馬場限定のB級

馬場限定のB級


 競技会は、思っていた以上にドキドキでした。
 馬にまたがってから下りるまで、ずっと先生がそばにいてくれたのに
 「行ってこい! がんばって!!」と馬場に送り出されたら・・。
 なぁ~んと。馬と私だけじゃないですか~。
 今までは、馬に乗っても先生のあやつり人形のようにおんぶにダッコだったから
 『なぁ~に~!私がやらなきゃどうにもならないの~!!』
 どうやら、駈歩ができないどうのこうのより、気持ちが馬乗りじゃなかったと
 その時はじめて痛感させられたのです。

 ヨタヨタと速歩で回ってきたジムカーナでしたが、馬から下りれば全身ガクガク
 でも『自分と馬だけでがんばった』という感じは、映画で見ていた西部劇の
 仲間は馬だけの世界と同じ気分で、ものすごく気持ちのイイ感じでした。
また出たい!
 朝は殺人的に早い。力仕事は多い。でも、いっぺんで競技会が好きになりました

 その年の年末に、県の選手県がクラブで開かれる事になりました。
 なるべく多くの会員さんを出したい先生の希望もあって、できるできないは別と
 して、馬場の運動はたくさん教えてもらっていたので、私も馬場の種目に出場
 することになりました。

 問題は駈歩。
 頭が高くポコンポコンの一定の馬場馬の駈歩だったのですが・・。
 その時は、駈歩のグンという一歩目で「う゛っ!」二歩目で「う゛わ゛ー」
 三歩・四歩「△×○グッゲー!!」の状態だったので、頭のイイ馬場馬です。
 私が駈歩をしようとすると、ポカッと後肢を跳ね上げ頭をブンと下げて
 「下りろ!」とばかりに振り落とされていました。

 競技会が好きでも、障害が飛べない駈歩ができない私には、出る種目はなかなか
 ありません。でも馬場がふめれば馬場の試合に出れるようになると先生に
 はげまされて、泣き泣き練習しました。

 当日は、落馬棄権も頭に入れながらでした。
 ところが、馬自信のプライドからか本番はしっかり馬場をふんでくれたのです。

 身のほど知らずの私は「これからは馬場をがんばるぞ~!!」と
 そのままの勢いで年明けのB級試験にも参加。
 馬場をふんで、筆記試験を受ける、馬場限定のB級を取ってしまったのです。
 一生障害は飛ばないだろうからと・・・。




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