~蠍の幻想曲~

~蠍の幻想曲~

夜空の王子と白夜の姫



この世界では私〔フィア・ブルーサクリオス・クロティア〕の事を悪魔と呼ぶ

別に普通の人間には見えないし触れない

だからいくら仕事をやっても人間には見られない

私の仕事は悪魔を狩る事

主に日本を中心に活動をしている

悪魔は人間の肉、血を月に一度取り入れないと生きていけない。

よくニュースなので話題になる行方不明者は98%悪魔の仕業だ

私はそれを食い止めるために活動している

今回は珍しく悪魔からの依頼が来た

その依頼で今現在徘徊しているのだが・・・

『あぁ、めんどくさい・・・』

そんな事を呟きながら公園を徘徊していた

たまに人間でも私が見える人がいる、その人間自体は少し人間とズレがある

異常に勉強が出来たり、運転神経が良かったり

ズレがある人間の事を〔イーブル〕と呼んでいる

今日は一気に探そうと思って羽を広げた

今日は不運だったかな―

まさかイーブルが私を見ているなんて・・・

『ねぇ、君名前は?』

私はイーブルに名前を聞いた向こうは、はい?と答えた

もしかしたら私の羽に気づいていないかもしれない。
『貴方のその羽なんですか?』

確認する必要もなかった

私は話を反らしまた新ためて名前を聞く

『私は月影光って云います』

その事を光が云い終わった直後に貴方の名前は?っと聞いてきた、

『私?』

正直、適当に話してこの場を去るつもりだった私は自分が名乗るべきかどうか悩んだ・・・が、その時

『フィ・・・・アブルーサクリオスクロティアですよね、悪魔さん』

光の左目が真紅色に変わっていた

『何故?』

私は聞いた、只のイーブルなら私の名前を知っているハズがない

光は目を閉じて明るく笑いながら答えた

『目を見れば解ります』

次の瞬間鳥肌が立つほどの邪気が体中を巡った

『私を殺せって任務を出したのは魔王ベリウス・ラグナでしょ?』

やはり光の言葉は冷たかった

『待て!何故だ、この任務は手紙で私だけに送られてきた一般悪魔も情報屋も知らないはずだ、』

光はイーブル――いや悪魔と天使のハーフなのに何故知っているんだ、その追求に応じるかのように光が答えた

『私の本名は、もう1つあるの1つはさっき言った月影光もう1つは・・・ヒカリ・ラグナって言うの』

理解に数秒もかかった、光は・・・

『魔王の娘――』



『いざとなると私――』

声を出したのは光だった、剣は光の右側を通っていた
光の目からは涙が流れていた、手で涙を拭いているがいくら拭いても涙が止まっていない声も力なく、羽もしまわずその場にへたれこんだ

私は泣きじゃくる光の頭に手を乗せわしゃわしゃしながら言った

『貴方、名前は?』

【天使でもない―】

【悪魔でもない―】

『私はひ・・かり』

『光かい?なら私が探して人だ―』

私は笑顔で言った

【まるで白夜のような―】
『迎えに来ましたよ。姫様』

【私なら光を幸せに出来る気がした―】

『フィアさん!』

光の腕が私の首に絡んできた

【むしろ――】

『大好きですv』

私は光の唇に唇を塞がれた



【必ず幸せにするさ】





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