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――――――――金の髪に金の瞳
金髪の少年
ユリナは一人、大通りを小走りしていた。
手にはいっぱいのお菓子の袋を持って。
こうなったのには訳がある。
東方司令部内では有意義な午後を楽しむ為にジャンケンに負けた者が自腹で皆の為にお菓子を買い、配るという世にも奇妙な――――
というか軍に有るまじきしきたり(?)がある。
今回ジャンケンに負けてしまったユリナはしょうがなく私服姿で街中を走っていたのだ。
私服なのは他人の注目を浴びないようにするため。
軍服だと目立って仕方がないから。
溜息を吐きながら走っていると――――
―――――ドスン
その時、路地から出てきた子供と激突してしまった。
「いってぇ・・・」
金髪の長い髪。
初めは女かと思ったが零れる声から少年という事がわかった。
「大丈夫?」
しりもちをついてしまったその少年にユリナは手を差し伸べた。
「ああ。悪かった」
少年はユリナの手を軽く払っていらないという意義を示すと自力で立ちあがった。
それから少し頭を下げると視線を地面に固定し、また歩いていった。
「ちょっと!!」
地に目を向けたまま人通りの多い道を歩いていく少年にユリナは堪らず声を掛けた。
「あ?なんだよ」
背後から声が掛かって少年はもう一度此方へ戻ってくる。
今度はユリナを見て。
ユリナはそんな少年の反応に満足したのか腰に手を当てると
「下向いてちゃ危ないでしょう?」
少しお姉さんぶった口調で告げた。
「関係ねぇだろ」
少年は口を尖らせる。
「関係あるわよ。私だって被害者なんだから」
ユリナの言い分はもっともで少年は言葉に詰まる。
「財布・・・・」
少年が呟いた。
「何?」
ユリナは聞き返す。
「財布落としたんだよ」
「・・・・・・・・あぁ・・・それで」
この少年は財布を落としてしまったらしい。
だとしたら下ばかり見ていたのも頷ける。
「じゃあ私も探すの手伝ってあげる」
ユリナはにっこり笑った。
少年はそれに戸惑ったように顔を背けて、
それから言った。
「いーよ。買い物してんだろ?」
「あ」
そういえば・・・と
ユリナはお菓子の袋を見つめる。
早く帰らなければ皆に怒られてしまう。
「う~~ん・・・じゃあこれあげるから、見つからなかったらここに来て」
ユリナは困ったように眉を顰めてから自分のポケットから一枚のメモを取り出した。
「なんだよこれ」
貰った少年はピラピラとそのメモを振ってみせ、其処に書いてある地図を訝しげに見た。
「じゃあね」
少年の問いにユリナは答えずその場を後にした。
+++
―――――翌日
「おはようございます!財布、届いてませんか?」
ユリナが軍に来て開口一番が此れだ。
「ユリナ、財布落としたの?」
ほのぼのした口調で問いかけたのはジュンヤ。
「私じゃないんだけど・・」
ユリナは語尾を濁す。
「ああ。男物の財布なら僕拾いました」
そう言って手を上げたのはフェリーだ。
「何処にあるんですか、それ?」
ジュンヤからフェリーの方へと視線を移しユリナは問った。
「受付に届けましたけど・・・」
「わかりましたっ!」
フェリーが言うや否やユリナは片手を挙げて謝礼の意を示すと受付玄関まで走り去った。
+++
――――――――玄関
「なあアル・・・・ここって・・・」
昨日の少年が居た。
連れが居るらしくその人物に問う。
「うん・・・。東方司令部だよね・・・?」
答えたのは姿見と声音が合っていない、声色からして少年であろう鎧。
「如何いうことだ・・・?」
金髪の少年が途方に暮れたように呟いた。
「あっ、居た居た!昨日の男の子ーーー!!」
ユリナだ。
受付で財布を受け取ったらしい。
財布を片手に此方に走り寄ってくる。
「財布っ、届いてたよ!」
ハイと少年にユリナは財布を渡す。
「・・ども」
少年は少し俯き加減に言う。
「どうも有難う御座います」
丁寧な謝礼の言葉はユリナの上から聞こえた。
「えっと・・・・どちら様で?」
「僕は弟です」
「ああ、兄弟」
ユリナはポンと手を打つ。
どうやら何故鎧なのかは特に気にならないらしい。
「お姉さん、軍人なんですね」
鎧の少年が言う。
「うん。一応ね」
ユリナは笑う。
そうなんですかと相槌を打とうとした鎧の少年の言葉より先に他の声が割り込んだ。
「じゃあ俺達はこのへんで・・・」
金髪の少年の声だ。
先程から何処か挙動不審の少年。
「そーお?じゃあね」
その様子に疑問を抱きながらもとりあえず別れの言葉を口にする。
その時――――
「鋼の」
声が聞こえた。
二人の少年でもユリナでも無い声。
「大佐?」
「アル、逃げろっ!」
「えっ、ちょっと兄さんっ!?」
「待て!」
四つの声が重なった。
そして二人の少年は走り去る。
「何事・・・?」
少年達が走った所為で出来た土埃を見ながらユリナは呟く。
「シャーカス大尉」
背後から声が掛かって。
「あっ、大佐。あの二人とお知り合いなんですか?」
「此方が聞きたい」
ロイは何やら仏頂面だ。
「イヤ・・昨日、偶然会っただけで名前も知らないんですけど・・・」
「ならいい」
ロイはそう言うと踵を返した。
「・・・・・・・・・・・・・・?」
ユリナは意味がわからず黙りこくる。
それからロイの後姿を見ているとハッとあることを思い出して。
「大佐っ!またサボりですかっ!?」
「・・・・・それをいうなら大尉もだろう」
「・・・・・・それは・・・そうですけど」
ユリナも今回ばかりは言い返せない。
「今日はえらく大人しいな」
「五月蝿いですっ!!」
ユリナはプイッと顔を背けた。
綺麗な金の髪の少年が
鋼の錬金術師エドワード・エルリックと知るのはまだもう少し先の話。
追記+++
「大佐、窓見た途端、外へ行っちゃいましたけど如何したんすかねぇ?」
「嫉妬かしらね」
「誰にですか???」
ハボックとリザとジュンヤの会話。
リザの手帳に書き加えられたのは。
『エドワードくんも参戦模様』
―――――――――――
無能の錬金術師様へ
キリ番300、有難う御座います。
なんかエドを出そうとしたら話が纏まってないですね;
申し訳無いです;
こんなので良かったら貰ってください;
書きなおし、受け付けます><
では、これからも休息の羽もろとも真翼をよろしく御願いします。
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