カエルぴょこぴょこ

カエルぴょこぴょこ

6 大川の滝 と 山尾三省宅



当たり前のことがありがたい。


山帰りの空気を引っさげて,地元でも有名だというおすし屋さんへ行く。(「いその香り」という,おいしくて地元の人を大切にしてる,ナイスなご兄弟のお店。)


入って席に落ち着くと,「ご姉妹ですか?」 といわれる。

「え~!  どっちがおねぇさんですかぁ~!?」  2人してぎゃあぎゃあと。 
Eちゃんだそうだ。  よしよし。  (* ̄m ̄) ププッ


実際にEちゃんは年もお姉さんであり,周囲への気配りの仕方がと~ってもおねぇさんだ。

だから彼女と一緒のときは,海はかなりデロンと伸びている。

気を一切使わない。


サテこのおすし屋さん,大盛況だが,ウエイターのお兄ちゃん(経営者の一人だったんだけれど)がいろいろな話をしてくれ,果ては彼の身の上&結婚生活の話までし出してくれる。


こっちからは何にもふってないのにである。


ちょっと重めの話しで,Eちゃんは早速波動あたりをして,食欲が落ちてしまった。


屋久島に来てから,こんなこと続きだ。

聞いてないのに重い話,ちょっとやばい話しををシェアしてくれる人が相次ぐ。



でも私にとっては,重さも軽さもない話たち。




つらかったことや,秘めてることを口に出して言えるようになるのって,その人にとってものすごい浄化だと思ってるから。


それらの聞き役に選ばれるなんて,これはものすごく光栄なことだ。

それを認められるようになった事,それをまず,ものすごいことだと一緒に喜びたくなってしまう。



そういうことがあった後,宿の布団にもぐりこんだ。



熟睡。 ( u _ u ) クゥゥゥ。o◯




今日は島をぐるりと囲む道路をずっとドライブする。

西部林道を見たい。


その前に「大川の滝」があった。

ここもかなりよろしいスポット。

マイナスイオン・・・なんてあって当然,ここでも私は魂が抜ける。

口をあけて水の流れを眺めたまま,放心だ。


「千尋の滝」のほうが有名らしいが,あっちでは特に何にも感じなかった。

通行禁止の札をまたいで,滝つぼの一番近くまで行ったのに・・・である。


その後,林道へ向かう途中で,お水を2リットルのペットボトルにいただく。

冷たくておいし~♪



そのまま車に乗って,GoGo!


林道は妖しかった。

浜辺は美しかった。


それから,山尾三省さんのご自宅へ伺う。

細い道をずーっ遠くへ進んだところにあるその集落は,とても小さくて静か。

生前使われていた書斎は,戸口を開け放したまま,誰でもお入りくださいといった風情。


三省さんの使われていたものが,全てそのままおかれている。

本棚に並ぶ本,私が読んだことあるものや,読みたいものがぎっしり。


文机の上にはコメントブックがあり,そこを尋ねた人たちの思いがつづられている。


わざわざ韓国から来たカップルの文字もあった。 (彼の本は韓国語出版もされている。)


国を越えて繋がる想い。

ハングルを目で追い,内容に微笑みながら,嬉しくなる。


それから奥さんのコメントに行き当たった。

三省さんが亡くなって,一年ほど経って書かれたもの。


それだけの歳月がたって,ようやく少しだけ立ち止まり,三省さんの不在を受け入れられるようになってきた・・・と。


薄暗いその書斎で,右手には彼が毎朝拝んでいたであろう観音像のある祭壇。


それら全てを感じながら,涙があふれた。




© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: