のんびり生きる。

のんびり生きる。

大石圭


雰囲気である。その本が印象に残って、気に入るかどうか、は本全体の雰囲気がカギだ。もちろん、そのほかの要素も結構大切だ。作者に対する好感、嫌悪感とか、気に入った言葉があったか、なかったか。
でも、気に入る言葉がなくても私は本格推理小説で好きな本はたくさんあるし、まぁ作者が嫌いだとその本を手に取ることは少ないが、逆に好きな作家の本でも気に入らない本はある。
だから、やっぱり雰囲気だ。たとえその本が内容的にどうでもいいかな、とか、淡々としてて少しつまらなかったりしたりしても、魅力的に見えることがあるわけ。それが多分雰囲気、なのではないかな、と思ったりしたわけです。もしくは、その本の向こうに 何かが見えた、とか。
実際、この本は上記の分が気に入ったけれど、大元の元は、主人公に対して持った感想(感情)だと思うんだよね。主人公の性格や生きてきた過去の断片がちらついているのが上の文章だともいえる。
そして、この本気に入ったな、と思わせた決定打は、実は「あとがき」なんだ。しかも ある部分を抜き出してくればいい、というものではなくて、これもまたあいまいだけど、雰囲気というか何かが見えた、としか表現できんなぁ。伝えようとしていないとも言うが、でも雰囲気って味わうって言う通り、その人が味あわなきゃ伝わらないし、私としても「雰囲気」として味わったものを、明文化したくないって気持ちもありまして、この本の感想はここで終わり。




「殺人勤務医」


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