萌園の闘病日記 いくつもの難病を抱え奮闘中

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第4章 良性頭蓋内圧亢進症



脳は頭蓋骨という限られたスペースの中に収まった臓器です。頭蓋骨の中に脳以外の
大きな占拠物(腫瘍や血腫)ができたり、脳そのものが腫れたり(脳浮腫)すると、
正常な脳の組織が圧迫されてさまざまな神経の症状が出ます。これを、頭蓋内圧亢進症状といいます。

頭蓋内圧亢進症

症状と徴候

ほぼ全ての患者に毎日,またはほぼ毎日,強度が変動する広範囲に及ぶ頭痛が起こり,
悪心を伴うこともある。
寝ているときは比較的頭痛が軽い、あるいは頭痛がないが
起き上がった途端に激しい頭痛が起きることがある。
一過性の視野のぼやけ,複視(第6脳神経障害)および拍動性の頭蓋内の耳鳴も併発することがある。
また痴呆症の症状、呆けが出ることもあり、物忘れがひどくなったりもする。

検査法
CT、MRI、脳脊髄液の検査、髄液圧測定

治療法

●反復腰椎穿刺
●利尿薬(例,アセタゾラミド250mg,1日4回,経口投与)による圧の軽減と症状緩和
●腰椎腹腔シャント術(LPシャント術)


良性頭蓋内圧亢進症との闘い

1997年 発病
原因不明の激しい頭痛が毎日起こる。
頭痛に伴い吐き気が襲い、嘔吐していた。

いくつもの病院を渡り歩いたが、原因はわからず
精神的なものと診断される。

1999年 11月
ある日の夜、激しい頭痛に襲われ、隣の市の総合病院の救急外来に駆けつける。
その時、脳神経外科を受診するように言われ、翌日脳外科を受診する。
診察をしてくれた医者が、「良性頭蓋内圧亢進症」の疑いがあると言い
検査入院することに決まる。

1999年 12月
脳神経外科に検査入院する。
CT、MRI、脳脊髄液の検査、髄液圧測定を行い、「良性頭蓋内圧亢進症」と診断される。

2000年 1月
脳神経外科退院。
セデス(痛み止め)、利尿薬を服用し、経過を見る。
しかし痛みは軽減せず、むしろひどくなっていった。
通院中の間に、私は安定剤、睡眠薬を大量に飲み自殺を図った。
脳外科がある総合病院の救急外来に運ばれ、担当してくれたのが
脳外科の先生だった。呼吸停止、心停止の状態で運ばれた私だが
懸命な蘇生のおかげで一命を取り留めた。
この自殺未遂がきっかけで、手術することに決まる。

2000年 4月
脳神経外科に入院。  「腰椎-腹腔シャント(L-Pシャント)」 の手術を受ける。

2000年 5月

試験外泊のため2泊3日の外泊で家に帰る。
帰宅中、タクシーの中で激しい頭痛が襲う。
家についてからすぐに病院に電話し、その日のうちに病院に戻る。
レントゲン写真を撮った結果、シャントのカテーテルが折れ曲がっているのがわかる。
シャント再建術のため、再手術を受ける。
左の骨盤と腹腔内に通っているカテーテルを一旦外し
サイド固定しなおすと言う手術であった。

2000年 5月末
脳神経外科退院。
現在に至る。
今は薬も服用せず、頭痛は起きていない。
時々骨盤についているシリコン製のチューブでシャントバルブ(圧・流量弁)が閉じてしまい
(バルブの事をスイッチと呼んでいて、開いて髄液が流れている場合はオン、閉じてしまった場合はオフと言う)
激しい頭痛が起きることがあるが、自分でスイッチを開くよう教わっていて、開くことが出来るので
すぐに頭痛は治まる。

退院時に、医師から
「手術が終わったと言う事は、治療が終わったと言うことではありません。
これが治療の始まりです」
と言われた事が頭から離れないでいる。




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