~蠍の幻想曲~

~蠍の幻想曲~

神楽~第六章~



体を起こしあたりを見回した

黒くて長い髪の人形が私の前に立っていた

その人形が月の光に当たりながらこちらを見てきた

『あなた、一村ね。』

私は首を縦に振った

『やはりね』

私は一番聞きたいことを聞いた

「ねぇ、さっき心臓になにか刺したよね・・・」

『あぁあれね、あれは魂呪の儀式と云って私の力を分け与えるために貴方の魂に呪いをかけたの』

私は返事を返さず何かを考えた

たとえば今何時とか、この人形は何?とかだ

その時人形が云った

『今は午後十時三十二分。そして私の名前は神楽』

悟られた。しかも考えていることすべて・・・ 

『悟られたと云うより貴方と私はつながっているのよ、貴方の考えることはすべて私に流れ込んでくる』

「思ったけど、なんで貴方は私にその魂呪の儀式をしたの!なんで私なの?」

神楽は答えた

『だって私は貴方を生まれた時から見ているもの』

その台詞を云い、神楽は長い髪を靡かした・・・


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