のんびり生きる。

のんびり生きる。

寂しい谷を霧に濡れて歩いたことが



ちょっとこっちを向いてみて

今日一日でほんとうに日に焼けましたね

今こうして連なる峰々を見ていると

夢の中の憩いのようでもあるけれど

こんな山肌の色を見たことや

寂しい谷を霧に濡れて歩いたことが

あなたをやわらかく救う時があるでしょう

取りつきようのない寂しさの中を

蟻になった気持で歩いたことが

あなたを元気づけることがあるでしょう

天へ飛び立っていくような歓喜と

永遠なものに包まれてしまった哀愁と

それが儚い人間には必要なのです

冷たい水 もう一杯のみますか

        串田孫一著 『山歩きの愉しみ』 詩篇二七六頁



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