Javelin Throw

脱出


息はしているが、意識がないようだ。

 「んっ……っっ……」

転がっている人が苦しげに声をあげ身を捩った。

 「寒い…身体が……う…まく…動か……ない!」

そういうと、顔を持ち上げた。

佐藤彪 であった。



 「はっ…はっ…はっ…はっ…」

リズミカルに走る男がいた。 その顔は、険しかった。

 「ここか…。」 そういうと、男…甲斐田隼人は大きく息を吐きだした。



彪 「……げほっ!!!」 あぁ…これはまずい……貧血が

隼人 「待ってろよ!!!」


強く地面を蹴り飛ばし、尋常ではない速さで階段を駆け上って行く、隼人。 

彪 ん?…凄い速さで誰かが上って来る……隼人?

隼人 「はっ…はっ…はっ…」

息とともに階段を勢いよく駆け上っていく。  と、ドアが正面に大きく現れた。

隼人 ここか!!

彪 足音が…止まった……



暫くの沈黙が続き    [ブーブーブーブー]     彪のケータイがいきなり鳴り響いた。

彪 「あ…」  隼人……!!


彪は、力を振り絞りドアを開けた。


隼人 「彪!!!大丈夫か!!!?」

隼人は、驚いていた。ぼろぼろ姿の彪を見て…

彪 「あまり…大丈夫じゃないや……」 へら と笑うと意識を失った。

隼人は一瞬焦ったが、彪が寝息を立てていることに気づき 「ふっ…」 と優しげに微笑み  足早にその場を去った。

                     脱出 完


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