―――――――目が廻る





007・コイゴコロ







「ねぇねぇユリナ?」


隣からユリナに声が掛かった。


「んー・・何?ジュンヤー?」


ユリナは視線は書類から放さず声だけで先を促した。


ジュンヤとてそれに嫌な顔はしない。


声音も表情も崩さずに淡々と続ける。


「うん、あのね、ユリナってマスタング大佐の事好きなの?」


まさに単刀直入。


「んなっっ!?///////」


ユリナは先ほどまで大切に持っていた紙をも撒き散らす勢いでジュンヤの方へ顔を向ける。


そして其の顔が朱に染まっている事に自分で気付き、ジュンヤに其れを見られた事がどうしようもなく恥ずかしくて、行き場の無くなった顔を下へ向けた。


「図星?」


ユリナは俯いている為ジュンヤの表情こそ見えないが声音で笑っているように思えた。


「んなわけないでしょっ!?なんで私が・・・・」


其処で言葉に詰まる。


頬が益々赤くなる。


熱くなる。


「じょっ冗談!私はあんな人好きじゃないわっ」


それだけ言いきるとガタッと机を立って其の場を後にした。


別にジュンヤに対して怒りの気持ちが湧いたわけではなく、それ以前にこの場に居るのがとてつもなく恥ずかしかったのだ。







「・・・・・・・・・・・ちぇっ・・・僕には勝ち目ナシ・・・?」


残されたジュンヤは呟いた。


声音は笑っていて。


口元にも笑みが浮かんでいる。


でもその眉は悲しげに歪んでいて。


瞳にも悲しみの色が宿っていた。









+++









「~~~~~~~~////」


まだ火照る頬を押さえてユリナは声にならない声を出した。


ジュンヤはいきなりなんて事を聞くんだろう。


そんなの好きなわけないじゃない・・・・・。


うん、好きなわけないよ。


ユリナはそう思って。


其処で考えを打ちきる。


また頬が熱くなるのを感じたからだ。



次の瞬間。



「―――――――!!??///////」



ユリナは本当に自分の顔が爆発したんじゃないかと感じた。



目の前には今、一番会いたくない人物。



目が廻る。。。



「大尉・・・?」



「っっ!!たったた大佐・・・・//////」


心なしか目に映るロイの顔も赤い気がしたが。


自分の目が充血してるからそう見えるのだろうと思った。



「大尉?どうかしたのか?」


いつも聴いてる声なのに耳の中で残る。


熱いよ。


声が熱い。



「だっ大丈夫・・・デス」


必死で声を絞って。


これじゃあ本当に大佐に片思いしているみたいじゃないか。


ユリナはそう思ったが片思いと言う単語に顔は反応する。



ジュンヤが変な事を訊く所為だ。



「そっそれじゃあっ!!」


ぶっ倒れてしまわないうちに其の場を後にする。




大佐は見えなくなったがまだ頭はガンガンして頬は先程よりも熱い。



「・・・・・・・・・ジュンヤの馬鹿・・・」



そう呟いた声は誰にも聞こえない。



何も聞こえない。



ジュンヤの意図も。


大佐の言葉も。




自分の気持ちさえ聞こえない。







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