を張って対応してて、すごく頼もしかった。同じアジア人として誇らしい(←勝手にお仲間のつもり)。
 ジョゼ・モウリーニョ監督の指導っぷりもさすが。彼は英語が母国語ではないはずなのに完璧に話す。というか選手を鼓舞したり報道陣の相手をするときの英語での意思疎通能力に優れている。

 編集も良かった。激動の一年を見事にまとめてある。もうちょっとじっくり見たいと思わせるぐらいにさくさく進行するのは好感が持てた。
 それに、日本とかのドキュメンタリ番組とは違うなと思ったのは、競技場外での支持者たちの悲喜こもごもだの、監督や選手たちの私生活、心温まる素顔の日常だの、そうゆう映像をいちいち挿入して安っぽい人情劇にはしていないというとこ。最初から最後までサッカーの話だけに終始し、競技場か練習場だけが映されるのは潔い。そのぶん、あそこにもここにも必ずカメラとマイクが設置されていて、しっかりと撮影されている。

 全部で九話あるなかで最後の二話だけは雰囲気ががらりと変わる。2020年3月、コロナウィルスの懸念により全試合が休止。6月に再開されたが無観客。さらに試合の前にはみんなで片ひざを地面について黒人差別に抗議(BLM)。
 そして、最後の最後でついにアーセナルと対戦。絶対に負けられない因縁の宿敵。じっくり見せる。

 良質で見ごたえのある番組だった。ぱちぱち。

 語りを担当なさったトム・ハーディさん(役者)ははっきり言ってイマイチだった。というのも、声域や声色や話し方などのキャラが選手たちとかぶってて埋もれてしまってた。もっといぶし銀系の年老いた(枯れた)声でゆっくりしゃべる語り屋さんのほうが良かった。





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最終更新日  Oct 10, 2020 03:43:32 PM
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