ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 19, 2022
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「For no one」

 今日は久しぶりに室内楽で遊んだのでその感想を。しかもあんまし知られてない曲、「Phantasy Quartet」と呼ばれるブリテン作のオーボエと弦楽三重奏のための作品。
 面子は、アリアンナさん(オーボエ)、ぼく(バイオリン)、ナンシーさん(ビオラ)、エレンさん(チェロ)。

 ブリテンというと、ぼくはシンプルシンフォニーという曲と出会ったのがたぶん最初。よって第一印象はフツーにいーかんじだったのに、 数年前に「戦争レクイエム」を弾いた ときにけっこう苦戦し、印象ががらりと変わった。つかみどころのない作曲家というのが正直な感想。

 この「幻想四重奏曲」は15分ぐらいの単一楽章の曲で、曲調やテンポが頻繁に変わる。ぱっと聴いても何が何だかわかりにくい難曲だけれど、聴くよりも演奏するほうがずっと楽しめる。
 てか、作品番号は第2番であり、ブリテンが18歳の頃に書いた作品らしい。そうと言われなきゃこれがお子ちゃまが書いたものとは思えない。こってり凝ってる。あぁ、great Brittenっ。

 譜面は冒頭に「行進曲風に」と書かれててチェロが静かに始める。そして徐々に音量が上がっていきあれこれ発展、で、最後はまた徐々に静かになっていきチェロが終える。
 そういえば、ムソルグスキー「展覧会の絵」にも「Bydlo(牛車)」だかゆう似たような構成の曲があったのを思い出す。つまり、遠くから何かがやってきて、目の前を通り過ぎて向こうへと去っていく。
 で、この目の前を通り過ぎてくのがいったい何なのか。曲芸一座なのか戦隊なのか、いろいろ妄想してみるのもまた一興。

 ちなみに、この曲でぼくが最も驚いたのは冒頭の小節。いきなりG.P.(ゲネラルパウゼ。誰ひとりとして音を発しない沈黙の箇所)。これはチョー珍しい。てか、この小節、別に要らなくね?
 おそらく、二小節(計八拍)をひとかたまりとして数えるとかそうゆう事情によるのだと思う。







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最終更新日  Apr 23, 2022 08:58:22 AM
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