僕の心の詩

人が手を振る時♪

仲間のバイク1

人が手を振る時♪


僕が住み慣れた学生時代の街を去る時に、
君は泣きながら、僕に大きく手を振った。
また逢えるよね、また逢えるよねって、
何度も、何度も大きな声を出しながら。

僕等は長距離恋愛を過ごす事になった。
逢う時に君は私はここよと大きく手を振って、
別れる時は、また逢いたいと大きく手を振った。

君は優しく僕を心から愛してくれて、
僕も君の事を心から愛した。

待ち合わせ場所で、恋人達が手を振っている。
あなたに逢えるのよとばかりに手を振る。
そして、夜遅くには恋人達は今度何時逢えると
また別れを偲んで大きく、またねと手を振る。

人は出会う時と別れの時には必ず手を振る。
そのしぐさは言葉に出来ない特別な意味があるのだろう。
遠目で見ていても、何かこちらまで気持ちが伝わる。

人は愛している人や、親しい人には必ず手を振る。
そんな光景は誰が教えた訳でもなく、ごく自然に
人として当たり前のようなしぐさである。

私が君との恋愛を終えた最後の時も、君は手を振った。
ごめんね、ごめんね、と君は何度も叫びながら。
僕は車からバックミラ-越しにその姿を、
君の姿が見えなくなる最後まで追い続けた。

今では、会社に行く前に、家内と子供達が手を振ってくれる。
パパ行ってらっしゃいと。!!!! 何となくその時にささやかな
幸せを感じて僕は、家族がいる事の喜びに酔いしれる。




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