学力向上・勉強のコツ・学習計画など受験勉強法を教えています。

<小論文の書き方>



そろそろ大学や専門学校の推薦入試がはじまります。
この入試では作文や小論文が出題されるところが多くあります。
また一般の入試でも論理だてた文章を書くことが要求されます。

そこで今日は小論文の書き方について少しアドバイスしたいと
思います。

以前、漢詩によく使われている『起・承・転・結』の
構成による小論文の書き方について書いた事があります。

そこで今日はそれとは別に『序論・本論・結論』の
構成による小論文の書き方についてアドバイスしたいと
思います。




<小論文の書き方>




 入試の小論文は、大学などで課される小論文といったい何が
異なるかと言えば、決められた時間にまとめることが求められること、

そして試験中ですから資料などを参照することができないこと、
さらにテーマは与えられた物に限られることなどです。

 こうなると大学や専門学校の入試や高校入試の小論文対策として
求められるものは主に二つです。


一つは幅広い知識・知見です。つまり、常に多くの情報に接し、
自分なりに消化しておくことの必要性です。でもこれは常日頃から
心がけておくことで、なかなかノウハウとしてまとめられるもの
ではありません

もう一つは論文の構造です。つまり、論点を明確にして、
流れを作り、説得力を持ってまとめる、ということです。

同じテーマであっても、書き方を工夫すればよりわかりやすく、
説得力が高くなり、採点者にアピールしやすくなります。これは、
どちらかと言えば技術です。

つまり練習して鍛えることができるものです。




<小論文!序論・本論・結論からの攻略>



1、 小論文の文章構成は3段落で。--------------------------

普通の作文と同様に、小論文も『書き出し(中心点)』、
『理由・根拠』、『結び』の3段構成で書きます。

書き出しには、中心となる問題点を取り上げ、それに対する
自分の意見を書きます。書き出しは、通常の作文よりは行数が
少し多くなりますが、6行くらいにまとめます。
あまり長いと、何を書きたいのか焦点がぼけてしまいます。

文章の書き出しを見つけるには、あなたが『おもしろい』と
感じたり疑問に感じたり感銘したことを情報の中から
抜き出すのがコツです。すると自分の意見が見えてきます。

『私は○○が好きだ』、「私は○○をすべきだ」など、
○○を埋めるつもりで、数ある情報から気になる事を
抜き出しましょう。

それが自分の意見となり、書き出しになります。
まずは意見を述べてから書き出す、これが論述の基本です。

 試験の採点をする人の身になって考えてみましょう。
採点者はあなたの論文だけをじっくり読んで
くれるわけではありません。

一度に数多くの小論文に目を通しますから、まず「読みやすい」
かつ「説得力がある」ような論文になっていなければなりません。

 つまり、論文の冒頭から論点や結論が明確になっている
ことが重要です。何を論じるのかが明確になっていれば、
読み進めた時に頭に入りやすいからです。




2、 出題文の要点を引用しながら考察する。-------------------

第二段落は、書き出しで取り上げた自分の意見について
「なぜ、そう考えるのか」という考察を展開する。理由・根拠
などを、出題文の要点を「 」に入れ、引用しながら論じる。

考察点は1つではなく、いくつかあるでしょう。その場合は、
取り上げた事柄ごとに段落を分ける。ただし全体としては
ひとまとまりに考える。

 ここで登場するのが「な・た・も・だ」です。「な・た・も・だ」
とは人にわかりやすく伝えるための情報を引き出す呪文です。
国語作文教育研究所の宮川俊彦所長が考え出したものです。

「な」は『なぜなら』つまり理由を表します。『自分の意見』と
『書き出し』がはっきりしたなら、『なぜなら』を使って、
その理由を考えてみるのです。

 続いては「た」ですが、これは『例えば』を表します。
『例えば』というワードをきっかけに、考える事は2つ。
まずは(1)具体例を、次に(2)他に客観的な意見や見方が
ないか考えてみます。

 「例えば」は相手にイメージを膨らませ、わかりやすく
つたえる情報になります。

 次は「も」、つまり「もしも」を表します。これは別の
視点から考えるきっかけになる言葉です。




3、 意見の中心を書いてまとめる。---------------------------

『結び』は短く、意見の中心を書きます。『な・た・も・だ』の
「だ」で、「だから」。結論を書き出すきっかけになる言葉です。

 それでは問題を考えながら実際に小論文を書いてみましょう。





 <問題>次の文章を読み、地球温暖化に対する意見、
またそのために私たちができる事は何か、具体的な事例をあげ、
500字以内にまとめなさい。題は自分でつけること。

(地球温暖化に対する科学的知見とドイツの環境事情)

 地球温暖化に関して、世界の報告書では平均地上気温は
20世紀中に約0.6℃上昇していること。平均海面水位が
10cmから20cm上昇していることなどを明らかにしている。

 また氷河の交代、永久凍土の融解などの結果、地域的な
気候変動をもたらし、世界の種々の物理生産システムに
すでに影響を与えているとしている。

 一方わが国では20世紀中に平均気温が約1℃上昇した。また近年、
一部の高山植物の生息域の減少、昆虫や動物の生息域の変化が現れて
おり、豪雨の発生頻度の増加なども観察されている。

 ここで環境先進国として知られているドイツの環境問題への
取り組みを紹介する。その一つはデポジット制である。

 これは飲料や飲食物などを、ビンやカンなどの包装容器代や
食器代(デポジット金、預かり金)を付加して売り、使用後に
空容器や食器を消費者や客が返却したときにデポジット金を返す制度。

 もう一つはレギオカルテという公共交通の共通定期券。これは
自動車利用者を電車などの公共交通機関に『乗り換え』させ、
自動車税を減らそうという目的で導入されたものである。

 こういった優れた対策の多くが、今ではドイツ全体の多くの地域で
当たり前のことのように行なわれており、再生可能エネルギーによる
電力の占める割合がついに10%を越え、CO2排出は大幅に削減された。

<解答例>

  <CO2の削減へできる事を今すぐ実行に>

 地球温暖化が気象上で、また生態系の分布などで重大な影響が
出ている。この深刻化を食い止めるために、1人ひとりが
「CO2削減に」向けた行動を、今すぐに実行すべきだ。

 なぜならこの事態は、人間によって作り出されたのだ。
人間はそのことを責任を持って対処しなければならない。
ドイツでの取り組みが報告されている。容器などのリュース活動や
レギオカルテの導入によって、めざましい成果を上げているのは
大いに参考になるだろう。日本でもこうした活動はあるが、
ドイツのように「義務化」する必要もありそうだ。

 こうした国レベルの対応も大切だが、一人ひとりの具体的行動も
大切だ。日本ではごみが大量に出され、この処理のために大量の
エネルギーが消費されている。もし日本人1人ひとりが意識すれば、
ごみ減量は実現できるはずだ。後ろ向きの対応でCO2を増加させている
現状は、自分で自分の首を絞めているようだ。無駄な包装を求めない。
物を大切にして使い切る。またリュース、リサイクルを徹底する事で
CO2削減に役立てるのだ。

 小さなことでも、みんなが力を合わせてCO2削減へできる事を
今すぐ実行に移すべきだ。

                         以上




どうでしょう。なかなか論文らしく書けたと思いませんか。
ここまで説明してきた事をまとめると、次のようになります。

書き出し……自分の意見

な……・その理由を考えてみる。
た…・・(1)具体例、(2)客観的な意見や見方を考える。
も…・・仮りの設定をつくり、別の視点から考える。
だ……結論を書き出すきっかけを考える。

<追記>

最後に『作文風』から『論文風』にするテクニックを3つ紹介しましょう。

(1) 『ですます調』から『である調』に
  意見を述べるとき、語尾を「~です。」「~ます。」より、「~だ。」
「~である。」『~といわれている。』とすると、力強く簡潔な文章に
なりやすい。

(2) 複数の根拠を示す。
  何かを主張するときは、その根拠を2つ以上出そう。相手を説得する
材料が増えるので、納得してもらいやすい。主張をした後に「その根拠は
3つある。」などとしたうえで、順番に提示するとよい。

(3) 『読み手』を意識する。
  『読み手』を明確に定め、その相手を意識しながら書こう。試験の
採点者が『読み手』なら『どんな言葉を選べば理解してもらえるのか』
『情報が十分そろっているか』などと考えると独りよがりにならない。

                          以上

<恐れの克服>に移動する。


© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: