春風接人の花日記

春風接人の花日記

H19年ウルトラ京都奈良



いにしえの道奈良~京都100km遠足

マラソンでの大きな夢・目標はウルトラマラソンである。
夢は挑戦しなければ目標になりえない、初挑戦で達成するために、暑さ、蒸し暑さを避け、翌日が休日、そして関門が長い大会を調べ、秋の3連休の中央に開催されるこの大会を選んだ。

スタート地点の京都市伏見区竹田「力の湯」へ、在来線を乗り継ぎ2時間半で到着、銭湯に入り3時間ほど仮眠を取る。

大会には約50名が100km、82kmに参加。

午前3時のスタート、憧れの挑戦が今始まろうとしている、はやる気持ちでいっぱいであるが、ここは長丁場の始まり、いつものジョギングペースでゆっくりのスピードで夜の京都に繰り出す。
最初は桂川の河川敷と歩道のコース、両脇から草が覆いかぶさるようなところもある。
東の空には下弦の月と明けの明星である金星が輝いている。
ランナーの頭にはヘッドライト、そして懐中電灯、バックパックに赤の点滅等で賑やかである。

河川敷を走り終え暗い夜道を東寺、西本願寺、二条城とパスしていく、御所の付近を通ると甘い金木犀の香りがする、最初は前方の女性ランナーかなと思ったが、もう花の季節なんだ、また花の写真を撮ってこようと匂いを楽しむ。

次のチェックポイント(以下、CP)19kmは銀閣寺、手前で一礼して折り返す、CPはエイドも兼ね、給水と付近のトイレで用を済ませる。

この付近から4人程の固まりになってお互いが地図を見て、進むべく道を検討しながら走る。

平安神宮付近で夜が明け、朱色の門が印象的であった、一緒に走っていた全員で拍手を打ち今日の完走を祈る。

八坂神社脇をとおり、清水寺の坂を上り、ここで記念写真をパチリ。
s-run191007清水寺.jpg

伏見稲荷の道をどんどんと南下、
s-run191007伏見稲荷付近.jpg

37.6kmCPをAM8:00前に無事通過し、
s-run191007宇治平等院付近.jpg

10円玉でお馴染みのデザイン、宇治平等院鳳凰堂を左に宇治川を右に見て前に進む。

その後は観光名所もなく城陽の48.4kmCPで通過人数を尋ねるとまだ半数のようだ。

この連休の晴れ間を利用して田んぼでは稲刈りの真っ最中、稲を刈った後の藁から出る匂いがいいもんだ。

一緒に走っているランナーにウルトラ参加歴を尋ねると、トランス・エゾを1日80kmで計500kmを走破後リタイア、萩往還、100km9回など、このランナーに最後まで付いていければと思う。
そんな事を考えているうちに59.2kmCP、インスタント味噌汁で塩分補給、すごく美味しい。

木津川を渡り奈良県へ、奈良東大寺大仏殿の脇道を通過していると前に行く3名がスピードを上げる、大仏殿の写真も撮りたいとカメラを向け収めて何事かと追いかける。もう見えなくなったと思ったら大会スタッフが70kmのCPですよと声を掛けてくれる。
観光客で賑わうCPでは棒アイスをいただく冷たくて気持ちいい。CPでは13時の関門ギリギリだったそうだ。

奈良公園の中を通り、奈良奥山ハイキングコースに入って行く、東大寺CP前で予定外の力走をしたのか、走る脚が止まった、前に行く3名に別れを告げマイペースでゴールを目指す。

歩いていたので、自転車を引いて坂道を上がる奥様から「今日は何かあるのでしょうか?」と聞かれ、かくかくしかじかと概要を伝えると「信じられない」と驚きの声、自身でも夜中の3時から走っているなんて信じられません。

地図を見て走るこの大会の思惑通りとんでもない田舎道(我が家付近と変わらない)は目印となるものも少ないので、地元の方に尋ね分ればいいのだが、誰もいなければ自分を信じて進むしかない。

神社の秋祭りが終わったところに通りかかり、先を行くランナー(赤鬼の仮装)と一緒にどの道が正しいかと尋ねていると、買い物袋にみかんを持った子供たちが寄ってきてくれ、お祭りで頂いたみかんのおすそ分けしてくれた。
新鮮なみかんは、とても美味しいですね。

次の80.7kmCPへは1人でのランが続き、地図を頼りにはしているが相当心細い、雨がポツリポツリと落ちてくる。道に迷ったかなと思っていると別の道から来たランナーが、この付近は詳しいから任せてとCPに誘導してくれる、CPのスタッフは撤収命令が出ていたのか、良かったですね、冷奴でもいかがと勧めてくれる。ポン酢でいただき少しはお腹の足しになった。
誘導してくれたランナーはとても旨そうにビールを飲んでいる。

残り時間も約4時間、ここからは山之辺の道、今の歩きペースでは間に合わないとお先にと出たが前方のランナーの姿が見え後を追っかけていったら、どうもコース地図にはありえない天理市市街地へ出てしまった。
距離にして2kmほどだったが、間違いを修復するための距離は5kmくらいに感じた。

次の石神神宮は86.0kmCPに到着すると、ビール飲んでたランナーが余裕でエイドを楽しんでいる。ここからは彼に付いて行こう!

最終CPは91.7km、東海自然歩道である山の辺の道はハイカーが多く明るい間に走っていれば道に迷うこともないだろうと思う。
CPでは既にあたりは暗くなっている、残り1時間20分、CPは全て通過したので後はゴールのみ、3名のランナーがゴールを目指す。暗闇の中、くっつき虫をウエアにくっつけて速足ウォーキング、残り2km付近でタイムアウト、でも奈良健康ランドのゴールを目指す。

ゴールで待つスタッフとランナーの顔が見えると100kmを誰の力も借りず自身の力で制覇したのだと思うと大きな感動が湧いてきた。

最後に、体力的、精神的に厳しいウルトラマラソンを何事もなくこなすブログの皆さんと同じ気持ちを実感できたことを喜ぶと共にまたチャレンジしようと思ったことはいうまでもない。



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