~ LAZY LIFE ~

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ネタバレフォーガットン


ネタバレ「フォーガットン」とは。
洋画「フォーガットン」を劇場で観たヒゲが、
そのあまりの出来に驚愕・吃驚!
その思いの丈を交えつつ、覚えている全てを
メモ帳に書き削った過去の傷跡である。

一応以下は映画「フォーガットン」の
完全なネタバレになっています。
しかもこれを書いた段階では、
劇場で一回観たこっきりでの文章化でした。
もちろん加筆修正はしていません。

なぜかHDDの中に眠っていたのを見つけたので、
せっかくなのでお披露目します。
ネタバレでも良ければ観てね♪

きーもーいー





■ふぉーがっとん■

息子を不慮の飛行機事故で亡くした母親。彼女はその後遺症から、精神的に不安定な毎日を送っていた。彼女の夫とその主治医は何とか手を尽くして彼女を救おうと試みてはいたが、彼女は一向に息子の思い出を過去にしまい込もうとはしなかった。そこで夫と主治医が出した答えは専門家に任せることだった――つまり彼女の治療を病院での専門的なものに切り替えようと提案したのだった。彼女はその提案を頑なに拒む。私は何も間違っていない。息子を忘れるなんてことしていいはずがない。いつまでも平行線を辿るかのように思われた現実。そんな矢先、事件は起こった。彼女はいつものように目を覚ますと、日課ともいえる亡くなった息子のアルバムにまず目を通そうとした――が、ない。貼られているはずの写真が一枚もない。息子の映ったビデオは? 波音だけが連続している。全て葬り去られてしまった。彼女は泣き崩れた。夫の仕業だ……。思い立った瞬間、彼女は夫の携帯にこれ以上ない程の悪態を注ぎ込んだ。主治医とともに戻ってくる夫。主治医は信じられないことを口走る。「君に息子はいなかったんだよ」何を言っているのだろうか、この男は。主治医は彼女に、彼女の息子の記憶は脳が捏造した偽りの妄想だと告げる。患っているのはこの主治医の方ではないか、そんな思いすら過ぎってしまう主治医の一言。反論するために、隠し持っていた息子の写真を取り出して見せようとした彼女が膝から崩れ落ちた。そこには頼みの息子など微塵も写っていなかったからだ。それでも彼女は認めなかった。息子はいる。これは彼らが自分を病院にいれようと仕組んだことに違いない。逃げ出す彼女。ここにいるのは得策ではない。たいした宛などあるわけではなかったが、それでも彼女には向かうべき場所があった。まずは図書館。ここになら息子が当時事故にあった時の記事が見つかるはず。彼女は記憶に鮮明に残る事故の日時を頼りに、その記事を探す。が、自分も確かに目にしたはずの記事が新聞のどこにもない。今一つ、彼女の中で頼みの綱が音を立てて断裁された。それでも悲嘆に暮れている時間はなかった。まだ綱は残っている。途方に暮れ生への希望を失うのは、その綱が全て立たれた後でも遅くない。彼女はそう自分に言い聞かせると図書館を後にした。次に向かったのは、息子の親友だった少女の父親の下。だが、無情にも彼は言う「俺に娘はいない」どういうことだろうか。
少女の父親:アッシュは、彼女:テリーに更にこう告げる。「俺に娘なんていない。第一俺は結婚もしちゃいないし。そしてなにより、だ。あんたは一体誰なんだ?」テリーの背にそら寒いものが押し寄せる。アッシュは自分のことを覚えていないという。だが、私は数え切れないほどアッシュの娘を遊びに連れていっているのだ。父親の彼がそれを覚えていない、などあり得ない話だ。どういうことなのだろう。夫や主治医は「息子なんていなかった」と真剣そのものだった。私を病院に入れようと迫真の演技をしているものだと決め付けていたが、それは誤りなのだろうか。本当に私が「仮想」の息子を作り出しただけなのだろうか。ふと辺りを見回すと、アッシュの姿が見えない。どうやら彼女がじわりと自分の世界に入っていたのを尻目に、大量に酒をあび早々に床に就いてしまったようだ。なんと無用心な男だろう。誰かもわからないと言い放った女がまだ部屋の中にいるというのに眠りにつくとは。それとも、何をされても平気なほど超人的な何かを有しているとでもいうのだろうか。だが、状況だけとってみれば、これほど彼女にとって好都合な状況もなかった。当面今日だけでも居座れる場所ができ、一人で考える時間があり、そして何よりここは息子の親友の住んでいた家なのだ。彼女は考えた。いや、考えるまでもなかった。もし何かで息子の存在が揺らぐようなら、彼女は既に息子のことを過去に置き換えることが出来ていただろう。彼女の息子に対する固執はその程度の天秤にかけるほど安くなどなかったのだ。
大体ここまでが前半を細かく書き連ねたものです。この後、彼女はアッシュの家を散策することで、アッシュの娘が残した壁のラクガキを発見します。ですが、それを勝ち誇ったかのように詰め寄るテリーに対し、アッシュは警察を呼んでしまいます。「お願い、娘の名前を呼んでみて」テリーの叫びも空しく、アッシュは首を横に振りました。連行されるテリー。残されたアッシュはもう一度ラクガキを見て、ぽつりと「自分の娘だという少女の名前」を口にします。すると、なんということでしょう! 思い出したのです! 娘の記憶を! 思い出すの早すぎですから!!
急いでテリーの下へと走るアッシュ。しかし、彼女は突如現れた国家保障局員の手に、その身柄を警察から委ねられていました。アッシュは急いでその保障局の車を見つけると、車前に飛び出し車を止め「思い出した! 娘のことを思い出したんだ!」と保障局の人間に喧嘩を売りつつ、彼女の逃亡を幇助します。逃げる彼女。ついでになぜか逃げれたアッシュ。保障局から逃げ切ったテリー。しかし、その後大手を振って大通りに出て行くのはどうしたものか! 見つかったらアッシュの努力はどうしたらいいのか! 物凄く運のいい二人はその後、二人が初めて会った公園で再会を果たします。そこでテリーは衝撃の告白をします。「私、考えたんだけど。記憶を消せるなんて人間の仕業じゃないと思うの」ん? 何を言っておられるので? 「これはきっと人外の! そう彼らの仕業よ!」え……そういう話だったんですか? 納得するアッシュ。ばかか……こいつら。「ねぇ、息子たちは生きてると思わない?」「なんでだ?」「感じるのよ。あなたも感じるはずよ?」「いや、俺は」「ウソ! 感じるでしょ」「いや。うん、感じる」ナニコレ。
その後とりあえずこの街はやばいってことで、身を隠そうと街を出る。が、ここでも保障局に見つかってしまう。というか、側面から保障局の車に追突されます。目的のためなら何をやってもいいのか、保障局! というか確保が目的なら追突で死なせちゃまずいんじゃ……。は置いといて、主人公たちはもちろん無事です。逃げます。追いかける保障局。しかし、なぜか一瞬見失います。無能っぷりを見せた保障局ですが、じわじわとテリーらを追い詰めます。あとちょっとで二人の隠れた茂みに辿り着こうか、という時。「おい、撤退だ」ありえねぇす。辛くもご都合主義さながらで助かった二人。近くのホテルに入ります。バカです。大バカです。さっさと移動しないとかありえません。ですが、宿では何も起こりません。保障局もかなりの無能です。ですが、それは置いておかないと話が進まないので。
アッシュが買い出しに出ている間に、自分の主治医に電話します。内容は「息子はやはり存在していた。理解してくれる仲間もいる」なぜそんな電話をするのかわかりませんが、電話終了。アッシュが戻ってきます。いい流れです。ホテルで話をする二人。「彼らと保障局はきっとグルになっている」そんなことを話します。そして、国家権力が味方しているような大きな力に二人で立ち向かえるのだろうか、と不安になるテリーに、「絶対に子供は取り戻してみせる」とアッシュ。酒に逃げる男のくせになぜか決めます。ただ国家権力と彼らが手を組んだら、某ドラマみたいにFBIでもない限りたぶん不可能なんじゃないか、という臭いがぷんぷんしますね。でも話はすすみます。
ここで視点が変更になり、警察署になります。個室のデスクで眉根に皺をよせる黒人女性。先ほどから部下に対して何事か金切り声を上げています。「……何? なんで保障局が出てくるの? このテリーって女性は捜索願いもでてるけど、何なの? 保障局が家出人を捕獲するなんて聞いたことがないわよ。いいわ、私が直に調べてあげる」デスクから立ち上がると、部下に対して労いの言葉を一言。自分もかなり疲労を抱えているであろうに、女性警部は次なる事件へと赴きます。その前に立ち塞がる男。「テリーを探しているのでしょう?」「あなたは?」「私は彼女の主治医です」「その主治医様が何かよう?」「彼女は私にコンタクトをとってきました。また私に連絡をくれるかもしれません」「ああ、そう。じゃあ連絡をもらったら、警察に届け出て頂戴」「それじゃ遅いんです。私と一緒にいれば、あなたはすぐにその情報を知ることが出来る。彼女を見つけたときも必要以上に追い込むことも無い。あなたには私の協力が必要なんです」
早朝でもないお昼頃二人はレンタカーを借りると宿を出ました。遅いです。少なくとも早朝には出かけて頂きたい! 案の定待ち構える保障局員。急いで車を走らせる二人の前に男が立ち塞がります。もう保障局はそこまできています。焦る運転手アッシュ。えーい! どーーーーん!! えええええええええ、撥ねた! 人撥ねた!!
しかし、保障局から逃げ切った二人は安堵の表情。「あの人大丈夫かしら」「しょうがないさ。ああしなかったら捕まっていた」確かにそうですが、あの撥ね方だと死んでますよ? いいんですか? 自分たちが逃げるためなら人を殺してもしょうがないんですか? という疑問はなんのその。二人は逃げます。ですが、その前にテリーの提案により、彼女は夫にせめて事情を話したい、と言い出します。保障局が追っ手を放っているのに、何を悠長な、とはアッシュは言いません。会いに行かせてあげます。夫との再会を果たす彼女。「ねぇ、ジム。遂に事実を突き止めたのよ」「ええと……どこかでお会いしたかな? 人違いじゃ?」「ジム、何を言っているの。息子のことがわかったのよ」「ああ、それなら人違いだ。ボクはまだ独身なんでね。悪いね」妻のことを忘れる夫。その後姿をテリーは呆然と見送ります。アッシュが駆け寄ってきて「どうだった?」とここでまたまた保障局登場。しかし、見事に運悪く振り切られます。無能もここまで来るとステキです。逃走後の車内、急にテリーが呟きます「夫は私のことを忘れていたわ」「そうか、なに。全てが終われば思い出すさ」
また視点は変わり、黒人警部。二人が人を撥ねた現場の事情聴取をしています。「ああ、凄い勢いで跳ね飛ばされて、この発券機にぶつかったんだ。けど、そのまま何事もないように歩いて行っちまったのさ」「思い切り撥ねられたのに歩いてどこかに行ったのね。確かにおかしな話だわ。血痕が全くない。こんなに機械は凹んでるっていうのに」それから保障局員も含めて何やらカマの掛け合いが続きます。が、結局保障局は知らぬ存ぜぬを貫いたため、黒人警部はその場を後にします。
そして、「辛くも」というのはツッコミ所のありすぎる二人の珍道中は続きます。どこだかわからない山小屋だか山荘だかに身を隠す二人。アッシュは相変わらず酒浸り。それを見たテリーが「お願い。飲むのはやめて」「俺の勝手だろう」「お願い、シラフでいて」まるで恋人同士のような発言。まさか時間を共有している内に? こんな展開でさらにそんな展開ですか? 嫌が応にも本編とは別な処で期待がかかります。がここではそこまで。なぜなら、急に外で野犬がけたたましく吼えたからです。アッシュは暖炉にある灰をかき回すための鉄棒を手に音を立てぬよう外へ出ます。ゆっくりゆっくり。この展開! アッシュ! あぶなーい!! え……?? 目の前にアッシュに横顔を向け、双眼鏡で小屋を覗く背広姿の男。
見つけちゃった……?
殴られて捕まるどころか、相手を殴って捕まえちゃうアッシュ。大手柄。なんだそれ、とは言いますまい。
背広男をイスに縛り付け、尋問する二人。尋問の仕方は「おい! 正直にしゃべらないとこの鉄棒で足を砕くぞ!」「や、やめてくれ、俺は保障局員○○」脅されただけで背広男は本名を名乗ります。ついでに手帳も取られちゃって泣きっ面に蜂です。そこで更に二人は追い討ちをかけます。「子供はどこだ? なんのために子供を連れ去ったんだ?」「それは言えない!」本名はさらりと言えても、そこは頑なに拒む保障局員。本名の時から拒みましょうね、次回から。それに対して、またも「鉄棒で足を砕くぞ!」とアッシュ。そして、なぜか鉄棒を持ったその拳を相手の胴体目掛けたたきつけます。え、鉄棒で砕くんじゃないの? 苦鳴をあげる保障局員。あれってそんなに効くのか……。手を軽くこすりつけてるようにしか見えんが。たまりかねたテリーが「やめてあげて! もう十分よ!」何が十分なのかはわかりませんが、十分だったようです。そして、保障局員に駆け寄るテリー。「あなたにも子供がいるんでしょう? それがもし目の前でいなくなったとしたらどう? あなたが子供を愛しているように、私たちも子供を愛しているのよ。お願い、知ってることを教えて」テリーさん、泣き落としですか……。すみません。そういうのは脅す前にやってください。まあ、あれが脅しになってないのでいいですが、足砕いた後に泣き落としはムリだと思いますよ? ですが、保障局員はそうは思わなかったらしく、テリーに何か伝えようと口を彼女の耳に近づけます。「聞かれているぞ」呟いた瞬間。保障局員の身体が屋根ごと大空へ!!!!!!!!
どこいくのーーーーー??? 思わず昔やってた「お笑いウルトラクイズ」という番組のダチョウ倶楽部の逆バンジーを思い出してしまいました。そして事実は大空の彼方。いや、闇の中。せっかくの情報源を失ってしまった二人。今度こそもうダメか、そう思われたとき。テリーが魅せます。「思い出したことがあるの。あの事故の時、子供たちが乗り込んだ飛行機。あれはH会社の便だったわ」もはやあなたは神です。先行き真っ暗が急にスパートを開始します。手がかりなしの状態から、いきなりの天啓。まさに神は二人の味方。そこで二人はH会社に乗り込むのですが、H会社なぜか潰れています。そのことを二人も知っていた様子。置いていかれる視聴者。「そういうものなんだ、ま、いいか」とでも思わないとやってられません。潰れているのを知っている二人は勝手に中に入ります。が予期せぬことに会計士が倒産手続きにやってきていました。「ちょっとちょっと、ここは部外者立ち入り禁止よ」「いえ私、社長の秘書をしていたものなんだけど」「秘書さんが何の用? ここにはもう何もないはずよ?」「社長あての手紙を預かりにきたのだけれど」「手紙? 後でまとめて社長宅に送っておくわ、私が」「それなんだけど、社長が最近引っ越したって連絡きたかしら?」「あら、ちょっと待ってね。えーと、リストには、これね。住所はこうなってるけど……」
あなた、詐欺師でもしてたんですか? ばりに魅せるテリー。窮地を難なく好転させ住所ゲット。ステキ! H会社社長宅に辿り付く二人。しかし、社長宅はもぬけの空。何もありません。が、アッシュが一枚の写真を見つけることで事実は少しずつ動き出します。社長宅に飾られた写真。誰の写真かわかりませんが、どうも社長の写真ということで話はすすみます。もちろん、誰の写真か、というセリフは一切ありません。視聴者の想像力だけが頼りです。なんなんだか……。という暇なく、二人は高らかに叫びます。「この男!」「そうなんだ、あの時撥ねてしまった男だ」「そういうことだったのね」社長がなぜ二人の邪魔をするのか。謎は深まるばかりだが、確実にこの航空会社が保障局そして彼らと繋がっていることが浮かび上がってきます。とその時あぜ道を何かが駆け上がる唸りが届きます。続いて轟くサイレン。二人は反射的に外へと出ようとしますが、入り口のカギがなぜか開きません。仕方なく窓から脱出する二人。しかし、すでに警察の車はすぐそこまで来ていました。「ここはボクがオトリになる。君は逃げろ」「そんな、だめよ」「二人とも捕まったら誰が子供たちを助けるんだ! なに、俺は捕まらないさ。きっと逃げ延びてみせる。だから君は先に俺のアパートで待っててくれ」「わかったわ」他人の家のカギは持ってるのかという心配を他所に、乗ってきた車に戻るテリー。警察にわざと姿を見せてから、逃げ始めるアッシュ。車内から姿を現したのは、テリーの主治医と黒人警部でした。「私は奥を見てくるから、あなたはここで待ってて頂戴」主治医を置いてアッシュの逃げた方へと急ぐ警部。その視線に一人の男の姿が映ります。咄嗟に「動かないで、動くと撃つわよ」腰の拳銃を構える警部。けれど男は耳が聞こえないのか、その言葉を無視して警部に背を向けます。思わず警部は引き金を引いてしまい、銃弾は男の肩口の細胞を破壊しめり込みました。警部は刹那目を瞬かせました。なんとお約束です。男の銃創が目の前で瞬時に再生したのでした。それでも黒人女性というハードルを越え、警部にまでなった彼女は勇気を振り絞り、もう一度鉛の玉を弾き出しました。しかし、男はまた何事もなかったかのように歩き続け、やがて角に消えていきました。
その頃アッシュは警部の裏をかき、残された主治医とコンタクトを取ることに成功し、警察の車で自宅まで奔走したのでした。テリーの乗った車が溝に嵌って四苦八苦しているとも知らずに。そのテリーの下に警部が現れます。「あなた、テリーね?」「来ないで!」「何もしないわ。あなたのこと信じる。私もさっき体験しちゃったのよ。この世ならざる体験をね」一瞬訝しげな顔をするも、テリーが警部を受け入れようとしたとき。
どーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!
警部も飛んだ!!!!!!!!
唖然とするテリー。唖然とするボク。
テリーがアッシュの自宅に着くのと、アッシュが自宅に着くのはほぼ一緒でした。再会を喜ぶ二人。しかし、この家には実はもう一人招かれざる客がいたのです。「遅かったね」レンタカーショップで撥ねた男。警部に銃で撃たれた男。そしてH会社の社長。それがそこにいました。なぜいるかはわかりませんが、いたのだからしょうがありません。猛り狂ったように社長におもむろに掴みかかるアッシュ。「子供はどこだ? どこへやった?」が、逆にねじ伏せられそうになり――飛んだ! アッシュはビル数十回の高さから社長もろとも飛び降りたのでした。意味がわかりません。大事な子供の居場所を知る人物と心中する必要がどこにあるのでしょう? 復讐じゃなくて、飽くまで子供奪還が目的である、ということが念頭からぶっとんじゃったんでしょうか? ともかくアッシュが飛んじゃったので、確認しないわけにはいきません。テリーは一階に下りて行きました。が、社長の姿もなければアッシュの姿もありません。あるのはガラスの破片のみ。戦慄の眼差しで床面を見る彼女に、主治医が近寄ります。どうやら車内で待機していた模様。テリーは主治医に言いました。「私をH会社の滑走路に連れて行って」と。
滑走路。その飛行機保管庫のような倉庫に、社長はいました。どういうことなのかさっぱりですが、彼女の読みは当たったのです。ですが、一番に開口したのは彼女ではなく、同行した主治医でした。「なあ、計画は中止しよう。彼女から子供の記憶を抜き取るのは無理だ」「計画は中止できない。もうそんな時間も残されてはいない」社長退場。奥へと歩き去ってしまいます。奇異と驚愕の目が主治医その人にささります。「あなたも保障局員だったの? それとも――」「いや、私は彼らじゃない。保障局の者でもない。ただ彼らのやっていることを知っている極僅かな人物の一人さ」「ずっと知ってたのね。知ってて私に近づいてきた。そうでしょ?」「ああ、彼らに逆らうことは出来ない。しょうがないんだよ、テリー。今までだってそうしてきたんだ。私たちはただ極力被害を縮小することに尽力するしかないんだ。それでも出た被害には目をつぶるしかない」「ウソよ。認めないわ。子供は絶対に取り返して見せる。お願いよ、手伝って頂戴」
それに対して。
「それは出来ない。そんな無駄なことに力を貸すわけにはいかない」え……じゃあ、おまえ何のためにここ来たんだよ……。これだけ最後に大きく物語に食い込んできた主治医。しかしその素性、情報量など何も明かさず、さらに協力を拒んで出番終わり。おまえは何のためのキャラなんだよ!! 計画の中止を断られて、さらにヒロインの協力を拒むキャラか!! 
仕方なく奥へと一人進むテリー。そこには社長兼彼ら兼宇宙人の男がポツン。「何が目的で子供をさらったの?」「おまえのせいで計画が失敗しそうだ」「何の計画なの? 人間という生物の生態を知る実験?」「そんなものは必要ない。我々は人類よりも何倍も進んだ技術を持っている。今更人間ごときを調べた所で得るものなど無い」「じゃあ、なぜ息子を?」「我々が知りたいのは、心の結びつき、という概念だ。これだけは未だ我々の頭脳を介しても理解できていない。そこで一つ一つ事象を実験することにしたのだ。今回のテーマは絆。どの程度で人間はその絆を忘れることができるか、という実験だった」「まさか……実験対象は息子じゃなくて、私!」「ようやく気が付いたか。子供など端からどうでもよかったのだよ。我々が欲っしたデータは、愛する人物――特に自分の分身の記憶をどうすると親は忘れてしまうのか、だった。だが、おまえはどうやっても、息子のことを忘れようとしない。このままでは実験は失敗となってしまい、私が責任を取らされてしまう。なぜ忘れないんだ!! 忘れろ!!」いきなりキレる宇宙人。顔がスクリームの仮面みたいになって、衝撃波が巻き起こります。吹き飛ぶテリー。とりあえず、夫の心から最愛の妻の記憶は容易く消せるのね、とか。酒に溺れないと生きていけないほど娘を愛していたアッシュの記憶を消すことよりも、テリーの息子の記憶を消す方が難しかったの? とか。「記憶だ、なんだ」って言ってるけど最終的にキレたら物理的実力行使かよ、とかつっこみまくる所はありますし、もっと頑張れ宇宙人ですが、最後まで続けましょう。「私は何があっても息子のことを忘れたりなんてしない! だって私は息子を愛しているの! 誰にもこの記憶を消すことなんて出来やない。わかったら息子を返して!」「くそ、もう時間がない――」刹那。
ばーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!
宇宙人も責任取らされて飛んだー!!
まじでー?? というか、毎度毎度天井壊すのやめた方がいいですよ、無駄だし。むしろ天井ごとじゃないと、物理的に目標物を引っ張れないみたいで、宇宙人の技術もたかが知れてるな、という感覚が大きくなりますしね。

そしてラストシーン。
なぜか自宅のベッドに横たわっているテリー。
目を開け、何かを探す。すぐさま思い出したかのように駆け出しました。
公園に辿り付くテリー。やがてその目は一点に吸い寄せられ――
「ママ」
あーあ、息子返って来ちゃった。アッシュもその娘もいるし。
でも、警部いない…夫もどうなったかわからない!
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。


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