日々雑感

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覚書


ウイルスなどの外敵(異物)から身を守ってくれるはずの免疫が自分の体の成分を異物と誤認して攻撃するために生じる病気を自己免疫疾患といいますが、天疱瘡や類天疱瘡はその典型例です。表皮の細胞間を接着する蛋白に対して抗体ができ(自己抗体)、その自己抗体が表皮細胞間の接着構造を破壊するために表皮細胞がばらばらになって表皮の中に水ぶくれ(水疱)、ただれ(びらん)が生じるのが天疱瘡です。また、自己抗体が表皮と真皮間の接着蛋白に対してつくられると、表皮と真皮の間に水疱ができます。それを類天疱瘡といいます。これらの自己免疫のシステムによって生じる水疱症をまとめて自己免疫性水疱症といいます。天疱瘡はさらに自己抗体の種類の違いによりいくつかの病気に分けられますが、尋常性天疱瘡(pemphigus vulgaris)と落葉状天疱瘡(pemphigus foliaceus)が代表的です

自己免疫性表皮水疱症は、放置した場合は全身のびらんによる脱水、低蛋白血症、電解質異常となり、感染しやすいため死に至ることが多い病気です。特に尋常性天疱瘡は重症となることが多いといえます。

つよく擦りすぎるとただれるので注意が必要です。ガーゼをとめるテープも直接皮膚に貼ると、あとがただれるのでできるかぎり用いないようにします。
 治療の主体は副腎皮質ステロイド薬の内服です。尋常性天疱瘡は多量が必要ですが、落葉状天疱瘡、水疱性類天疱瘡ではそれより少ない量ですむことが多く、一部ではステロイド薬を内服せずに、ステロイド薬を塗るなどの他の方法のみで治療可能な場合もあります。通常は、初期量として多量のステロイド薬内服から始め、徐々に減量し維持量にもっていきます。ある程度の維持量はその後も必要になりますが、完全にやめることができる場合もあります。しかし、その場合でも再発する可能性はあります


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