歴史探検 (世界史と日本史との間)山田企画事務所

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川勝平太(国際日本文化センター教授)の本


エッセイ(世界観を変える) ■■■■■
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川勝平太(国際日本文化センター教授)の本
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■川勝平太(国際日本文化センター教授)の本
1NHKブックス・日本文明と近代西洋・1991年初版・1020円■
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1991年、フランス歴史学者の翻訳本が、藤原書店から出版されました。
ブローデル「地中海」。16世紀の後半の西欧スペインオーストリーのフエリ
ーぺ2世の治世の地中海の政治・文化・社会の全体の流れを書いた大きな本で
す。元本は、第2時世界大戦の後1949年にフランス発行されました。また、ブ
ローデル「地中海」に影響を受けた川勝平太先生先生の本が刊行されました。

この時から、静かな、歴史認識における革命が始まりました。海から見た歴史
観です。すでにご存知の方も多いでしょうが。

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A.NHKブックス・日本文明と近代西洋・1991年初版・1020円
B.中央公論新社・文明の海洋史観・1997年初版・1900円
C.PHP研究所・海洋連邦論・2001年初版・1600円
D.南風社・日本史を海から洗う(竹内実・村井章介他編著)・1996年・
1800円
その他の著作よりのまとめ。
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ヨーロッパに偏った世界史でもなく、世界史・東洋史・日本史を貫き、また、
陸の世界史から、海の地球史(グローバルヒストリー)あるいは、人類史へ
と希有な話が聞きたいですよね。

「海から見た歴史」を考える上で、やはり、日本人が考えた「大きな文明史
・世界史観」として、今回以降、川勝先生の文明論をご紹介します。骨太の
日本文明論でもあります。「川勝海洋史観」と現在呼ばれています。

興味を持たれた方は、詳しくは、上記本の本文をお読み下さい。図書館、大
きな書店には在庫があるでしょう。これからの紹介の間違いがあえば、その
責任は山田です。また、内容の質問には、残念ながら、お答えできません。


以下文章内容にくり返しが多いですが、お許しを。
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16世紀に東南アジアで、日本と西欧は遭遇する。
ヨーロッパは大航海時代。日本は和冦・戦国時代。この当時、文明の中心で
あったアジアから、同じように、アジア発の主要物産を輸入していた日本と
西欧(特にイギリス)は、「近代世界システム」成立の課程で、国内の輸入
代換えに成功し、並行的に発展を遂げたか。日本はいかにこの19世紀時期、
対アジア間競争の勝利者になっていったか。

「海洋アジア」の経済圧力が、近代史を書き換えた、
西洋イギリスでは、産業革命をおこし、アジアをはさんで反対側の、アジア
の東の端の、日本では、勤勉革命(生産革命)を起こした。この革命で両者
は、「海洋アジア」から「脱アジア」を図った。

江戸時代の鎖国の間に日本は富める国になるための基本条件はそろっていた。
イギリスは、綿工業の自己産業化にあたって、アメリカ等の綿をアフリカの
奴隷を労働力として使用し次第に大西洋を中心とした自国経済圏で、産業化
し、産業革命をおこして富める国に脱皮していく。

一方の東の端、日本は、自国内で徹底的に自己完結的に革命をおこなった。

日本の自給圏は、日本国内(陸地志向)。英国の自給圏は、大西洋・大英帝
国である環大西洋圏。(海洋志向)。新大陸の金銀の1/3が、アジア物産
の購入のために、アジアへ。日本もアジア物産購入のため、金銀銅を輸出し
ていた。16世紀には日本は世界最大の産銅国であり、東アジア社会世界に
銅を輸出していた。東アジアでは、漢代から中国の銅銭が国際共通通貨であ
った。

日本では、平清盛が、奥州の金を輸出し、銅銭(宋銭)を輸入していた。江
戸時代まで日本には、独自の銅銭がなく、江戸幕府の寛永通宝を発行し、中
国銅銭を駆逐していった。日本史上で始めて日本国内から姿を消した。清中
国(康煕帝以降)の銅銭の素材は日本の銅である。また、銅はアジア全体の
交易交換手段であった。かっての中国に変わってアジアにおける最大の
貨幣材料の供給国になっていた。

日本とイギリスとは、「貨幣素材」流失を防ぐために、アジア物産を国産化
する必要にせまられていた。イギリスの産業革命は、木綿の機械事業から始
まっている。

参考として「近代世界システム」(翻訳・岩波現代選書・名古屋大学出版
会1981年から・原本初版1974年から)は、アメリカの学者ウオー
ラーステインが提唱している理論。15世紀に出発点をもつ、現在の世界経
済システムの展開課程の理論です。
ブローデル(フランス)ウオーラーステインは20世紀後半最大の歴史家(
翻訳書は、藤原書店・地中海他)といわれていますが、川勝先生は、このブ
ローデル(フランス)ウオーラーステイン(アメリカ)理論から、独自に日
本も含めた文明史理論を提唱しました。この思想から影響を受け、川勝先
生の論は、「海洋連邦」論や、「ガーデンアイランド」論に発展していきま
す。


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