れっどすとーん~僕と日々と時々おとん~

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第一話





「お前ん家って親いねぇんだろ?」


男2人組みが話かけてきた。
いわゆる不良というやつだ。


そう、オレには両親がいない・・・。



「お前がちっちぇころに捨てられたんだろ?どうせ今ごろどっかで遊びまわってんじゃねーのか?」

と、大きな声をだし笑う。





・・・



オレは気がつけば、相手の顔面を殴っていた。


自分の右手がジンジンと痛む。


あぁ・・・オレ人をこんな本気で殴るの初めてだわ。



当然、相手は黙っているわけもなく、殴り返してきた。


ボコッ


相手の拳がオレの左頬にヒットする。

オレは軽く吹っ飛ぶ。


痛い。

これが殴られる痛みか・・・。


殴った右手と殴られた頬が痛む。


けど、それ以上に心が痛い・・・。



オレは小さい頃に祖父、祖母のところへ預けられた。
祖父はお前の親は忙しいからだ。

と、ごまかすようにいつもいう。


オレはそれを信じていた。

いや、信じたかった。


捨てられたと思いたくなかったから・・・。



だけど・・・改めて思い知らされる現実。



オレは捨てられたんだ。



ステラレタンダ・・・







だけど、こいつらだけは許さない。


たとえそうだとしても、オレを生んでくれた両親を馬鹿にするやつは絶対に許せない。




オレはゆっくりと立ち上がり、男2人へと歩み寄る。




気がつけば・・・


教室全体は静寂に包まれ・・・。



男2人は気を失ったのか倒れ、そこにオレは1人突っ立っていた・・・。





もう・・・どうなってもいい。


どうにでもなれ。



そのあと先生たちがあわてて駆けつけ、オレは指導室へと連れて行かれる。


もう・・・どうでもいい。
どこへでも連れて行ってくれ・・・。

そう、ドウデモイインダ・・・




処分が下された。


一週間の停学。


オレは教室へもどり、自分のバックを肩にかけ教室を出る。

まわりでヒソヒソと話声が聞こえる。


オレはそれを無視し廊下を歩く。

ほかのみんなはオレを避けるように道をあける。



2人を殴り気絶させ、一週間の停学処分。
当然といえば当然か・・・。


下駄箱で靴を履き替えたところで1人の男が息を切らせて走ってきた。


「ハァハァ・・・お前・・・なにやってんだよ・・・ハァ」


こいつはオレの唯一親友と呼べるやつだ。
名前は木下 隼人 (きのした はやと)


「あぁ・・・もうどうでもいいや・・・。」


「は?どういう意味だよ!?」


もういい・・・話しかけないでくれ・・・。


オレは隼人を無視し、歩き続けた。

後ろのほうで隼人が何か言っていたが、今のオレの耳にははいらなかった---


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