―――――――強い奴ほど燃えるんですよ







011・first game







「これだと我々の任務外ってことになりますね」


カカシが言った。


タズナが嘘を吐いたという事がばれ、おまけにナルトの怪我は毒抜きが必要だった事もあって、任務続行不可能と見なしたのだ。



「ナルトの治療ついでに里へもどるか」


カカシがそう促した時だった。



―――――ザク



皆の目が見開いた。


「ナルト、何やってんのよ!アンタ!!」


サクラの言葉でチアキはやっと目の前の状況を受け入れた。


「なんで手、刺してんのよっ!?」


チアキも叫ぶ。


そう、ナルトは自分のクナイで手の甲の怪我をしたところを刺していた。


其の手からは止めど無く赤い液体が零れ落ちている。




「オレがこのクナイで・・・・・・オッサンは守る、任務続行だ!!」




ナルトは自らの血で染まっていく其のクナイを手に、啖呵を切った。




沈黙。


皆、何を言えばいいのかわからないのだろう。


重い沈黙が圧し掛かる。


圧力。



しかし其れを破った言葉はあまりにも呆気無くて。



「ナルト・・・、景気よく毒血を抜くのはいいが・・・・・・・・・それ以上は・・・出血多量で死ぬぞv」



カカシの語尾にハートマーク付きの忠告だった。








+++







「つまり超金持ちだけど裏で色々やってるガトーっていう男は今建設中の橋が建つのを恐れている為、それを作っているタズナさんの事がとてつもなく邪魔で殺そうとしてるわけね?」



ナルトの即席治療も済み、タズナから任務の真相を話してもらった。


其れを要約するとさっきの通りである。



少し重い沈黙が流れる。


やはり任務続行すべきか悩むところらしい。



「いいじゃん。やろうよ」


堪らなくなってチアキが言った。


「本気か?」


カカシが問う。


そんなに意外だったのだろうか?


「本気も本気。すっごい本気。だってさ、サスケだってサクラだってさっきだって動けたし、ナルトだって大丈夫だと思うよ。私も勿論平気だし、カカシ先生に任務ををやめる理由はないでしょ?」


チアキがきっぱり言い放つ。


そしてすっとナルトの包帯の巻かれた手を取った。


「それに。ナルトの決意を無駄にしちゃ駄目でしょ。私だってナルトに怪我させた奴、許せないから」


にっこり微笑む。


その強い口調とは反対にその声音は優しくて。


ナルトの頬が少し染まる。



その後、タズナが追い討ちを掛けるように言葉を並べて。


カカシも観念したように肩を竦めた。






+++






波の国に着いた。



とりあえず、表面的には、何事もなく。





カカシがこれから起こる事を予知してか溜息を吐いた。


「猫背っ」


その背中をチアキがドンッと叩く。


「だらしないなぁ。猫背は身体に悪いんだよっ?」


「・・・・そりゃどーも」


カカシはチアキを横目で見ると気のない返事を返した。


「もーっ」


チアキは笑みを浮かべながら頬を軽く膨らませた。



「そこかぁーーーーーーっ!!」


「ぶっ!?」


ナルトがいきなり叫んで手裏剣を投げた。


その大声にチアキも膨らませていた頬が潰れて奇声を発す。




―――――――しぃぃぃぃぃぃぃん





「ナルト・・・・・?」


「フ・・・なんだネズミか」


「何・・・?」


チアキは目を細めて、呆れに似た表情でナルトを見つめた。


否、もしかしたらチアキには本当にナルトが何をしたいのかわかってないのかもしれない。



ナルトは格好つけたいだけなのだ。




「そこかぁーーーーーー!!!」


ナルトの手裏剣がまたも宙を舞った。



手裏剣が刺さった場所。


そこに居たのはウサギで。


「ナルトッ!!!ウサギ可哀想っっっ!!!」


「ナルト!なんてことすんのよォ!」


女性軍に責められるナルト。



誰も気付いていなかった。


カカシが険しい表情で辺りを見回している事に。





「全員ふせろ!!」


次の瞬間に其のカカシが指示を出した。






その声とほぼ同時に現れたのは大きな包丁のような物と男。



其れは只ならぬ殺気を放っていて。



カカシが自分が相手になると言った。




其の男は霧隠れの里の抜け忍、桃地再不斬【モモチザブザ】。



そしてカカシの額当てに隠れた左目からは―――



写輪眼







チアキは口元に少し笑みを称えて。





面白い




唇の動きだけでそう告げた。









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