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March 13, 2010
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カテゴリ: 教授の雑感

 今日、姉から電話があり、姉の家にある懐かしいピアノを業者に引き取ってもらうことになったとのこと。

 仙台に住む姉一家ですが、義兄の仕事の都合でこの春から滋賀県に引っ越すことになり、また甥っ子がやはりこの春から東京の大学に通い始めることから、仙台・滋賀・東京の3つの家を同時に維持できないということになりまして、それで仙台の家は一時的に人に貸すことになったと。

 で、人に貸すとなると家具を残していくわけにもいかず、といって滋賀に借りるマンションはそんなに大きなものではない。となると、とりあえず使わない家具を処分しなければならないのですが、その対象としてピアノを処分せざるを得なくなったと、まあ、こういうわけでございます。

 このピアノ、もとは実家にあったもので、私はこれを買った時、たしか6歳くらいだったと思いますが、その時のことをはっきり覚えておりまして。

 その時代、というのは、つまり日本の高度経済成長の頃ですが、その頃、「ピアノのある家庭」ってのは、戦後日本がようやくたどり着いた夢の境地でございまして、「ついにピアノが買える身分になったか」的なニュアンスをもった、一家団欒と一家繁栄の象徴だったような気がします。だからこのピアノを買った時も、おそらく我が父・我が母とも、おそらく誇らしい気持ちだったに違いありません。

 ですが、そうは言っても当時(おそらく今も)、ピアノってのは本当に高い買い物でありまして、それを買うとなれば相当な覚悟が必要だったはず。おそらくは祖父が若干、経済的援助をしてくれたのではないかと、私は推測しています。ま、そういうこともあってか、確か銀座のヤマハに乗り込んで、それこそそこにあるアップライト・ピアノの中でも一番いい奴を買ったのではないかと思います。ピアノがずらっと並べられている売り場の光景を私は今でも鮮明に覚えております。

 ま、とにかくそんな風にして買ったピアノが我が家に到来いたしますと、売り場で見た時とは違ってえらく巨大に見え、当時住んでいた家には不釣り合いなほど立派なものでした。で、私の姉はピアノ教室に通い始め・・・引きずられて私も通うことになった、と。

 ちなみに、私たち姉弟が習っていた女のピアノの先生がまた少々ワケありでございまして。その先生はもともと私たちの通っていた某附属小学校の音楽の先生で、当時の小学部長だった先生の息子さんとご結婚までされたのですが、どうもこの結婚がうまく行かなかったらしく、小さなお嬢さんを連れて離婚され、お母様とお嬢さんと、女三人でひっそりと暮らしておられたわけ。三世代の女性それぞれ、とても顔立ちのいい美人でしたから、まるでドラマの一つも作れそうな感じでしたけどね。で、そんな女三人の生活を成り立たせるために、彼女はピアノの先生をやっておられ、そこに姉と私も通うことになったと。

 ま、私はピアノに関してはダメダメな生徒でしたから、この先生からも随分叱られまして、毎週月曜日は地獄のような日々でした。が、姉は私と違って我慢強い人ですから、それなりにちゃんと練習をして、結構、楽しんでいたようでした。

 で、これまた私と違って子供の頃の姉はなかなか気の強い、はっきりとした反抗期を持った人でしたから、よく父母と衝突しましてね。今となっては信じられませんが。で、そういうときには、自然、姉のピアノの音色も激しいものになる。世渡りのうまい弟の私は、姉のピアノの音を聞き、あ、今日は姉には近づかない方がいいな、などと判断したものでございます。

 ま、とにかくそんな風にしてこのピアノは我が釈迦楽家にその場を得たわけですが、長じて姉が結婚する時、どうせ実家にあっても誰も弾かないだろうということもあり、いわば嫁入り道具のような感じで仙台に行きまして。だから姉はこのピアノと40年近くを共に過ごしたことになるわけですな。さすがに忙しい子育ての間、あまりこれを弾く暇はなかっただろうと思いますが。

 で、その姉が、ついにこのピアノと別れざるをえないことになった、と。

 私とはまったく逆で、ドライな性格、かつ物に執着しない姉にして、このピアノを手放すとなった時に、私に電話をしてきたというね。きっと寂しかったんだと思います。姉の性格を熟知している私としては、何とも言えない気持ちです。いつか大金持ちにでもなって、姉にピアノ付きの家でもプレゼントしたいくらいの気持ちですが、いくら高いピアノを買ってあげたとしても、それは「あの」ピアノじゃないもんなあ・・・。

 春は別れの季節ではありますが、姉がピアノを手放す時の気持ちを思って、私もその切ない気持ちの何分の一かを味わっているのでございます。





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Last updated  April 8, 2010 04:53:57 PM
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しんみりします。  
藍毘尼 さん
お姉様ご夫婦は関西は滋賀県にお引っ越しされるんですね。
「ようこそ!関西に、おこしやす♪」って感じですね。

だけど、そんな素晴らしい愛着のあるピアノを処分されるとは残念ですね。
教育熱心で素敵なおばあ様の愛情のたっぷりこもったピアノだったんですね。

私の実家も物心ついたときからピアノがありました。
姉と毎週日曜日にピアノのおけいこに通っていました。
私は結婚するときには新しいピアノを持って行きました。
子どもは男の子ばかり産まれたので、ピアノにはビックリマンチョコのシールがペタペタ貼付けてあります。
大切なお嫁入り道具のピアノだったのに、いつの間にかそんな風になってしまいました(笑)

ところで私は今現在、京都にいます。
4月から首都圏に息子が就職するので、引っ越しの準備にきています。
なんだか、未だに心の整理がつかなくて、なんで、なじみの関西の京都か大阪か神戸で就職を決めなかったのか悔やまれるところです。
釈迦楽先生は、京都がお嫌いだということですが、私は息子が6年間過ごした京都から転出するのが寂しくてたまりません。京都への思いは人それぞれですね。

お姉様が仙台から滋賀へ転居されるのも遠いわけですが、うちの息子が関西から関東に行くのも、とても遠く感じます。
別れの季節は本当に切ないですね。 (March 14, 2010 04:49:04 PM)

Re:しんみりします。(03/13)  
釈迦楽  さん
藍毘尼さん

 藍さんのところもご子息の旅立ちですね。東京、ま、いいところもあり、悪いところもありですが、とりあえず見るところは沢山ありますので、ご子息の様子を見に行くのにかこつけて、観劇やショッピングなど、ぜひ遊びに行って下さい。 (March 14, 2010 09:16:26 PM)

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