ランスの日記

ランスの日記


小一時間くらい歩いていた・・・。気づくと目の前に樹海が広がっていた。
「一体どこなんだろう・・・ここ・・・」
疑問だらけだが、考えてもしかたがない。そう思い、樹海に入っていく。
しばらく歩いていたが、さすがに疲れたので、木のくぼみに腰をかけた。
なぜこんなところに?ここはどこ? 頭の中で整理していた。
しばらくすると、何かの気配を感じた。この感覚・・・人じゃない・・・。
いったいなんだろう、熊か何かか?そう考えていた。
気配が近づくにつれ、1つの考えが浮かんだ・・・。
(まさか・・・動物じゃ・・・・・・・ない・・・・・・)
その姿を見たとき、さすがに驚いた。
(ま、魔物・・・・)
素直にそう思った。四本足で、姿はライオンに見えないこともないが、明らかの違う物が、背中についていた。
本能的に悟った。  捕まったら・・・・やられる・・・・
魔物は、周りのにおいを嗅ぎ回っている。
(鼻が利くのか・・・・・すぐに見つかる・・・・そのまえに・・・)
そう思い、僕は走り出した。
音に気付いたんだろう。追いかけてきた。
だが、本気で走っていないようだ。
そう、まるで、猫が獲物を捕まえる前じゃれるような、そんな感じだ。
今は遊んでいるのだろう・・・今は・・・・
あせりのせいか、足を滑らせ、転んでしまった。足に激痛が走る。
すこし曲がっているようだ・・・
(う・・・。折れたかもしれない・・・)
立ち上がることができなかった。
魔物は、少しずつ迫ってくる・・・・少しずつ・・・・。
もうそんなに距離もないだろう。死を、覚悟していた。そして・・・
跳びかかってきたのだ!覚悟し、目をつぶる・・・ざしゅっ・・・肉や骨が切れる嫌な音。
うめき声が聞こえた・・・断末魔のようだ。顔に何かがかかった。
「危ないところだったね。」
少し甲高く、清んだ声。どうやら、女性のようだ。
「どなたです。いったいなにがあったんですか。」
思わず叫ぶ。理由はわからないが、目が、開かないのだ。
「そんなの、見ればわか・・・無理・・・みたいだね・・・あ、あははは・・・・」
申し訳なさそうに、笑う。
「あの魔物は?」
「殺したよ。もう平気。」
「え・・・」声に出てしまった。
「え・・・って、ひどいな~。一応私、剣士だよ?」
笑いながら言う。目が見えないので、状況が把握できない。まったく・・・
「立てる?」
いきなり聞かれたのでびっくりして立とうとしたが、立てなかった。足が言う事を聞かない。「つっ・・・・」
「ちょっと見せて・・・・あう・・・・これはひどいな。折れてるよ。」
しょがないか、と軽く言うと、僕を抱きかかえた。
「な、・・・いきなりなにするんですか!」
「だって、歩けないんじゃ、こうするしかないじゃない。」
笑いながら答えた。確かにそうだが・・・・一言いってほしかった・・・
しばらくすると、女性がいった。
「もうすぐ着くわ。」
一体どこに向かっているんだろうか・・・ 僕には、わからなかった。

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