――――――――頭の芯が熱い。
               頬が火照ってゆく。




001・嘘吐キノ恋ガ始マル





ここは火の国。


木の葉隠れの里に一番近い村。


私は忍者じゃない。



普通に平凡に暮らしていたはずだったのに。











仕事帰り。



もう11時になってしまった。



家でさっさと寝ようと思ってた。



家に帰ってからの事を考えながらいつのまにか足は小走りになる。



早く帰りたい。



疲れたし、夜道は少し恐かった。




私が自分の家の目の前で人を見つけるまでは。



私の頭の中は暖かい布団の事で一杯だった。







「・・・・・・・・・・・・誰・・・」


自分の家の前に人影。


体型からして男だろう。


そしてなにより倒れている。



「・・・・・・・・・死ん・・で・・・?」



確かめるのが恐かった。



しかし家に帰るには前に進まなくてはいけない。


近寄って見たが・・・・動かない。



そこで新たな事実を発見した。



「この人・・・・忍者・・・・」


其の男が着ている服は紛れも無い忍服で。



「・・・・・う・・・ぐ・・・・・」



その人が唸る。



生きている事に安心した。



「びっ・・・病院にっっ」


私は何とか其処まで思考を働かせた。


しかし辺りは真っ暗。


誰も人が居ない。


「・・・・・・・どっ・・・どーしよ・・・」


呟いて。


頭の回路が働かない。



「だっ・・・大丈夫・・・ですか・・?」



小さく呟く。


そして其の男の顔を見て息を呑んだ。



「カッ・・・・・・・・・カカシ・・・さん・・・・?」



もう頭が廻らないどころか、廻る。


目が廻る。




昔、一度見かけた事があって。


話した事も無いし、向こうは私の顔を知らない。


一方的な片思いで。


もう二度と会う事もないと思っていた。



頬が一気に火照る。


夜風が更に冷たく感じた。


頭の芯が――――熱い。



「・・・・・・・・・・」



もう何も考えられない。


嬉しいのか悲しいのか恐いのかもわからない。



目の前にカカシさんが居る。



それしかわからない。




凝視する。





頭が痛い。



胸が潰れる。



息が苦しい。






其の時カカシさんの瞼が動いた。



私は跳ねる。


心が?


心臓が?


身体が?


思考が?



ううん、全部。




カカシさんの目がゆっくりと開く。



其処で自分と目が合った。


私が俯いて凝視してたんだから当然だ。


顔から火が出るとはこういう感情なのだろうか。


目頭が熱い。


頭が痛い。


熱い。



熱い。




「えーーーーと・・・・・」



カカシさんのその言葉で我に返る。


しかしまだクラクラする。




「キミ・・・俺の彼女?」




駄目です。


もう心臓が持ちません・・・・・・・






って―――――




「えっっ!?」



何で?


私が?



カカシさんの彼女―――――!?














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