RAFFAEL研究所

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月の影 影の海/小野不由美


小野不由美/講談社

何年前だったのかなぁ、この本を読んだのは…
きっと誰でも、
今いる自分は本当の自分じゃない、いつか違う自分に…
なんて思ったことがあるだろう。
僕は多分そんなことを繰り返し繰り返し、たとえそんな事が起こるはずがない、
と判っていながらも、それでも自分に対して、そして世界に対して
何かを願わずにいられなかった、何かを期待せずにはいられなかった、
そんな時期が何年かあって、
どうだろう…親不孝者だと言われようと、きっと自分の両親は本当は違うんだとか、
そんなコトばかりを小学5年生位から考えてましたね。
何でかというと、似てないんですよ。ええ。全然、全く!
親子って毎日一緒に生活してるワケだから、フツーは嗜好とか様々な事柄が似通うものだと思うんです。
まぁ、味覚とか、そーゆーものが。
でも僕は全く似てなくて、思考だとか、何から何まで違う。
顔とか肌の色とか、遺伝子的要素で似ているべきものすら似ていない。
なんでなんだろう…ってずーっと思ってました。
だから中学生の時戸籍抄本を見て、でもやっぱり実子なんですよ。
凄く納得がいかなくて悩んだりもしましたね。

だからこの本を読んだときにすっきりしたんですよ。
僕はこの本の主人公「陽子」になりたかった。
そう思いました。
いや、どうだろう。あこがれ…希望…羨望…
そんなものが入り混じった気持ちでした。
出来ることなら彼女に成り代わって、違う世界に行きたい。
そう願うんだけれども、僕は現実と創作の世界を混同(ごっちゃに)する程
現実逃避も出来なくて、
だから、彼女には頑張ってもらいたいんです。
小説の話なんで、どーこーするのは勿論神様(作者)次第なんですけどね、
でも、そーゆーのを超えたところで、一心に応援したくなります。
この人のこのシリーズの関連作に「魔性の子」という作品の中にでくる
広瀬という人物に共感してしまいます。
自分に最も近い人だな…

まだまだシリーズは続いてますが、僕はもう、珍しく女性主人公が大好き。
こんな作品他にはないですね。女性主人公の話を好きになること自体あまりないし。
でも、そうだなぁ、陽子は女性というより少年にかなり近いキャラクターなので
抵抗がないのかもしれません。
自分が何かに迷っているときに読みたくなる本です。




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