c - Rakuten Inc
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
1694820
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
ぴかろんの日常
リレー企画 298
scene ぴかろん
【カテナチオ屋敷】
「ここだ」
「どえらいお屋敷だな」
「でけ」
「くれぐれも失礼のないようにお願いいたしますですはい」
「きな臭いな」
「そう思うかギョンジン」
「ソクさんも?」
「ああ…」
「コゲくさい?」
「違うよホンピョ、何かありそうな屋敷だってことだよ」
「ああ。ヤ○ザの屋敷ってことか」
「「「(@_@;)」」」
「だろ?」
「ほほほ・ホンピョシ…声が大きいですぅぅ(@_@;)」
「大オヤビンの屋敷だ」
「ほほほ・ホンピョ…そ、そうなのか?ヤ○ザさんの屋敷なのか?」
「見りゃわかるじゃん。でもコゲ臭くねぇぞ」
「きな臭い…だろ?」
「それそれ、吊り目野郎の兄ちゃん。別にコゲ臭くねぇぞ、クンクン」
「燃えてないからねぇ」
「ヨンナム!ふざけるな!首が飛ぶぞ!」
何者をも寄せつけぬ風情の壁と門構えの前に立ち尽くす男7人。一陣の風が吹きぬける
「では、参りましょう」
「「「「「「お…おう」」」」」」
【ベッドルーム】
ぼんやりと目覚めたラブの胸にくっついてまどろんでいるスヒョク
目を擦りながらあくびをし、口を開けて眠っているスヒョクを見つめてくふふと笑うラブ
その額に軽くキスを送り、抱きしめる
う、う~んと唸り、薄く目を開けるスヒョク
「可愛いな、お前」
「ふあ…おはよ…」
「起きようよ。メシ食いに行こう」
「…やだ…もうちょっと…」
「ねぼすけだなぁ。俺、シャワー浴びてくるよ」
「やだ!」
ラブにしがみつくスヒョク
「なな…なんだよ」
「もうちょっとくっついてたい」
可愛らしく駄々をこねるスヒョクに苦笑して、体を滑らせるラブ
「しょうがないなぁもぉ~」
まんざらでもなさそうである
【対面】
「へぇぇほぉぉ。海坊主、今日はまた随分色男を揃えてきたねぇ。しかも同じ顔が三個ずつかい?」
「はい奥様。この六名が知恵を絞り、例のカテナチオに挑もうと…」
「いつになったら開くのかねぇ。二、三日だとか言ってもう一ヶ月近くにならないかい?あと二日以内に開けて貰わないと、坊主、コレだよ」
『ご婦人』の、首をはねる仕種に震え上がるジョンダル…と6人
「へへへへい。いや、その…。ご冗談をははへへ」
「お~や、頭から汗が噴き出してるじゃないか。暑いのかい?腹に肉、巻きすぎじゃないのかい?開かなかったら肉を削いでやろうか?」
「あ…いぇ…おお…うあう…」
「はっはっは。とにかく、色男6人がどこまで頑張れるか。楽しみだよ」
「は…ははぁ」
床に頭をこすりつけるジョンダルにつられて、平身低頭するカテナチオ6人組
(どっかで見たことある)
(しいいいっ!)
(僕も見覚えがあります)
(だろ?吊り目野郎の兄ちゃん)
(あ!僕も見たことある!)
(だよな?ドンヒ)
(しいいいっ!)
(そう言えば僕も…)
(ソク、ヤ○ザさんと知り合いだったのか…)
(違う!)
(しいいいっ!)
ひょいと頭を上げるホンピョ。ニコリと微笑む迫力のご婦人
「なんだい、お若いの」
「おばさんよぉ、うぐっ」
慌ててホンピョの口を押さえるドンヒ
「小奇麗な若いの、いいから小汚い若いのに喋らせておやり」
「…は…はい…」
「痛ぇな!あにすんだよドンヒのボケ!」
「何か言いたいことがあるんだろ、お若いの。言ってごらん」
「あのよぉ、おばさんよぉ、BHCに来たことあンだろ?」
「BHC?」
「俺達の店だよ」
「店?」
「おばさん、新人のじゅのって奴の第1号指名者だろ?」
「じゅの?知らないねぇ。生憎あたしゃBHCなんて店、行った事も聞いた事もないよ」
「あああ…あの、ではあの…ジュンホさんのお母様…のご親戚かなにかでは…」
「ジュンホ?」
「はい。ボクシングの元世界チャンピオンのファン・ジュンホさんの…」
「知らないねぇ」
「そ…そうですか。しし失礼しました」
再び頭を床に擦り付け、片手でホンピョの頭を押さえ込むドンヒ
(他人のそら似だ)
(そら煮?なんの煮物だ?)
(しいいいっ!)
どうやら『ご婦人』は、じゅのを指名したジュリ小母さんやジュンホの母親と『同じ系統の顔立ち』らしい
【バスルーム】
泡で一杯のバスタブに体を伸ばすラブ
キィィ
「俺も一緒に入る♪」
「いっ?!」
突如バスルームに入ってきたスヒョクに驚くラブ。かまわずシャワーを浴び、頭や体を洗いだすスヒョク
どぎまぎするラブの心の声
―ななな。なんで入ってくるの?!たた、立ったまま頭洗うな!目のやり場に困るっ!
あううう、意識しなきゃいいんだ。スヒョクは友達なんだから…あううう
「すすす座れば?」
「え?なんか言った?」
お湯を浴びながら振り向くスヒョク
「わわこここっち向かなくていい!」
「なぁに?聞こえない」
体ごとラブに向き直るスヒョク
「あわわあうううぶくぶくぶく」
ラブ、撃沈す
【カテナチオ】
「ここだ」
「それより弱冠弱め」
「まずはキッチリだろう?!」
「キッチリは専門家が試した」
「弱冠てどれぐらいだよ」
「それを探って行くんだ」
「さっきカチッて音がした!」
「だからそれはキッチリのトコだ」
「それ以外は音がしねぇ!」
「小さな音も聞き逃すな」
「無理だ!」
「…。仕方ないなぁ。ソクさん、お願いします」
「僕にわかるかなぁ」
十数分後
「わっかんねぇなぁ、弱めっつーと、戻すのか?」
「しっ!今微かな音がした」
「ほんとか?!」
「次のナンバー…続けてみて」
「ほい」
「ん?」
「あったか?」
「もうちょっと右に。ゆっくり」
「こうか?」
「声を出すな」
「ほい」
「出すな!」
「…」
頷くホンピョ
「そこ!…次は左」
「ほい」
「静かに!」
「…」
頷くホンピョ
「そこ!…次は…」
順調そうに見える鍵開け
【バスタブ】
「なんで一緒に入ろうと思ったのよ」
「なんでって、寂しいもん、一人じゃ」
「…。俺は別に寂しくないぞ。こら!近づくな!」
「いいじゃん、変なコトするわけじゃなし」
「それ以上近づくな!」
「なぁんでぇ?」
「せせせ狭いから!」
「ふふふ」
ラブの言葉を無視してぐいっと身を乗り出しラブに近づくスヒョク
「こここ。ちちち」
「ラブって、かぁわいぃい~」
ムッとするラブ
―おめぇのほうがよっぽどかわいいよ!
ニコニコと微笑みながら、更にラブに近づくスヒョク
「お前お前お前ぇぇっ!近寄りすぎ!なんなのよ」
「くっつきたくて」
「はぁ?!なな、なんで!」
「だってさぁ~」
言いながらラブに抱きつくスヒョク。スヒョクは友達だ、スヒョクは友達だ、スヒョクはスヒョクはスヒョクはともだちだちだち…と慌てふためきつつブツブツ唱えるラブ
「ラブの体って気持ちいいんだもん」
ラブ、再び撃沈
【casa・工房】
「も。昨日みたいなパン、できないもんっ!」
「なんで昨日の夜、テジュンさんと『仲良し』しなかったんだ!」
「そんなのっ!テスに聞けば?!」
「テス?!どういう事だ?」
「テスがテジュンをヨンナムさんちの『かてなちお会議』に強制参加させたんじゃないか!だから俺はミソチョルと一緒に寝る羽目に…」
「ななな。なにぃ?!ミンチョルさんと一夜を過ごしただとぉ?」
「ちげーよ!ミ・ソ・チョル!」
「あー驚いた…とにかくだ、テジュンさんの事を考えてだな、柔らかい気持ちで…」
「も。できないっちってるじゃん!」
「癇癪を起こすな、昨日は大人だったんだろうが!」
「おれはいつもおとなだもん!」
「…。とにかくだな、テジュンさんの事を…」
「そう言えば、なんだってミソチョルはテジュンにあんなバカヤロウ達のイカれた写真を送ったんだよ!」
「お?何のことだ?」
「俺はソクに送っとけっちったのに!あうう…。テジュンから何の返事もないなんて…あううう。はっ、ましゃかあのボケ小僧達の写真にポーっとなって…あううう」
「とにかくだっ!パンに集中しろ」
「も。できないんだもんっ!きいっ」
開店日、明日の予定…
【バスルーム】
「先に出るね。ラブに付き合ってたらのぼせてシワシワになっちゃう」
「…あ、おん…」
バスルームのドアを開けかけたスヒョクは、何かを思い出し、振り向く
「ね、ラブの服、貸してね」
「え?」
「俺、着替え持ってないもん」
「…いいけど…」
「ぱ○つも借りるよ」
「え?!あ…ぉん…」
やっとバスルームの外に出て行ったスヒョクを見送り、ほっとため息をつくラブ
―あいつってば、ほんと、天然だ…
のぼせちゃうから俺も出よう…
立ち上がったと同時に開くバスルームのドア。ラブ、慌ててバスタブに浸かる
「なななんだよっ」
「変な柄のしか無い」
「…」
「ふつーの無いの?」
「…。ゲストルームにアイツの服がある」
「それは着れないよぉ、ラブに悪いよぉ」
「いいよ、着ても」
「妬かない?」
「妬かないから!」
「何怒ってるの?」
「怒ってないから!」
「嘘だ!怒ってる。どうして?!」
涙目になるスヒョク。慌てるラブ
「怒ってないって。ね?適当に服選んで着て。アイツのでも構わない。ぱ○つも、アイツ用の新品でフツーのがあるから。気に入ったの選んで。ね?」
「ぅん…」
めそめそしながらドアを閉めるスヒョク。ラブ、疲れて三度撃沈す
【カテナチオ 激闘】
カチャン
「開いた!」
「嘘!」
「なんでこんな簡単?」
「やはり僕達の頭脳が集結すればできない事はないってことだ。な?テジュン」
「…ヨンナム、お前、何かしたか?」
「見守っていた」
「つまり何もしていないってことだな?」
「お前だってそうだろ?」
「…まぁ…そうだ」
「奥様!開きました!カテナチオ撃破いたしましたぁぁっ」
「なんだって?開いたのかい?」
別室から駆けつける『ご婦人』。開いたカテナチオ付きアンティーク金庫の前で呆然と立ち尽くす6人
「あんたたち、お手柄だよ。どうれ、中身を見せておくれ」
「…まだむ…それが…」
金庫の中には木箱があり、蓋にびっしりとアルファベットが並んでいる
「…なんだいこの箱は…」
「開かないんです、蓋が…」
「はぁ?!」
一筋縄ではいかない
【casa・工房】
「これはまた…。スヒョク君がこんな透けものを着るとは…」
「だろ?」
「まさかこの二人、デキちまったとか?」
「それはないよ、チェミさん」
「わからんぞぉ、若いモンは激情に流されて、ふぉっふぉっふぉっ」
「ラブのバカはともかく、スヒョクはそんな奴じゃねぇよ!ソク一筋だ」
「…そういう奴ほど危ないもんだぞ、ふぉっふぉっふぉっ」
「危ないヤツか…ふぅ」
「お前も、それからお前の濃いヒトも危ないしな。ふぉっふぉっふぉっ」
「『濃いヒト』?『恋人』だろ?!ぶぁか!」
「ふぉっふぉっふぉっ」
「濃い…。ああ…。テジュンったら一体何してるんだろう…」
「おい!捏ねすぎだ!」
「ああ…テジュン、会いたいよぉ~」
粉を捏ね繰り回すイナ
開店日、明日の予定…
【リビングルーム】
「似合う?」
「…。いいんじゃない?」
ビンクの小花柄のシャツを羽織り、細めのジーンズを履いたスヒョクをムッとした顔で眺める半裸のラブ
「結構いいね、このシャツ」
「…お気に入りなんだ…それ…」
「ラブにしては普通だね?」
テジュンが選んでくれたから…、と口の中でモゴモゴ呟くラブ。スヒョクはおかまいなしにサイケ柄のジャケットを羽織る
「あ」
「ん?」
「あ…いや…」
「変?」
「…似合ってる…」
Mayoさんが作ってくれたプッチ柄のハデハデジャケット…俺でさえ着たことないのに…とモゴモゴ呟くラブ
「ラブも服着てよ。ご飯食べにいこ」
「…ん…」
ゴソゴソと服を出して身につけるラブ
―スヒョクは天然なんだから仕方がない。スヒョクは何も知らないのに怒るのはおかしい。そうだよね、俺がいけない…うん、よし
気持ちを切り替え、スヒョクを見てニッコリ笑うラブ
「やっぱ、ラブってこういう変な柄が似合うね」
『変な柄』はないんじゃないの?とムッとしながら、スヒョクの笑顔はやっぱり可愛いと思うラブ
「ご飯食べにいこ」
「スヒョク、ギンちゃん呼んでもいい?」
「ミンギ君?」
「うん」
「わ、嬉しいな。俺、ミンギ君と仲良くなりたかったんだぁ♪」
「きっとギンちゃんも喜ぶよ」
ミンギに電話して約束するラブ
【パズル】
左端に『A』の文字を起点とし、アルファベット26文字プラス☆印が縦横に順に並んだ木箱の蓋。二列目は縦横とも『B』が起点。斜めに同じ文字が並んだ状態である。観察する6人。途方に暮れ、自室に戻るご婦人
ふらついたご婦人を支え、部屋について行く聞き上手テジュン。手掛りを探るソクとギョンジンとホンピョ。あれこれ意見を出すドンヒ。そして…
メールに夢中のヨンナム
「だからつまりこの理路整然と並んだアルファベットが鍵なんだ!」
「それはわかってるさ。ただどういう仕組みになっているのかがわからない」
「縦横27×27。えーっと…729文字か」
「ギョンジン、計算が速いな」
「クーモン習ってましたから」
「え?」
「いや…聞き流してください…」
「真ん中に『☆』印が来てる」
「この星だけ黒いな」
「そうだなホンピョ」
「なんでかな?ヘソかな?」
「へそ?」
「馬鹿だなホンピョは。考えることは僕に任せろ」
「あんだよドンヒ!おれはバカじゃねぇぞ!」
「あの、ギョンジンさん、ソクさん、アルファベットがダミーだとは考えられませんか?」
「ドンヒ。ダミーだと考えるのは、アルファベットの可能性を試してからでも遅くない」
「従って君の意見は却下する」
「え…」
「それよりホンピョの言う『へそ』っていうのが気になる」
「ギョンジンもか?僕もだ」
「ひひんどうだドンヒ!おれ様の意見が採用されたぞ」
「…」
再びあれこれ可能性を探るソクとギョンジン。しょんぼりするドンヒをからかいながら飴など勧めるホンピョ
「けひ。くふ。チョンエったら…やだぁ~ん」
「「「…」」」
「ああ目障りだ」
「僕は耳障りだ」
「僕も今日ほどあの人にイラついた事はありません」
ヨンナムを睨む3人。ホンピョはそっと木箱の蓋に触れてみる
「あ。この蓋…」
「「「なんだ?!壊したのか?!」」」
「こことここは動かねぇのにこっからここまでは…ほら…」
整然と並んだ文字の中ほどをそっと指で押すホンピョ。アルファベットが沈む
「「「おおお!」」」
「でかしたぞ!ホンピョ君」
「お手柄だ!ホンピョ君」
「よしよし」
少し口角が上がるホンピョ
そのまま、アルファベットを縦に順に押していき、次なる手掛りを探すホンピョ
ホンピョの動きを観察しながら意見を出し合うソクとギョンジン…とドンヒ
「ふぅん、左右それぞれ五列は固定されているんだな」
「上下はフリーのようですね」
「ということはだ。残りの部分、横17×縦27の文字に」
「…ギョンジン、何文字だ?」
「えっと…459文字です」
「じゃあ、そこに…」
「キーワードがあるはず」
「あれ?」
「「「どうした!」」」
「いや、他の字は押した後、ゆっくり元に戻るのによ、この『☆』は沈んでから、ちっとばかり飛び出すんだ」
「「「なんだって?!」」」
「『☆』の下の『A』、押してみようか?」
「「「もちろんだ!」」」
「あは~ん。可愛い事書いてくるなぁ~ン」
「「「…」」」
「目障りだ」
「耳障りだ」
「イラつく」
「ありっ?」
「「「今度はなんだ?!」」」
「下の『A』を押したら、飛び出してた『☆』が元に戻った…」
「「「…」」」
更にアルファベットを押していくホンピョ
「あ。二列目の『☆』もまた飛び出してきた…。でもこいつも次の文字を押すと元に戻るんだよな…」
「…。ホンピョ君。もう一度、一列目の『☆』を押して」
「ん」
「次に、二列目で飛び出した『☆』を押して」
「ん。あれ?両方とも飛び出したまんまだ」
「やっぱり」
「なんだギョンジン」
「やっぱりってどういう事ですか?」
「つまりだな…」
可動のアルファベット横17列の一列につき一文字、隠されたキーワードがある。それは左から順に押さないと浮き上がってこない
多分このキーワードを浮き上がらせれば、ロックが解除されるのではないだろうか?
冷静に語るギョンジン。頷くドンヒ。なるほどなと思いつつ、中々首を縦に振らないソク。そしてメールに夢中のヨンナム
「ホンピョ。三列目の『☆』を押してみてくれ」
「あいよ。…。吊り目野郎の兄ちゃん!浮いてきた。ということはずーっと『☆』を押していけばいいってことかな?」
「そんな単純であるはずはなかろう」
「…。浮いた」
「なに?!」
「五列目はと…『☆』で浮いたぜ」
「「「…」」」
「簡単じゃん!全部『☆』を押せばいい…あれっ?!」
「「「どうした!」」」
「六列目の『☆』押したら全部沈んじゃった…」
「「「…」」」
「あーっ!ちくしょーっ!メール全文消しちまったぁぁ!ふりだしに戻るだぁ!」
叫ぶヨンナムを睨み付ける3人
【街中】
流行に囚われない派手ないでたちの二人は、ミンギとの待ち合わせ場所に徒歩で向かう
高級な店やオシャレなショップが並ぶ界隈をウィンドウショッピングしながら歩く可愛い二人は街ゆく人の視線を捉える
片方はその視線を十分に感じ取りながら、もう片方は全く気づくことなく楽しげに話をしている
「あれ。あれって…」
少し先の歩道に目をやったスヒョクが立ち止まる
「なに?どした?」
スヒョクの視線の先を辿るラブ
「…あ…」
「昨日のミスター・ゴージャスだ」
パク・ウソク、と心で呟き目を凝らすラブ
高級そうなレストランの中に消えて行くベージュのスーツ
「ふぅん。あれ位の人になると昼ご飯もこぉんな高そうなトコで食べるんだ」
「あれ位のヒトって何よ。ヒトにあれ位もこれ位もないよ!」
「…何怒ってるの?」
「別に!怒ってないよ!」
「…怒ってるじゃん…」
「怒ってないってば!行こう!」
「あっ」
スヒョクの腕を引きその店の前を通り過ぎる、何かしらもやもやしたものを感じているラブ。
【謎】
謎の木箱の蓋の前で咳払いをし、現在までの作業と意見を纏める3人。傍らでふむふむと頷きながらそっと黒い星文字に触れるホンピョ
「あれっ?」
「「「なんだどうしたっ!」」」
「この『★』は動かねぇ」
「動かない?ウンともスンとも?」
「うん」
「スン」
茶々を入れるヨンナム
「「「うるさい!」」」
怒鳴りつける3人
「どれ。なるほど。固定されてる」
「ギョンジン、『へそ』だな?」
「ですね、ソクさん。きっとこの『★』が真ん中に来るんだ」
「真ん中?」
「スペースの役割をしているかもしれないし…」
「星が真ん中に来るってどういう意味だ?順番に白い星を押してったらこの黒い星は真ん中に来るんだろ?でも六列目の星を押したら振り出しに戻ったじゃねぇの。吊り目野郎の兄ちゃん、何がどう真ん中なんだよ」
「だから…最初の五文字は『☆』で正解なんだ。それからこの黒い星までの三列、つまり三文字と黒い星から右の八列で何か意味のある言葉を作る」
「は?」
「なにかキーワードがあるはずなんだ」
「PCで言うところのパスワードのような?」
「だと思う。『☆』五文字に続く三文字、そして『★』の後の八文字。これを何らかのルール順に押していけばきっと蓋が開くと思う」
「ギョンジンさん、そういった種類の鍵…というか仕掛け…というか…、ご存知なんですか?」
「ご存知じゃない。でも多分そうだ」
「自信満々だな」
「勘だ」
「あてになるのか?」
「グダグダ言う前にトライしてみろよ!」
顔を見合わせる4人
「キーワードは何だろう」
「キーワードは『僕の濡れた愛』なんちって、けひっひっひっ」
「「「…」」」
無視されるヨンナム
「『三文字―★―八文字』の並びであってるのか?」
「わかりません。この『★』が真ん中に来るだけかもしれないですし…」
「意味わかんねぇよ、吊り目野郎の兄ちゃん」
「だから…例えばそうだな…何か簡単な英単語は…」
「LOVE。けひっ」
「「「…」」」
「こらギョンジン、落ち込むな」
「あ…はい…。えっと…だから例えばその…『LOVE』だったなら…えっと…その…はぁ…」
「頑張れ、吊り目野郎の兄ちゃん」
「あ…うん…。だからえっと…『LO★VE』と言ったようにキーワードの真ん中に『★』を配置するとかね…」
「どれ。やってみる」
『☆』五列を押した後、『L』の文字を押すホンピョ。途端に元に戻る『☆』五つ
「はぁ…。違うな、『LO★VE』 じゃない…はぁ…」
「なるほど。ギョンジンの言いたいことはわかった」
「キーワードをみつければいいんですね?」
「けど何億とある言葉の中からどうやってキーワードを探し当てるんだよ」
「…勘ですかねぇ?」
「勘ねぇ…」
「「「ふぅぅむ…」」」
「あ…あの…」
「「「「なんだ、海坊主!」」」」
「おそまきながらこの金庫に纏わるこちらのご家族のお話を…。何かのヒントになるかと…」
「…。そういや、カテナチオばかりに気を取られてたな。海坊主の話を聞こう」
「「「「おー」」」」
「あああああ。抱きてぇ」
「「「「「…」」」」」
協力し合う5名プラス別室の1名。非協力者1名
【カフェ】
「僕が暇だと思ってるんだろ?!」
「うん」ニコニコ
「にこにこしたってダメ!僕はね、学生なの、学生!」
「うん」ニコニコ
「今日もね、昼から講義受けなきゃなんないの!」
「うん」ニコニコ
「決して暇じゃないの!わかってる?単位落としたら卒業できないの!」
「うん」ニコニコ
「でも来てくれたんだ…ですね?ミンギ君…」
「…。あふ。いや、だって、スヒョクさんが僕を指名してくれたって言うから…」
「「…」」
「「でへ」」
照れて俯くミンギとスヒョク
「食べましょう。ミンギ君」
「は、はい、スヒョクさん」
二人を見比べ、声を殺して笑うラブ。目の前にあるパスタを静々と食べ始めるミンギとスヒョク。妙な沈黙が流れる
「「…あの…。あ…どうぞ」」
「二人とも、何を遠慮しあってるの?仲良くなりたかったんでしょ?」
「「う…うん…」」
「フツーに話せば?俺に喋るみたいに」
「「う…うん…」」
「「けほん」」
「「ご趣味は?」」
「「…」」
「ぶははは。ばっかじゃない?お見合いかよ(>▽<)」
再び訪れる沈黙。静々と、黙々とパスタを平らげていくミンギとスヒョク。ラブも慌ててパスタを頬張る。食事はものの5分で終わった
【金庫に纏わるエトセトラ】
以下、海坊主…もとい、ジョンダルの解説
こ…この金庫はその…、亡くなられたご主人様が大切になさっていたものだそうで…。ご主人様は生前、自分が死んで十年経ったらこの金庫を開けてもいいとおっしゃっていたとのことでございます。奥様はご主人様に何が入っているのかお尋ねになられたのですが、ご主人様は、秘密だ、宝だ、ふふふ、と繰り返されるばかり。やがてご主人様が亡くなられ十年経ちました。奥様はお二人の結婚記念日であるあさって、この金庫を開け、中身を3人のご子息様に譲りたいとおっしゃられまして…
「ヤ○ザの財産か」
「相当のお宝か?」
「札束?」
「にしては小さいし持ち運びもできるだろ?」
「だな。じゃ、何百カラットのダイヤが一粒とか?」
「だからっ。持ち運びできるものの中にそーゆーモノを入れるか?」
「だけど厳重な鍵がかかってるじゃないか」
「ぶっ壊しゃ、中身、出せるだろーが!」
「んじゃ、今、ぶっ壊そう」
「だだだ…ダメですっ!この金庫も含めてご主人様の『宝』なのですからっ!」
興奮する真っ赤な海坊主。黙り込む3人。ひとり平然とジョンダルの袖を引っ張るホンピョ
「なーなー、海ちゃん」
「…海ちゃん?」
「あんたのことだよ」
ジョンダルに向けて顎を突き出すホンピョ
「は…私でございますか?」
「海坊主の海ちゃん」
「…私、ジョンダルという名が…」
「なー、海ちゃん、あのオバサンはコイツの中身、なんだと思ってるんだろ」
「は、奥様は、やはり残された家族のためになる何かだとお思いのようでございます」
「ふーん」
「…。ギョンジン、どうだ?今の話を総合して考えられるキーワード」
「…。ソクさんもちっとは考えてくださいよ」
「考えてるよ!考えてないのはあの人だけだろ!」
メールに夢中のヨンナムを睨み付けるソクとギョンジン
「ドンヒドンヒ、『ひらけ、ごま』ってヨコモジでなんて言うんだ」
「…。ホンピョよ…そんな言葉じゃないと思う」
「なんでだよ。昔っから閉まった扉を開ける呪文は『ひらけ、ごま』って決まってンじゃんか!」
「…。ヤ○ザの大親分がそんな言葉…」
「ちなみに、奥様は三年前に『くみ』を『解散』なさいました」
「そうなの?」
「はい。ご子息様の将来を案じられてのご決断でございます。感動的な解散式でございました…」
「…この屋敷の維持費、結構かかるんじゃないのかな…」
「ご子息様に商才がおありでして、お三人で会社を経営なさっておられるそうでございまして…はい…」
「意外と堅実なんだぁ~」
「はい」
「そういや海ちゃんも真面目だもんな」
「…あの、私はジョンダルと…」
「そうだねホンピョ。海ちゃん、見た目と違って気が小さそうだし」
「いや、あの私はジョンダ…」
「…結構家族の絆が強そうですね、ソクさん」
「…いい家族だったんだろうな…ギョンジン」
「「家族か…はふ…」」
空を見つめるソクとギョンジン
【ストリート】
「ほんとにもう帰っちゃうの…ですか?ミンギ君」
「あ…えっと…もう少しなら時間ある…ますよ、スヒョクさん」
「じゃ、ショッピングでもどうですか?ミンギ君」
「あ、いいですね、僕、洋服見たいな」
「あ、じゃ、俺の服とか見立ててくンない…ですか?ミンギ君」
「あ、うん、いいよ…ですよスヒョクさん」
ぎくしゃくぎくしゃく
前を歩く二人の、仲良くなりたいのにうまく打ち解けられない様子を楽しんでいるラブ
「あ、この服、どうですか?ラブのを借りたんですけど」
「あ、に、似合う…っていうか…スヒョクさんにしては意外な感じがして…」
「変ですか?」
「えと、スヒョクさん自体は変じゃないです」
「組み合わせがおかしいでしょうか?」
「いや、組み合わせもおかしくはないんですが…ただ、やはりこれはラブちゃんの突拍子もない服ですのでスヒョクさんにはあまり…」
「…似合いませんか…」シュン…
「あ、いや、だから、スヒョクさんはかっこいいです!ラブちゃんよりラインはきれいだし…」
「…そんな…慰めてもらわなくてもいいですよ…、自分がダサいって事、わかってますから…」シュンシュンシュワワ~
「すす、スヒョクさん…」オロオロ
必死で笑いを堪えるラブ
【聞き上手】
「亭主は家族には優しかったんだよ…。だからきっとあたし達のためになるものがあの中に入ってるはずなんだ。あたしゃね、記念日であるあさってにね、息子たちにそれを分けてやりたいんだよぉぉぉぉ」
泣き崩れるご婦人
「優しい方だ」
「だろ?いい男だったんだよぉぉぉ」
「いえ、奥様がです」
「え?」
「ご主人様亡きあとも、ご家族を守ってらした。宝物もご子息達に分け与えようとしていらっしゃる…。お優しいと思います」
「…あんた…、あんたもいい男だけど、あたしゃ亭主一筋だよ!口説くんじゃないよ!」
「え?は?あ…いや…ははは…そんなつもりは…」
「でもま、優しいと言われて気を悪くする人間はいないよ。ありがとうよ。あんたもそのB…なんとかいう店に出てるのかい?今度若い衆…じゃない、従業員を連れてってあんたを指名してやるよ」
「あ、いえ、僕はその店の者ではありませんので、ははは」
「そうなのかい?Bなんとかは、えーっと…」
手元にあるBHCのパンフレットを見るご婦人
「『夢の…花園…』らしいじゃないか!あんたは花じゃないのかい?」
「あははは。僕は…土…かな…ははは」
「土?」
「もしくは蜂」
「蜂?」
「花の蜜を吸う…ね」
「…。あんた、色男だねぇきーっひっひっ」
「あは、あははは」
聞き上手、テジュン。ホ○ト向きか?
【ショップ】
「じゃ、これ、着てみて…ください、スヒョクさん」
「うん…わかった…ですよ、ミンギ君」ぎくしゃくぎくしゃく
ミンギのコーディネイトしたカジュアルな服を持って試着室へ行くスヒョク
「…ふぅ…」
「くははは。ギンちゃんもスヒョクも可笑しいの!緊張しちゃってぇ」
「…。笑うなよ」
「でもスヒョクなんだか嬉しそう」
「そ?」
「ギンちゃんの見立てだからきっとオシャレに変身するよね」
「ラブちゃんもお揃いの着てみない?」
「え?」
「着てみなよ、フツーの男の子のファッション」
「俺はフツーだよ」
「フツーじゃないよ!ラブちゃんのファッションは誰も真似できないユニークなファッションだよ」
「…貶してンの?褒めてンの?」
「さあ」
「ギンちゃん!」
試着室から出てくるスヒョク。ストライプのブカっとしたパンツにラグランスリーブの落書きっぽい花柄の半袖Tシャツ。鮮やかなターコイズ・ブルーのスニーカー風シューズを履いてオドオドと歩いてくる
「なんか…ヘンじゃない?」
「可愛い可愛い。それにこのパーカー羽織ってみてよ」
サラリとした肌触りの茶色っぽい、透けた素材のパーカーを渡され、袖を通すスヒョク
「あ…めちゃくちゃ似合う…」
「でしょでしょ?僕の見立てだも~ん」
「…ほんと?なんかこのズボンゆるゆるなんだ…ですけど…」
「腰で履けばいいんだ…ですよ、ちょっと下げ目で」
「そうなの?…ですか?」
「可愛~い。似合いますよ、スヒョクさん」
「…やっぱ俺も着てみようかな…」
「うんうん、ラブちゃんも着てみなよ。同じもの、出してもらうよ」
試着室に消えるラブ。着慣れないカジュアルな服に戸惑いながら徐々に俯くスヒョク
「…ん?気に入らない…ですか?スヒョクさん」
「…」
黙り込んだスヒョク
「えと…あの…」
「…俺…」
突如、試着室のカーテンが開く
「ねぇちょっと!なんかキツい!サイズ小さくない?」
「え?スヒョクさんと一緒のサイズだよ」
「…スヒョクさん…」
低い声で呟くスヒョク
「え?」
「嘘だ!パンツが腰まで落ちない!」
「あは。ラブちゃんのがスヒョクさんよりお腹出てるんだ(>▽<)」
「違うもん!」
「…スヒョクさん…」
低い声で繰り返すスヒョク
「あの…スヒョクさん、どうしたんですか?気に入らなかったら他の…」
「…どうして…」
「はい?」
「どうして…」
「…あの、イヤなら他のもありますから…」
「どぉしてラブは『ラブちゃん』で俺は『スヒョクさん』なの?!」
「は?」
「どぉしてラブには『タメ口』で俺には『丁寧語』なの?!」
「…」
口を噤んだミンギは、心の中で『そこかよ、問題は!』とツッコミを入れる
「えと…あの…僕、スヒョクさんと顔見知りだけど、こんな風に喋るのは今日が初めてじゃないかなーって…」
「でもだけど…寂しいもん!」
「…えっと…」
「ギンちゃん、これキツい~」
「あーもーうるさいな、すみませーん、あのふとっちょにもうワンサイズデカいジーパン、渡してやって~」
「ふとっちょってなんだよ!」
「俺もギンちゃんって呼んでいい?!」
切羽詰った顔でミンギに迫るスヒョク
「あ…はは…はいっ構いませんっ」
「タメ口で喋ってよ!」
「あ…は…う…うん…、わかったよスヒョクさん…」
「『さん』なんて言わないでよ!」
「あひ…じゃ、なんて…」
「考えてよっ!」
頬を膨らませて拗ねるスヒョク。オロオロするミンギ
「ふん。俺をふとっちょ呼ばわりしたバツだ!もっと困ればいいんだ、ふふん!」
二人の会話を聞きながら、試着室でワンサイズ大きいパンツに履きかえるラブ
「…えと…じゃ…スヒョク君?言いにくいな…スヒョクン…スヒョクンってどうです…どうかな?」
「スヒョクン…」
「響きも可愛いし」
「…スヒョンさんだってスヒョクンになりうる…」
「…」
「『俺』って特定できない…」
「いや、そんな、僕、スヒョンさんをスヒョ君なんて呼ばないし…」
「つまんない…」
じゃあどうすりゃいいんだよ!と心の中で叫びまくるミンギ
「あ、ギンちゃん、俺の事めんどくさい奴だと思ってる」
「え?いや…あの…」
「ふー。これなら腰で履ける。ん?どしたのギンちゃん、目が泳ぎまくってるじゃん?」
「ラブちゃ~ん(;_;)」
「らぶっ!ぎんちゃんが俺を邪険にするぅぅ(T_T)」
「は?」
「なんとかしてよぉぉ、スヒョクさんじゃイヤだって言うからスヒョクンにしようとしたらぁぁ(;_;)」
「だってスヒョクンなんてスヒョンさんだか俺だかわかんないじゃないっ!」
「えーっと…」
「考えろっちったから考えたのにぃぃスヒョクンって可愛いじゃんかぁ~(;_;)」
「やだ!つまんないもん!」
「あのぉ~」
「じゃ、なんて呼んでほしいのさ!」
「ギンちゃんが考えてよ!」
「だから、かんがえだじゃんかよぉ~ずびょぐんっでぇぇ(;_;)」
「づまんないもん、やだもん」
「わがままだ!すじょぐんわがままだ!」
ぴく
「…すじょくん…」
「ラブちゃんといいすじょぐんどいい、BHCの人はみんなわがままだぁぁ(T_T)」
「すじょくんがいい!」ニコニコ
「…」
「俺のこと、すじょくんって呼んで」ニコニコ
「は?」
一人、噴き出すラブ
【キーワード】
「家族」
「そうだな…」
しんみりするソクとギョンジン。顔を見合わせ、☆五つを押したあとに『fam★ily』と続けようとするギョンジン
「だめだ!『f』を押すと『振り出しに戻る』だ」
「『fam★ily』じゃないのか?」
「お手上げだ」
「そんな。ひとつしか試してないのにお手上げってなんですかっ!」
「だって『家族』以外のキーワードは考えつかないだろうドンヒ!」
「そうだぞドンヒ!海ちゃんの話を聞いて『家族』以外のキーワードを思い浮かべろって言うほうが無理だ!なぁギョンジン」
「そうですよね、ソクさん!」
「…」
黙り込む3人。ひとり平然と口を開くホンピョ
「よーよー、ヨコモジってのはそれしかないのか?」
「ホンピョ、どういう意味だ?」
「その、エイゴとかいうヤツしかないのか?」
「「…」」
ハタと気づくソクとギョンジン
「例えばフランス語で『家族』とか?!」
「フランス語、なんて書くんだ、『家族』」
「辞書は?」
「無い!お前、知らないのか?」
「フランス語は…ちょっと」
「お前、『クーモン』習ってたんだろう?!」
「だってフランス語は習ってないし…」
「お前、世界を股にかけてたエージェントなんだろう!」
「んなこと言ったって…。ソクさんこそ近未来から来たんだからそれぐらい知ってても…」
「とにかく調べろ!」
「どうやって!」
「考えろよ、優秀なエージェントなんだろうが!」
「引退しました」
「じゃあどうするんだ!」
「…」
「10分休憩だ…」
「ふう…」
「なんなんだ、オッサンたち勝手に盛り上がったりしょぼくれたり」
「喜怒哀楽のサイクルが短いし…」
「オッサンってのはそういうモンなのか?ドンヒ」
「さぁなぁ…。辞書ねぇ…。そうだ、海ちゃん」
「だから私はジョンダル…」
「この家にパソコンはない?インターネット繋がってるかな?」
「さぁ…奥様は機械に疎いと…。でも聞いてまいります」
パタパタと部屋を出て行く海坊…ジョンダル
【上機嫌すじょくん】
機嫌の治ったスヒョクと、目新しいストリート系ファッションがお気に召したラブは、ミンギと別れて街をぶらついている
「ねぇねぇ、この格好で店にでない?」
「うん、いいね。でもマダム受けするかなぁ」
「マダムにウケなくてもソクさんとギョンジンさんにはウケると思うよ」
「あは。そうだね」
「…。何してるのかな…」
「…電話したら?」
「ラブこそ電話したら?」
「…やだ…」
「俺もやだ…」
「やせ我慢してるだろ、スジョクン」
「ラブこそ、ふとっちょ我慢してるだろ」
「むきーっ、ムカつくぅぅ」
「あ…」
「なんだよ!」
「…あっち側に…」
スヒョクは道を挟んだ反対側の歩道を指差す。その指の先を辿るラブは再びもやもやとした気持ちを感じる
辿り着いた先の情景を見て小さなため息をつくラブ
―やっぱり…
知らないよ…
「あ、そうか。ドンジュンさんの仕事関係のヒトだよね?ミスター・ゴージャスって…」
「…行こう」
「あん。何だよ、また怒ってる!」
「怒ってないって」
「嘘だ!顔が怖いもん!」
「な!」
その時、スヒョクにメールが届いた
「あ。ソクさんだ…」
メールを読むスヒョクに気づかれぬよう、反対側の歩道で向き合うドンジュンとウソクを盗み見るラブ
「…何してるのかな…」
「え?!」
「ソクさんたち」
「あっ…ああ…そうだね、なんて書いてある?」
「苦労してるって」
メールの文面を覗き込む二人
「…。頑張ってるみたいだね、オッサンたち」
「謎解きは得意そうだもんなぁ、あの二人…」
「ね、近くみたいだよ」
「そう?」
「ねね、ラブ、行ってみない?」
「え?」
「探してみようよ、カテナチオ屋敷」
「…」
「俺、ソクさんに会いたいもん」
「…ふ…」
笑いながらもう一度反対側の歩道を見るラブ。いつの間にか、老若の仮面をつけたような女性が二人加わっている
遠目から見てもドンジュンが怒気を放っているのがわかる気がした。その怒りが彼自身のためではなく、傍にいる麗しい男のためのものだと、ラブは本能的に気づいている
―ドンジュンさんは…そういう人なんだから…
幼い頃、『人間じゃないもの』だと思ったあの男が自分に見せたすまなそうな顔
好きだの嫌いだのを、考えるより感じ取ることの多かった子ども時代、その時のウソクを無意識に好人物の括りに入れたことをラブ自身自覚していない
―あの目。見たことがある
ざわつきが治まらず唇を噛むラブ
―知らないんだから。あの人は『人間じゃないもの』を惹きつけるんだから…。知らないんだから…
「ねぇ、行こうよぉラブぅ」
「え?あ?何?」
「カテナチオ屋敷、探しに行こうよぉ」
「え?あ、そうだね…。んでもこの格好で?」
「うん」
「ペアルックだぜ?」
「うん!嬉しい(^-^)」
可愛いスヒョクの笑顔にザワメキが消える
「…。そだね、行こっか」
微笑み合う二人
人の気持ちを変えるのは難しい。けれど自分の気持ちなら、なんとか変えられる
あいつが俺に近づき辛いなら、俺から出向くまでだ…
ギョンジンに対する気持ちと、ドンジュンとスヒョンに対する心配を同時に切り替えたラブは、モヤモヤを残しながらスヒョクと腕を組んで歩き出す
【パタパタパタ…】
「イングリッシュ・マフィン、グリッシーニ、ハーブパン」
「ちょんぐのみみぱん、なみだぱん、きつねのみみぱん」
「アールグレイにリリーシロップにくりいむぱん」
「きつねのしっぽぱん、つりめぱん、ぐらさんぱん」
「テスのパウンドケーキにちぇみぷりん」
「しつれんぱん、らぶらぶぱん」
「カフェでサンドイッチとテソンのサラダ&ヘルシードリンク」
「おれのすきなくちびるぱん!」
「「どうだ!!」」
パチパチパチ
「こんだけ種類があったら開店っぽくていいね」
「でも毎日こんなにたくさん作んなきゃいけないんだったら俺…」
「やめるとか言うなよ、五歳児」
「俺、転職しないと…」
「それはBHCが困るなぁイナシぃ(^^;;)」
「らってmayoッシ、ぱんにこんだけ時間割いてたら、俺、てじゅに会えなくなる(;_;)」
「大丈夫大丈夫。開店セールは三日間ぐらいだし」
「みっかかんもあえないのか?(;_;)」
「手伝いに来てもらえばいいじゃない」
「いつもの調子で作ればいいんだ。お前今朝はうだうだ文句ばかりタレおって段取りが悪かったぞ」
「らっててじゅが(;_;)」
「あーはいはい、俺からもテジュンさんに頼んでおく。イナのパン作りを見守ってやってくれと、な?」
「あ…きひん」
テジュンに見守られながらパンを作る自分を想像するイナ
「…。でも…そーすっと俺、けひっ。…はじゅかしいかな…(*^^*)」
「ばかたれが!」
開店日、明日の予定
【顔系列】
「BHMK組合の方ですね?どうぞお入りください」
探し当てたカテナチオ屋敷の門番らしき男にすんなり中に入れてもらえたラブとスヒョク
キョロキョロとあたりを見まわす二人
「ね。BHMK組合ってなに?」
「さぁ。カテナチオの鍵開けに来た皆のことじゃないの?」
「えらくすんなり入れてくれたと思わない?」
「…。同じ顔だからじゃない?」
「え?」
「ホンピョ、ドンヒ、ギョンジンさん、ラブ、俺。同じ顔だもん」
「…。いわゆる顔パスってやつ?」
「くふ」
「セキュリティ、甘~い」
「広いね、このお屋敷」
「うん。なんとなぁく『ヤ印風』だよね」
「そうなの?俺、そういうの全くわかんなくてさぁ」
「ご苦労さん、カテナチオの鍵が開いたって?」
突然、男に声をかけられる二人
「「…」」
「ああ、驚かせてすまないね。僕はこの屋敷の長男、チャン・インジェだ。もうすぐ弟のソクチェとギョンジェも駆けつける」
「「…えと…」」
「母さんはどこかな?」
足早に去る長男インジェ。顔を見合すラブとスヒョク
「…どこかで見たことある顔だよね?」
「…祭ン時の絵描きさん」
「…チョンマンの友達だっていうイ・グァンスさん」
長男インジェは『しんひょんじゅん系』の顔らしい…
【casa・二階リビング】
開店時の衣装合わせに余念が無いcasaの面々
「なんでさぁ、チェミさんがさぁ、そんなジョニデなかっくいいバンダナなんだよぉ」
「知らん!闇夜の仕業だ!」
「俺なんかこんなピンクのバンダナ…」
「イナシ、似合ってるって」
「このバンダナの柄、いいでしょ?」
「柄はスキだよ。なんかあったかみがあって…。どっかで見たような花柄なんだよな~」
「くふふ~。実はデザインをテジンさんに頼んだ」
「ええっ?テジン、そんな事一言も言ってなかったぞ。水臭いヤツめ」
「…イナシ、そんな話、聞くどころじゃなかったじゃん、ここんとこずーっと」
「あ…。ふ…ふふ」
遠くを見つめて思い出し笑いするイナ
「独特のモチーフだよね、テジンさんの花柄って」
「ねね、『こどもぱん』はポイントシール貯めたら『こどもぱんぐっず』がもらえるじゃん?その他のパンやケーキにも『チェミポイントシール』ってのつけてさぁ、点数貯まったらこのバンダナ貰えるのはどうよ?」
「お、いいね。チェミポイントシールか…。Mayo、明日までに作れる?」
「…。よし。やってみよう」
「お?大丈夫なのか?手伝うぞ」
「チェミはパン作らなきゃダメじゃん!mayoッシのお手伝いはボクがする」
「テスだってケーキ作らなきゃいけないじゃん」
「でもmayoッシ…大変じゃない?」
「ふふ。その辺は、任せといて」
「さすがぁ~頼りになるなぁmayoッシぃ」
「にゃ!」
盛り上がるcasaの面々…と猫一匹
【カテナチオ屋敷・カテナチオ部屋】
「パソコンですか…。ありますが…」
「じゃ、調べてください。フランス語で『家族』」
「は?」
「早く!」
「は…はあ…。ちょっと待っててください。持ってきますから」
カテナチオ部屋に着いた途端、パソコンの有無を問われ、慌しく部屋を出る長男インジェ。後姿を熱く見送るホンピョにドンヒが声をかける
「どうしたんだ、あの人に恨みでもあるのか?そんな恐ろしい目つきをして…」
「あにき…」
「ん?」
「俺の兄貴に…サンの兄貴にそっくりなんだ…。ぐしゅ…あにき…あにきぃぃぃ」
床に伏せって泣くホンピョ。オロオロするドンヒ
「お待たせしまし…わっ。どうしたんだい?君、どうして泣いてるんだ?」
「す、すみません、貴方がコイツの兄さんにそっくりなんだそうでして…」
「ぼくが?」
「…あ…あにきぃぃぃ」がばっ
「うわわわ」
いきなりホンピョに抱きつかれ、パソコンを持ってよろける長男インジェ。パソコンをドンヒに渡し、そっとホンピョの背中を撫でる
インジェにしがみつくホンピョを見て、不服そうな顔をするドンヒ
「あに…あにき…おれっ…おれっ、いつもさびしくてよぉ…」
「そうかそうか、よしよし。可愛いな。僕の弟もこれぐらい可愛らしかったらいいのになぁ」
「あにきぃぃ」
「よしよし」
「ふん。ホンピョのボケナス!」
それを嫉妬と人は言う
【カテナチオ屋敷・庭】
「広過ぎない?ここ」
「ほんとだね。大金持ちなんだね」
「それにしてもさ、お寺みたいなツクリの家だよね、縁側がぐるーっとあってさ」
「あそこに階段があるね。ここから家に上がるのかな?」
「やっぱヤ印屋敷なんだ。デイリとかがあった時にさ、簡単に家の中に入れないようになってるんじゃねぇか?」
「そうなの?詳しいじゃん、ラブったら」
「映画で見たことある」
「ヤ印映画?」
「…」
「ね、そういう任侠ものみたいな映画?」
「…。違う」
「どんな映画?」
「一種の恋愛モノ」
「…。一種の?」
「かなりの部分をべっどしーんが占めた一種の恋愛モノ…」
「…えっと、それっていわゆる…せいじんえ…」
「あ!あのあたりかな?あそこにだけ黒い服のコワモテさんが一杯いるもん」
「…。ほ…ほんとだ…コワそう…」
「よし。あの人達の後ろに回ろう」
「え?…こわいよ…」
「大丈夫。俺がついてる」
「…」
「なによ、その顔」
「…。ま、いいや。行こう」
「なによ!その返事!」
「しぃぃっ。そっと動いて」
「なによっ!急に主導権握って!」
「ラブ、軍隊経験あったっけ?」
「…。ない…」
「じゃ、俺の言うとおりにして。騒がない。足音立てない。目立たないようにさりげなくそっと動く」
「…」
「声、出しちゃだめだよ」
「…わかった」
「しいっ!声出しちゃダメっちったろ?」
「…」
頷くラブ。こそこそ動く二人
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
今日のこと★☆
羽っぽいもの ~5/12の日記~
(2026-05-13 08:14:00)
【楽天ブログ公式】お買い物マラソン…
エレコム MPA-ACCP35WH USB Type-C …
(2026-05-13 07:40:49)
株主優待コレクション
吉野家から株主優待が届きました♪
(2026-05-13 00:00:08)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Create
a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
評判のトレンドアイテム情報
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: