―――――君と出会った日






000・始まり




「この子供か?」


青い服を身に纏った青年が呟く。


「そうです」


答えたのはもう一人の男。


自分の方が大分年上なのに青年に対し敬語を使っている。



「名は?」


青年がその男越しに此方を伺う少女に問う。


「・・・・・・ユリナ」


その少女は其れだけを口にしてまた固く口を閉ざす。


「ユリナか・・・。ユリナ、お前はこれから軍人だ」


青年が言う。


「・・・何で?」


少女はその青年を睨む。


其処には先程までの怯えに似た色は全くなくて。


「うん?」


その少女の眼光に青年は少々目を見開く。


「私は軍人になんかならない。お父さんもお母さんもあんた達に殺されたんだ。そんな奴の仲間になんてならない」


涙を溜めて。


でもきっぱり言い放つ少女に。


青年は口端だけで笑って見せた。


「・・・・・・いいだろう。じゃあお前は仲間にならなければいい。お前は一人で生きられるのか?」


「・・・・・・・・」


少女も幼いながらに自分は無力だという事を感じていたようで。


言い返せない。


「生きられないだろう?じゃあ来るんだ。お前は生きろ。多少の事は我慢するんだ。生き延びる為に」


黙る。


沈黙。



其れを肯定と取った青年は。



「私はロイだ。いずれお前の上司になるかもな」



そう言い残し踵を返した。









それから数年が経ち。







東方司令部では――――


大佐になった青年と。


大尉になった少女とが。


毎日元気でやってます。



此れはそんな二人の話。








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