Rin's

Rin's

猫小屋に住む人間。


ワガママ放題でそれなのに可愛がられてしまうなんて、美味しいニャン生だ。(猫の人生を私はニャン生と呼ぶ。ちなみに犬はワン生)

私の実家には最高で13匹の猫がいた。
最初にもらって来た時は雑種のオス(タマ)メス(ポチ)の2匹だったのだが、あれよあれよという間に増えた増えた。
家は決して広い家ではなかったので、猫小屋の中に人間が住まわせてもらっているような状態だった。
とにかく歩けば猫。猫。猫。
毛玉だらけ肉球だらけの家だった。

冬の日曜日にぬくぬくと布団で寝ていると大変な事になる。
起きようと思うと布団の上、横、中すべてに猫がいるのだ。
寝ているならまだいい、追いかけっこなどして遊んでいる猫は寝ている私の顔面を踏み付けて走り抜けて行く。
生傷が絶えない、おちおち寝てもいられない。
これが猫小屋に住むという事なのだ。

そしてこの猫達は繁殖していく。
猫のお産も何度か見た。
お産で一番驚いたのは、寝ている私の顔の側で何かがゴソゴソしているので何かと思って目を開けたら、
胎盤を引きずった産まれたての子猫がうごめいていたのだ。
さすがにビビッて母を慌てて呼んだ覚えがある。
朝方には4匹の小さい子猫がみゃうみゃうと母猫のおっぱいを飲んでいた。
とにかく子猫は可愛い。
3ヶ月くらいまでがとにかく可愛い。
ただ、やんちゃなうえに爪がとんがっているのでストッキングを何枚も破かれた。
それでも許せちゃうくらい、可愛い。

たくさん猫がいると外に行ったきり帰って来なくなってしまう猫もいる。
そして老いて死期を悟った猫は、すっといなくなってしまうのだ。
そういえば猫の自然死した姿など私は見た事がない。
どこかに猫は死に場所を探してあるのだろう。
わがまま放題で、寝てばっかりで、優雅に暮している猫の最期はとても潔い。
私はこの猫の習性がとても好きだ。
飼い主としては寂しい気もするが、猫の世界の掟なのだ。
私が老いて、これと同じ行動をしろと言われてもできないだろう。
ボケていれば別だが。

その後1匹も猫がいなくなってしまい、アメリカンショートヘアを近所からもらってきた。
もう猫小屋にはすまい。
誰もがそう思っていたが純血のアメリカンショートヘアはあれよあれよという間に子供を産み、
また家の中は猫小屋に逆戻りしたのだった。

結論、避妊手術はした方が良いです。


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