ほんやく☆こんにゃく

ほんやく☆こんにゃく

PR

×

Profile

ちゃしー

ちゃしー

Calendar

March 6, 2009
XML
カテゴリ: 翻訳
中学校の頃から読み始めた、大好きな本があります。

大地の子エイラ
ジーン・アウル 著 中村妙子 訳
評論社

主人公は原始時代に生きる一人の女性。
5歳のときに起こった大地震で両親を亡くして
天涯孤独になったクロマニヨン人の女の子が、
ネアンデルタール人に拾われて成長していく話です。
種族の違いに苦しみながら少女から大人の女性へと成長し、
稀有な才能を発揮して人生を切り開いていきます。

「大地の子エイラ」は始原への旅立ちシリーズの第1部作です。
このシリーズは全6部構想で、現在は原書は第5部まで、
評論社では第4部まで出版されています。
 第1部:大地の子エイラ(上・中・下)
 第2部:恋をするエイラ(上・中・下)
 第3部:狩をするエイラ(上・中・下)
 第4部:大陸をかけるエイラ(上・中・下)

1994年に第4部が出版され、その続きをずっと待って
10年近くたった頃、集英社から別の訳者による
訳本が出版されました。
びっくりして評論社に続編の出版予定を問い合わせたところ、
版権(だったかな?)を取れなかったとかで出版予定なし。

ものすごくがっかりしたことを覚えています。
訳者が変わると本の雰囲気も変わってしまうから。

それで、ちらっと集英社の本をのぞいたものの
やはり人物像などが少し違っていて読む気にならず、
原書を買って読み始めたのですが・・・。
知らない単語がたーーっくさんあって(1ページに10個以上)、
読みとばすことができないこともありました。
で、半分のところで力尽きてしまいました
(といっても、数百ページは読んだんですよ!!)

それから数年たち、思い直して集英社の訳本を手にとってみました。
もしかしたら、こっちはこっちで楽しめるかも、と思って。

でも、ダメでした
評論社の本を確実に5回以上は読んでいるので、
逐一中村妙子さんの訳が浮かんできてしまって。

ここはこうは書いてなかった。中村妙子さんの訳と違う。
中村妙子さんの訳のほうがよかった。

こんなことを思っていては、楽しめるわけないですよね。
やっぱり続きは原書で読もう、と思った出来事でした。


それから・・・
出版されている本の訳についてわたしが意見するのも
おこがましいのですが、集英社の本は、あまり訳がよくない気がします。
まず、全体的に日本語が硬いです。
それに、間違っているわけではないけれど日本語がちょっと変だったり、
単語の訳としては間違っていないのだろうけれど、
場面に合わない訳語が使われていたり。

たとえば、
大木の多くはもはや真っすぐに立っていなかった。 数本は倒れていた。
ここは、「倒れているものもあった」のほうがいいと思うんです。

それとか、
どこもかしこも木ばかりなのに あらためて 気づくと、
 パニックを起こしそうになってしまった

「あらためて」って、こういうときには使わない気がするのです。
「あらためて」は「思い返す」みたいに、自分がやろうと思って
できる行動に使うことばでは?
「気づく」ことは自分でコントロールできることではないのに、
「あらためて」は気づけないと思うのだけど・・・。

それに、もし「あらためて」に自分でコントロールできない行動に
対して使うような用法があったとしても、この場面には
いささか不似合いな気がします。
小さな女の子が大地震に遭って独りぼっちになった翌朝の
心もとない不安だらけの心情と、
あらためて物事を考えられるような心情とに
ギャップがありすぎる気がします。

うーん。
考えているうちによくわからなくなってきました。
わたしは「あらためて」は変だと思うけれど、そういう言い方も
あると言われればあるのかも。
いや、そもそも変じゃないのかも?
考えれば考えるほど自信がなくなってきました。。

それから、
モグールは今、ブルンの興奮の 意味 がわかった。
 「意味」にこういう使い方はないはず。
 「意味するところ」なら、いいかもしれない。


こんなかんじで、集英社のほうは「あれ?」「ん?」という
ところが、たくさん目についてしまいました。
多分に欲目もあると思いますが。

・・・いろいろ書いてしまいましたが、原文がわからないことには
どうしようもないですね。
日本語については議論できますが、翻訳については何も言えません。

第1部「大地の子エイラ」の原書を買ったことがあるような
気がするので、もし家にあったら原文を見てみようと思います。



~おまけ~
うちのチビ太。
すごいカッコで寝ていたので、思わず写真を撮ってしまいました^^;

熟睡するといつも仰向けのチビ。
チビ太
おまえ、野生では生きていけないね・・・。
あっという間におなかを食われておしまいだよ・・・。


人気ブログランキング
人気ブログランキングへ

応援お願いします ^^





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 7, 2009 12:17:41 AM
コメント(4) | コメントを書く
[翻訳] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


数本と改めて  
マレーの虎 さん

 ちゃしーさん
 面白い話題をありがとうございます。

 こういうことには早く答えを出しておかないと、議論が紛糾すると収拾がつかなくなります。

「あらためて気がつく」は、おっしゃる通りありえませんね。「わたし、思わず笑ってしまった」など「思わず~」と言う癖のある人がいました。その人があるとき、「わたし、思わず思ったわ」と言ったことがあります。この場合、「思わず」のあとに随意的な意味合いのある動詞が来ているのでおかしいのですが、「あらためて気がつく」はその逆で、「あらためて」のあとには随意的な意味合いのある動詞でないと、情報の攪乱が起こります。
 数本については、原文にもよりますが、日本語としては数本はありえます。「数本が枯れていた」と表現することによってしか喚起しえない心象風景もあるはずです。
 数本は枯れていたと表現すれば、作者のことばによって紡ぎだされた風景の中に自分の視点を固定することができますが、「枯れているものもあった」では、視線が森の中をさまよいます。
 小説の文章とは説明ではなく描写でなければなりません。「枯れていたものもあった」では、作中の人物ないし作者の視点で捉えたものというよりは、単にかいつまんで説明したものになってしまう危険があります。 


  (March 9, 2009 10:51:27 PM)

訂正  
マレーの虎 さん

 すみません。さきほど、倒れると枯れるをまちがえたようです。 (March 9, 2009 10:53:34 PM)

Re:数本と改めて(03/06)  
ちゃしー  さん
マレーの虎さん

コメントありがとうございます!
こういう話題にお返事をいただけて、とてもうれしいです^^
私としても自分の考えに自信があるわけではないので。

「あらためて気がつく」は、やはりおかしいですよね。
わたしの日本語の感覚がおかしいのだろうか、と心配していたのですが、
マレーの虎さんも同じ意見ということだったのでほっとしました。

「数本」のほうは、ちょっと説明が足りませんでした。
この文は「地震にあったばかりの女の子が、あたりの森の様子をうかがいながら、川沿いに道なき道を歩いている」
という状況です。

なので、「大木の多くは~」の文は女の子の視点からの文ではないかと思い、女の子に「数本」と数える余裕はなかったのではないか、と思いました。

でも、マレーの虎さんのおっしゃるように「数本」でも
日本語としておかしいわけではないですよね。
原文の書き方によって変わってくるところなのかもしれません。
今は実家にいるので、手元に原書がないのですが、
もし家に原書があったら確認してみようと思います! (March 10, 2009 11:29:16 AM)

Re:翻訳者が変わると・・・(03/06)  
heiwa_spi さん
私も同じ思いです。新しい訳の方も我慢して全部読みましたが、漢字を多用した漢文調の訳は、固くて、面白みが全く違いました。訳者を調べたら、年配の方で、エイラシリーズの訳はこの人は無理ではないのかと思いました。 (October 31, 2020 06:38:42 PM)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: